Arnold for Maya 5.5.3

Arnold for Maya (MtoA) 5.5.3 for Maya 2026.2 には、パフォーマンスの大幅な向上、トゥーン シェーディングの最初の GPU サポート、新しい HTML ベースのレンダリング統計情報レポート、および多数のバグ修正が含まれています。このページには、Maya 2026 が MtoA 5.5.0 でリリースされた後に MtoA に追加されたすべての新機能と変更点が含まれています。

最近追加された機能とバグ修正の完全なリストについては、「Arnold for Maya リリース ノート」を参照してください。

aiVolume ノードでの OpenVDB ポイントのサポート

ポイント データを含む VDB ファイルをロードし、Arnold ポイント プリミティブとしてレンダリングできるようになりました(MTOA-2234)

レンダー ログを Arnold レンダー ビューのスナップショットと一緒に保存できるようになりました。

スナップショットを保存するときに、現在のレンダー ログを保存し、Render Logs ウィンィンドウに表示できるようになりました(ARNOLD-12266)

レンダリング統計情報レポート

Arnold レンダリング統計情報用のインタラクティブな HTML ベース ビューア。フレーム レンダリング時間、メモリ使用量、カテゴリ別またはノード別のレンダリング時間、テクスチャの使用状況などの詳細なレンダリング統計情報をすばやく視覚化して、調べることができます。

GPU トゥーン シェーディング

Arnold GPU に、トゥーン シェーダと輪郭フィルタの初期サポートが追加されました。トゥーン シェーダは現在、直接光のレンダリングのみに制限されています(反射、屈折、間接光はサポートされません)。
トゥーン トゥーン + 輪郭フィルタ

ポイント インスタンサでのライト変換

インスタンサにライトが含まれている場合、instance_inherit_xform が有効な場合はローカル マトリックスが考慮されるようになりました。

グローバル ライト サンプリングの改善

グローバル ライト サンプリングを使用してフォトメトリック(IES)ライトとメッシュ ライトをレンダリングする場合に、同じレンダリング設定で同じレンダリング時間をかけた場合の精度が向上しました。(ARNOLD-13692、ARNOLD-15859)
前後の比較: さまざまな IES プロファイルのレンダリングが改善されました(レンダリング時間とレンダリング設定が同じ場合)
前後の比較: モーション ブラーが適用されたメッシュ ライトのレンダリングが改善されました(レンダリング時間とレンダリング設定が同じ場合)

テクスチャへのレンダリング(Render To Texture)で USD ステージ選択をサポート

グローバル ライト サンプリングを使用してフォトメトリック(IES)ライトとメッシュ ライトをレンダリングする場合に、同じレンダリング設定で同じレンダリング時間をかけた場合の精度が向上しました。

ユーザは、Maya USD ステージ内のノードでテクスチャへのレンダリング(Render To Texture)を使用できるようになりました。UI が改善され、使いやすくなりました(MTOA-2180)

パフォーマンスの改善

USD の機能強化

  • Hydra ベースの USD 変換: USD をレンダリングする際、Arnold は USD から Arnold への変換の処理に既定で Hydra を使用するようになったため、レンダリングと Hydra レンダー デリゲートの整合性を維持することができます(usd#2248)。以前の動作に戻すには、options.usd_legacy_translation をオンにするか、環境変数 PROCEDURAL_USE_HYDRA=0 を設定します。(ARNOLD-15977)
  • USD メモリ使用量の削減: USD ジオメトリ バッファが Arnold と共有され、インタラクティブ モードでシーンのコピーが 1 つ削除されます(usd#2148)。たとえば、ポリゴン数が 3,000 万の高解像度 USD メッシュをレンダリングするときに、レンダリングに 7.5 GB ではなく 5.5 GB が消費されるようになりました。
  • バッチ レンダリング中、変換が完了すると、Hydra ベースの USD プロシージャルで USD ステージ メモリが解放されるようになりました(usd#2228)。
  • 非表示プリミティブの最適化: レンダー デリゲートを使用するときに、非表示プリミティブを Arnold に変換しなくなりました。これにより、使用されるシーン メモリが大幅に削減されます。usd#2264
  • 未使用の子ノードの最適化: Hydra プロシージャルの子ノードを無効にする代わりに破棄するようになりました。これにより、一部のシーンではメモリ フットプリントが削減されます(usd#2277)。
  • 既定のインタラクティブ FPS の更新: レンダー デリゲートの既定のインタラクティブ フレーム/秒設定の改善により、最大 FPS を高速化し、最小 FPS を遅くできるようになりました(usd#2276)。
  • ディスプレイ ドライバの作成の最適化: レンダー デリゲートは、AOV ごとに 1 つのドライバを使用するのではなく、すべての AOV に対して単一のディスプレイ ドライバを使用するようになりました。これにより、初期化とレンダリングの時間が短縮されます(usd#2284)。
  • 角速度: ポイント インスタンサの角速度がレンダー デリゲートで機能するようになりました(usd#2285)。

