モデルの単純化
シミュレーションを複雑にしてしまう不要なモデル フィーチャを削除します。
シミュレーション モデルは、製造モデルほど詳細でなくてもかまいません。多くの場合、製品設計には、応力、モード、または熱のシミュレーションに関して重要ではないフィーチャが含まれています。ただし、それらが原因でメッシュが複雑化する可能性があります(要素数が多くなります)。そのため、ファイル サイズが大きくなり、解析時間が長くなります。不要と考えられるフィーチャの例として、外部コーナー上のパーツ番号やフィレットのエンボス加工や絞り加工があります。
シミュレーションに不要なボディまたはフィーチャを削除するには、[単純化]ツールを使用します。また、大きな面の一部だけに荷重または拘束がかかるように制限するために、面を分割することもできます。さらに、その他のジオメトリの変更を行って、シミュレーション結果がモデル バリエーションによってどのような影響を受けるかを見極めることもできます。最適なジオメトリが決定したら、[デザイン]作業スペースで製造用基本モデルに同じ変更を加えることができます。
シミュレーション モデルを理解する
重要: [デザイン]作業スペースで表された製造用基本モデル バージョンに影響を与えることなく、モデルにシミュレーション固有の修正をすることができます。以下のことができます。
- シミュレーションを容易にするために、不必要なコンポーネント、ボディ、またはフィーチャを除去する。
- 大きな面の一部に荷重または拘束がかかることを制限するために面を分割する。
- 「What-If」解析を実行するためにジオメトリを修正し、結果として得られる応力、変位、温度などの効果を確認する。
- 製造用基本モデルの複数のバリアントを作成する。既定で、各バリアントはシミュレーション モデル x (この「x」は自動的に増分されるシリアル番号)という名前になります。判別しやすくするためにシミュレーション モデルの名前を変更することができます。
注: 新規シミュレーション モデルを作成するときに、モデルの製造用バージョンが新しいシミュレーション モデルの開始点として使用されます。前のシミュレーション モデルに加えた変更を元に戻さないようにするには、代わりにシミュレーション モデルのクローンを作成します。
[単純化]コマンドは単純化作業だけに限定されません。ジオメトリにどのような変更も加えることができます。[単純化]コマンドを使用して加えられた変更は、シミュレーション モデルに保存され、[デザイン]作業スペースに保存される製造用モデルには影響を及ぼしません。
修正例
- モデルの単純化 - シミュレーションに関係のないフィーチャを削除して、解析の時間を短縮し、複雑性を低減します。
- ジオメトリの修正 - 異なる寸法に対する「what-if」解析で結果に与える影響を評価します。
- 面の分割 - 大きな面の一部のみに荷重または拘束がかかるように制限します。
- ボディの分割 - 対称を利用します。ボディを分割した後で、2 分割された面のうちの 1 つを除去します。次に、分割平面に沿って面または複数の面に適切な拘束を適用し、対称を表現します。
- プリミティブに置換: 基本となるソリッド ボディを、選択した 1 つまたは複数のコンポーネントまたはボディに置き換えます。次の場合に実行します。
- 置換される個々のパーツのシミュレーション結果は考慮しないものの、
- 重量、発熱、隣接するパーツとの接触やその他の特性を考慮する必要がある場合、あるいは
- 複雑なアセンブリを単純化したい場合です。例: 熱解析スタディでは、単純な環のある個別の電気コンポーネント(LED など)の円形状パターンを表します。まず、LED を選択し、[プリミティブに置換]コマンドを使用してソリッド円柱と置き換えます。次に、円柱に穴を追加して環に変換します。最後に、個別のコンポーネントの組み合わせの総発熱量を環に適用します。