対称を使用して、シミュレーション タスクのサイズを縮小します。
多くの場合、CAD モデルを 1 回または複数回以上半分に分割して、完全なモデルの 1/2、1/4、または 1/8 の対称表現を生成することができます。対称を適切に利用することで、シミュレーション モデルのサイズを大幅に小さくすることができます。シミュレーション モデルが小さくなると、要素数が少なくなり、ファイル サイズが小さくなり、解析時間が短くなります。
また、多くの場合、対称によって、過剰な拘束をしなくてもモデルが静的に安定する(つまり、3 つすべてのグローバルな方向で拘束が提供される)ようになります。たとえば、自動車のディスク ブレーキ ローターなど、高温で稼働しているパーツについて、その熱応力解析を考えてみます。完全なローターのうち任意の面を拘束した場合、ディスクが高温になるにつれてディスクの一部分が自由に膨張できなくなります。その結果、エッジ部分で、または拘束された面の内側に沿って、高い(過大な)応力が生じ、モデル内の他の部分でも生じる可能性があります。そこで、対称平面に対する法線方向への移動はないという事実を利用することができます。したがって、対称平面で法線移動の拘束をしても、当然発生する自然な熱膨張を妨げることはありません。
次の図は、複数の対称面を使用して、ブレーキ ロータの完全なモデルを縮小する方法を示しています。
図 1: ブレーキ ロータを 1/8 の対称モデルにまで縮小(黄、シアン、マゼンタの各面は、3 つの対称平面に沿ってモデルを分割した場所を示しています)。