API の変更点

互換性のない変更

コンポーネントの変更

バグ修正

  • MTOA-2150: レンダリング設定(Render Settings)ウィンドウで AOV UI のサイズが正しく変更されない
  • MTOA-2279: リファレンスをロード解除すると Maya がクラッシュする
  • MTOA-2247: USD for Maya の書き出しで不正な framesPerSecond が設定される
  • MTOA-2294: LookdevX ノードを複製、作成、または切断しても、レンダリングが更新されない
  • MTOA-2301: テクスチャを接続している場合、IPR でライトの色温度を有効にしても更新されない
  • MTOA-2311: USD for Maya の書き出しで原点にパース カメラが作成される
  • MTOA-2228: macOS でレンダリング設定(Render Settings) > AOV ブラウザ(AOV browser)が空白になる
  • MTOA-2348: レンダリング設定(Render settings): レンダリング ユニット パラメータが機能しない
  • ARNOLD-14467: [GPU] JIT コンパイル中に GPU がクラッシュする
  • ARNOLD-15686: スカイドームにテクスチャがある場合、ユーティリティ AOV シェーダで Arnold がクラッシュする
  • ARNOLD-15719: ディスプレイスメントに triplanar.smooth_before_displacement が渡されるとクラッシュする
  • ARNOLD-15834: レンダリング間でサンプリング ノイズの一貫性が保持されるようになりました
  • ARNOLD-15842: パラメータを変更すると、OSL シェーダが再構築されない
  • ARNOLD-15858: ライトごとのサンプリングのパフォーマンスにリグレッションが発生していましたが修正されました
  • ARNOLD-15892: 子オブジェクトでモーション トランスフォームを実行してもプロシージャル境界が更新されない
  • ARNOLD-15905: レンダリング解像度が変更されても、レンズ エフェクトが正しく更新されない
  • ARNOLD-15914: [GPU] シェーダ スタック サイズを決定できない場合に、Arnold がエラーをスローする必要がある
  • ARNOLD-15939: procedural_update で作成されたノードがプロシージャル行列を無視する
  • ARNOLD-15942: シーンの更新中にプロシージャルの再ロードをトリガするパラメータを変更するとクラッシュする
  • ARNOLD-15943: procedural_update でノードを作成または削除した後にプロシージャ バウンディング ボックスが再計算されず、レンダリングでオブジェクトがクリッピングされるか、パフォーマンスが低下する。
  • ARNOLD-15948: procedural_update からオブジェクト ノードを破棄するとクラッシュする
  • ARNOLD-15983: OpenEXR DWAA 浮動小数点数テクスチャが正しく読み込まれない
  • ARNOLD-15985: [MaterialX] 「defaultgeomprop」アトリビュートが設定されたパラメータが接続をオーバーライドする
  • ARNOLD-15986: [MaterialX] ノードグラフ内に同じ名前のノードが存在するとクラッシュする
  • ARNOLD-15993: RAW ドライバが不正なサンプル数を受け取る
  • ARNOLD-16000: enable_dependency_graph が無効な場合は依存関係を追加できないようにする
  • ARNOLD-16005: インスタンス ノードを使用すると AiProceduralViewport でハングする
  • ARNOLD-16006: Cryptomatte を追加すると不透明度 AOV が黒になる
  • ARNOLD-16041: [MaterialX] 名前付きノードグラフ出力への接続が機能しない
  • ARNOLD-16044: [GPU] シェイプのパラメータを変更すると IPR がクラッシュする
  • ARNOLD-16050: [MaterialX] materialx オペレータから割り当てられると、ND_mix_surfaceshader が黒でレンダリングされる
  • ARNOLD-16053: 一部の NVIDIA ドライバを使用している GPU では、トライプラナーでアーティファクトが生成される
  • ARNOLD-16060: インタラクティブ レンダリング中にプロシージャルの下のライトをトランスフォームできない
  • ARNOLD-16065: パーツに一意の名前がないため、マルチパーツ レンダリングが失敗する
  • ARNOLD-16073: インスタンサが子ノードに無効なカスタム名を設定しないようにする
