熱応力スタディ

熱応力スタディは、何らかの熱荷重により生じる応力を評価する目的で使用します。例えば、温度に何らかの変化が生じた場合に、パーツの反りが生じるか?熱荷重発生後もコンポーネントを設計どおりに組み立てることができるか?こうした荷重による応力がパーツの寿命にどのような影響を及ぼす可能性があるかを探るために、熱応力解析を実行します。

モデル内に温度勾配が生じたり、材料の熱膨張特性が変化したりすると、不均一な熱膨張による応力が生じます。応力は、熱膨張/熱収縮および材料剛性が原因で生じる、ひずみの関数になります。また、熱応力モデルに機械荷重(重力、圧力、または力)を適用することもできます。結果は、構造荷重応力と温度変化による応力の合計の効果を示します。

熱接触

アセンブリに熱応力解析を実行する場合は、接触領域に沿って発生する熱流動抵抗を考慮することが重要です。熱解析では、追加の接触設定が[接触を編集]ダイアログに表示されます。

既定では、接着接触が、1つのボディから別のボディへの完全な熱伝導(ゼロ抵抗値)を提供します。接触境界面全体の熱の流れに対する抵抗を正確に表現するためには、適切な熱伝導率値を指定する必要があります。たとえば、トランジスタとヒート シンクの間で熱は完全には伝導されません。特にこれらの間に電気絶縁体がある場合はなおさらです。動作中、トランジスタの接触面はヒート シンクの接触面より高温になります。この現象は、適切な熱伝導率値を指定しない限り、熱解析結果に反映されません。

熱伝導率は熱抵抗に反比例します。伝導率が低いほど、熱流に対する抵抗は大きくなります。熱流に対する抵抗が大きくなるほど、接触境界面全体にわたる温度差が大きくなります。

サポートされる接触タイプ

*[熱応力]解析では*[自由]接触以外のすべての[接触タイプ**](SIM-CONTACT-TYPES.html)がサポートされます。

熱応力解析の要件

この種の解析では次のことが必要になります。

熱応力解析の例

熱応力解析が適していると考えられる例を以下に示します。

熱応力スタディによって生成される結果は、静的応力、熱スタディ タイプで生成された結果の組み合わせです。