Inventor の各ファイルには、iProperty と呼ばれる 1 組のプロパティが含まれています。ファイルに複数のモデル状態がある場合、各モデル状態には固有の iProperty があります。
モデル状態を作成する場合は、編集範囲のステータスを把握することが重要です。[メンバ範囲を編集]が有効になっている場合、iProperty を変更すると、アクティブなメンバにのみ適用されます。[ファクトリ範囲を編集]が有効になっている場合、iProperty を変更すると、すべてのメンバに適用されます。
ブラウザで[メンバ範囲を編集]と[ファクトリ範囲を編集]を切り替えるには、[モデル状態]ブラウザ エントリの上部にある鉛筆アイコンをクリックします。
iProperty を使用すると、ファイルの分類、管理や検索、レポートの作成を行ったり、図面内の表題欄やパーツ一覧とアセンブリ内の部品表の更新を自動的に実行できます。ファイルを検索するときには、iProperty が使用されます。
Inventor の外部から(たとえばファイル エクスプローラから)アクセスすると、[iProperty]ダイアログ ボックスでのスペル チェックは無効になります。
次のいずれかの方法で[iProperty]ダイアログ ボックスを開きます。
[プロパティ]ダイアログ ボックスの[概要]、[プロジェクト]、[ステータス]、または[カスタム]のタブをクリックして、使用するプロパティの値を設定します。
これらのタブの設定のみが、ファイルの検索や、部品表、パーツ一覧、その他の情報の更新に使用されます。
Design Assistant を使用して iProperty を変更する前に、開いている Autodesk Inventor のファイルをすべて保存してください。
モデル iProperty の値は図面にコピーできます。iProperty を図面テンプレートにコピーした場合、このテンプレートから作成した図面で iProperty を使用できます。
最初の図面ビューを配置すると、選択した iProperty が参照も出る ファイルから図面にコピーされ、既存の iProperty が上書きされます。
[カスタム]タブに追加されたカスタム プロパティは、ドキュメント間でコピーすることができます。複数のプロパティをコピーして貼り付けることができます。
プロパティを別のドキュメントに貼り付ける際に重複が存在する場合は、実行する操作を指定するよう求めるプロンプトが表示されます。
文字種の iProperty に関する式は、[プロパティ]ダイアログ ボックスで作成、編集できます。式には、カスタム テキスト、および括弧で囲まれたパラメータと iProperty の名前が含まれます。式の評価時に、パラメータと iProperty の名前はパラメータと iProperty の値に置き換えられます。式を含んでいる iProperty フィールドは式アイコン でマークされ、ツールチップに現在の式が表示されます。
![]() | [プロパティ]ダイアログ ボックスには、iProperty のエントリと iProperty の式で評価された値が表示されます。式を含む iProperty フィールドは式アイコンでマークされます。その iProperty フィールドにマウス ポインタを移動させると、ツールチップに実際の式が表示されます。 |
次のいずれかの方法で[iProperty]ダイアログ ボックスを開きます。
[プロパティ]ダイアログ ボックスで、[概要]タブ、[プロジェクト]タブ、[ステータス]タブ、または[カスタム]タブを開き、式を作成するフィールドをクリックします。
等号記号が表示されない場合は挿入してから、式を作成または修正します。パラメータと iProperty のそれぞれの名前は括弧で囲みます。
式の例:
=DIN1026 - U 140 x
作成した式は、[適用]をクリックするか[Enter]を押すと評価されます。
G_L = “XYZ” の場合の例の式の評価:
DIN1026 - U 140 x XYZ
フラット パターンの単位をセンチメートル以外にするには、まず、フラット パターンを持つシート メタル パーツを作成し、次に、[iProperty]ダイアログ ボックスの[カスタム]タブでシート メタル式を作成する必要があります。たとえば、次のいずれかを入力します。
[ドキュメントの設定]ダイアログ ボックスの[単位]で、必要な既定の単位を指定します。
[カスタム]タブの[値]タブに「=<シート メタルの長さ>」と入力します。
[追加]をクリックします。
[iProperty]ダイアログ ボックスの[カスタム]タブをいったん閉じてから再び開きます。
値が表示されます。
インスタンス プロパティは、親アセンブリに保存されている個々のコンポーネント インスタンスに割り当てられるプロパティです。iProperty とは異なり、インスタンス プロパティは参照コンポーネント ファイルに影響しません。インスタンス プロパティの値は、カスタム iProperty の値よりも優先順位が高くなります。カスタム iProperty が存在し、同じ名前のインスタンス プロパティを作成する場合、カスタム iProperty をカバーするインスタンス プロパティが作成されます。インスタンス プロパティの使用方法については、「インスタンス プロパティを使用するには」を参照してください。