  • ARNOLD-16081: キャッシュされたプロシージャルに含まれるサブディバイドされたメッシュが正しく識別されるとは限らず、サブディビジョンの結果に差異が生じる可能性がある
  • ARNOLD-16116: レンダリング レポートの修正とクリーンアップ
  • ARNOLD-16155: グローバル ライト サンプリングで IES ライトに対して放出円錐が狭すぎる
  • ARNOLD-16157: 移動されたプロシージャル インスタンス内のライトが正しく移動されない
  • ARNOLD-16181: インスタンス化されたプロシージャルの初期化でパフォーマンスが低下する
  • ARNOLD-16184: options.outputs が null アレイ ポインタに設定されているとクラッシュする
  • ARNOLD-16187: procedural_instancing_optimization の既定の設定を exhaustive から conservative に変更
  • ARNOLD-16203 - 追加モードで EXR にレンダリングすると、失敗してクラッシュする
  • ARNOLD-16214: procedural_update でノードを追加した後、プロシージャ バウンディング ボックスが正しく再計算されない
  • ARNOLD-16234: インスタンス化されたオブジェクトを再構築するとクラッシュする
  • ARNOLD-16247: レンダリング セッションなしで AiProceduralExpand を使用するとクラッシュする
  • ARNOLD-16253: カスタム Arnold ノードを含むコンパウンドをパブリッシュしてもレンダリングされない
  • ARNOLD-16289: ライト ブロッカー シェーダの density、roundness、width_edge、height_edge、および ramp パラメータのメタデータを更新
  • ARNOLD-16299: すべての子ノードが更新された後にプロシージャルのバウンディング ボックスが計算されるようにする必要がある
  • ARNOLD-16301: CUDA のロードに失敗した場合の GPU エラー メッセージを明確化
  • ARNOLD-16344: プロシージャル キャッシュでプロシージャルを処理するときに、シーン単位が不正に変換される
  • ARNOLD-16347: インスタンス化されたプロシージャルで無効なファイル名を使用するとクラッシュする
  • usd#1402: ペアレント化されたオブジェクトを USD に書き出すと、トランスフォームが正しく行われない
  • usd#2208: インスタンサとメッシュでの不要な割り当てを修正
  • usd#2218: 正投影カメラでの Hydra の警告を修正
  • usd#2219: ノード名を持つ Hydra の競合状態を修正
  • usd#2224: 警告「HdArnoldDriverMain は既にインストールされています」を修正
  • usd#2225: プロトタイプが見つからないポイント インスタンサのクラッシュを修正
  • usd#2227: Hydra プロシージャルが Arnold ログを中断
  • usd#2232: 法線を持つ左手のインデックス付きメッシュの不正な husk レンダリングを修正
  • usd#2234: 警告「選択した Hydra レンダラ はプリミティブ タイプ 'RenderSettings' をサポートしていません」を修正
  • usd#2239: 明示的な fieldName を持つ OpenVDB アセットが Hydra でレンダリングされない
  • usd#2268: シャッターの更新時に変換配列を再計算して、最初にレンダリングされたフレームでインスタンサ モーション ブラーを再度有効にする
  • usd#2269: Hydra プロシージャルが更新されたときに失われるシェーダ接続を修正(mtoa)
  • usd#2296: レンダー デリゲートでの統計モードの適切なサポート
  • usd#2303: スキップする必要がある非表示プリミティブの検出を改善
  • usd#2309: プリミティブの可視性と目的間の最近の競合を修正
  • usd#2313: USD の ArnoldProceduralCustom プリミティブで Arnold primvar が考慮されない
  • usd#2231: インスタンス数が異なる場合の速度モーション ブラー コヒーレンスを修正
  • usd#2240: USD プロシージャルで既定のボリューム シェーダを割り当てる必要がある
  • usd#2260: husk レンダリングで Deepexr 設定が正しく設定されない
  • usd#2287: USD と Hydra 間の GI_transmission_depth の既定値の不一致を修正
  • usd#2298: 複数の Hydra レンダリングが同時に初期化されるとクラッシュする可能性がある問題を修正
  • usd#2300: Hydra モードで、アニメートされたシーケンスが誤ったファイル名をレンダリングする

動作環境