AutoCAD および Inventor 用の Data Standard Add-in には、Data Standard のシートの動作を指定する独自の設定ファイルが 2 つ用意されています。設計ワークフローに応じてこの動作を修正します。
ダイアログがロードされている間は動的にプロパティ設定を設定できます(InitializeWindow 関数を使用)。
Data Standard 設定ファイルには、次の動作が定義されています。
AutoCAD および Inventor 用の Data Standard Add-in には、次の 2 つの設定ファイルがあります。
どちらのファイルも C:¥ProgramData¥Autodesk¥<Vault エディション>¥Extensions¥DataStandard¥CAD にあります。
CFG ファイルは、CAD アプリケーションの起動時に一度だけロードされます。
設定ファイルは XML 形式です。ファイル内の要素の値を修正するには、テキスト エディタまたは XML エディタを使用します。
ファイルの保存先を定義します。プレーン テキストと変数を組み合わせて定義できます。ユーザがデータを入力したり変更するたびに、入力した式が評価されます。終了部の円記号は必須ではありません。サポートされている変数を次に示します。
{Workspace}
プロジェクト ファイルで定義されている、作業スペースへのパスが含まれます。
{Prop[<property name>].Value}
ファイル プロパティの値で、
サンプル
<PathDefinition>{Workspace}\{Prop[PROJECT].Value}</PathDefinition>
このサンプルでは、Data Standard で生成されるパスは、アプリケーションで設定した作業スペース フォルダに、Data Standard ダイアログで選択または入力したプロジェクト名を付加したものになります。作業スペースは変化しないため、この部分は固定になります。一方、プロジェクト パスはユーザのデータに応じて変化します。
ファイルの命名方法を定義します。プレーン テキストと変数を組み合わせて定義できます。ユーザがデータを入力したり変更するたびに、式が評価されます。ファイル拡張子は省略されますが、Data Standard により自動的にアタッチされます。サポートされている変数を次に示します。
{Prop[<property name>].Value}
ファイル プロパティの値です。*
サンプル
<FileNameDefinition>{Prop[TITLE].Value}</FileNameDefinition>
ファイル名は、TITLE プロパティの値から生成されます。
<FileNameDefinition>{Prop[YEAR].Value}_{Prop[NUMBER].Value}</FileNameDefinition>
ファイル名は、YEAR プロパティと NUMBER プロパティをアンダースコアでつなげた組み合わせから生成されます。
1 つまたは複数の <PropertyDefinition>
要素が含まれています。<PropertyDefinition>
はこの設定ファイルの中核であり、1 つまたは複数のプロパティを定義できます。
Data Standard ダイアログでプロパティとしてアクセスできるようにするフィールドは、ここですべて定義する必要があります。プロパティの名前は、ファイルまたは表題欄プロパティの名前にもなります。"TITLE" など、プロパティ名が既存のファイル プロパティと一致する場合は、直接使用されます。それ以外の場合は、カスタム プロパティが作成されます。
サンプル
...
<PropertyDefinitions>
<PropertyDefinition PropertyName="DocNumber" DataType="Text" InitialValue="{PathAndFileNameHandler.FileName}" InitialCopyValue="{UIString[CFG2]} {PathAndFileNameHandler.OriginalFileName}" />
<PropertyDefinition PropertyName="Title" DataType="Text" InitialCopyValue="{UIString[CFG1]} {Prop[Title].Value}" RequiresValue="true" />
<PropertyDefinition PropertyName="Description" DataType="Text" />
<PropertyDefinition PropertyName="Comments" DataType="Text" />
<PropertyDefinition PropertyName="Folder" DataType="Text" InitialValue="." RequiresValue="true"/>
<PropertyDefinition PropertyName="Original" DataType="Text" InitialCopyValue="{PathAndFileNameHandler.OriginalFullFileName}" />
</PropertyDefinitions>
...
<PropertyDefinition>
で使用可能な属性は、次のとおりです。
属性 | 必須 | 有効な値 | 説明 |
---|---|---|---|
PropertyName | はい | 文字と数値 | プロパティの名前です。 |
DataType | はい | テキスト、日付、ブール値、整数値、倍精度値 | データ タイプを定義し、カスタム プロパティの作成に必要です。 |
InitialValue | いいえ | DataType によって異なります。 テキスト: テキストと変数の組み合わせ(下記参照)。 日付: 有効な日付、または現在の日付の場合は "now" ブール値: "true" または "false" 整数値、倍精度値: 有効な数字 | 初めてドキュメントを保存するときの初期値を定義します。 |
InitialCopyValue | いいえ | DataType によって異なります。 テキスト: テキストと変数の組み合わせ(以下を参照) 日付: 有効な日付、または現在の日付の場合は "now" ブール値: "true" または "false" 整数値、倍精度値: 有効な数字 | ドキュメントをコピーするときの初期値を定義します。このプロパティは、Inventor のみに適用されます。 |
RequiresValue | いいえ | True、False、PowerShell 関数の名前 | 検証のために使用されます。PowerShell 関数を使用すると、より複雑な検証ルールを実装できます。 |
InitialValue
と InitialCopyValue
の各プロパティでは、テキスト プロパティにプレーン テキストと変数の組み合わせを使用できます。サポートされている変数を次に示します。
{PathAndFileNameHandler.<field>}
ドキュメントの内部ファイル名や場所に関する情報を取得するために使用することができます。利用可能なフィールドを次に示します。
FileName
: ファイルパスを含まない、ドキュメントのファイル名です。
FullFileName
: ドキュメントの絶対パスです。
OriginalFileName
: Inventor のみ。ドキュメントをコピーするときに使用でき、ファイルパスを含まない、元のドキュメントのファイル名を返します。
たとえば、{UIString[CFG2]} {PathAndFileNameHandler.OriginalFileName}
は「Copy_of_Part1.ipt」を返します。
{Prop[<property name>].Value}
Inventor のみ。
{UIString[<ID>]}
Inventor のみ。UIStrings.xml から、
True または False に設定して、初めて保存するドキュメントの Data Standard ダイアログで[OK]をクリックしたときに Vault のチェックイン ダイアログを表示するかどうかを示します。
Inventor のみ。この要素はプロパティ名のカンマ区切りリストです。このリストに載っているファイル プロパティを持つドキュメントでは、Data Standard ダイアログが自動的に表示されません。使用法のシナリオとして、Cadenas のコンテンツ センターで生成されたパーツなど、サードパーティのコンテンツ センターのパーツについては、Data Standard ダイアログの表示をスキップするシナリオが挙げられます。
サンプル
<SkipForProperties>CDN_B</SkipForProperties>
Inventor のみ。サポートされるドキュメント タイプを定義します。たとえば Inventor DWG ファイルについては Data Standard ダイアログを表示しない場合、この要素は次のようになります。
<SupportedFileTypes>IDW,IAM,IPT,IPN</SupportedFileTypes>
AutoCAD のみ。この要素は、Data Standard と同期されている AutoCAD ブロック名のカンマ区切りリストです。次の 3 つの設定が必要であり、それ以外に旧形式のファイルをサポートすることをお勧めします。
サンプル
<TitleBlock>ISO_TITLEA,ISO_TITLEB,DIN_TITLE</TitleBlock>
Data Standard では AutoCAD ファイル プロパティを使用するため、UDP の主なマッピングをファイルに設定する必要があります。
Data Standard プロパティの値を同期してブロックすることができます。これを実現するために 3 つの設定が必要であり、それ以外にファイル プロパティを持たず、ブロック属性のみを持つ旧形式のファイルをサポートすることをお勧めします。