スタンドアロン ユーザとして、または作業グループのメンバとしてコンテンツ センターを操作できます。スタンドアロン ユーザの場合は、そのユーザのコンピュータ上のデスクトップ コンテンツの場所にライブラリが保存されます。作業グループのメンバは、Vault サーバに保存されたライブラリを共有します。
インストール時に[デスクトップ コンテンツ]オプションをオンにした場合、インストール設定によって指定されたフォルダにコンテンツ センター ライブラリがインストールされます。インストール後は、デスクトップ コンテンツ環境がセットアップされ、コンテンツ センターがすぐに使える状態になります。インストール時に[Vault サーバ]オプションを選択すると、コンテンツ センター ライブラリはコンピュータにインストールされません。サーバ上にコンテンツ センター ライブラリをインストールし、サーバにログインして、コンテンツ センターを使用する必要があります。
コンテンツ センターを使用する前に、必要に応じて Autodesk Inventor とコンテンツ センター ライブラリを設定します。
- [アプリケーション オプション]を設定します。[アプリケーション オプション]ダイアログ ボックスの[コンテンツ センター]タブで、コンテンツ センター ライブラリの格納場所が設定され、インスタンス化時に標準パーツが更新されるように設定されます。[アプリケーション オプション]ダイアログ ボックスの[コンテンツ センター]タブで、インスタンス化コンテンツ センター パーツの保存先となる、既定のコンテンツ センター ファイル フォルダを指定します。
- Autodesk Inventor プロジェクトの[コンテンツ センター]オプションを設定します。[ライブラリを設定]ダイアログ ボックスを使用して、コンテンツ センター ライブラリを設定します。必要に応じて、コンテンツ センター ファイル フォルダを変更します。
Autodesk Inventor コンテンツ センターのインストールと設定が完了すると、次のコンポーネントを使用できます。
- デスクトップ コンテンツ フォルダ内または Autodesk Vault Server 上にインストールされた標準コンテンツ センター ライブラリが、プロジェクト内に構成されます。
- デスクトップ コンテンツ フォルダ内または Autodesk Vault Server 上にある 1 つまたは複数のユーザ ライブラリが、プロジェクト内に構成されます。
スタンドアロン ユーザのコンテンツ センター環境
スタンドアロン ユーザとして作業する場合は、デスクトップ コンテンツ環境で作業することをお勧めします。サーバにログインしたりユーザ アクセス権を設定する必要はありません。ライブラリは、ハード ディスク上のデスクトップ コンテンツ フォルダ内のファイルとして扱われます。ライブラリを使った作業(たとえば、ライブラリの作成、削除、移動、コピー)はより便利です。
スタンドアロン ユーザとして作業する場合は、次の手順に従ってコンテンツ センターをセットアップします。
- Autodesk Inventor のインストール時に[デスクトップ コンテンツ]オプションを選択します。
- 旧ユーザ ライブラリがサーバに存在する場合は、デスクトップ コンテンツの場所に転送します。Autodesk Inventor は、初回起動時に自動的に転送を実行します。[コンテンツ センター ライブラリのマイグレーション]ダイアログ ボックスで、[はい]をクリックします。
- 必要に応じて、ライブラリ転送ガイドを使用して、ユーザ ライブラリを外部デスクトップ コンテンツの場所からデスクトップ コンテンツ フォルダにコピーします。
- プロジェクト内でコンテンツ センター ライブラリの設定をセットアップします。
- ライブラリ転送ガイドを使用して、サーバからユーザ ライブラリを転送します。
- [使用中]ボックスをオンにして、ライブラリを環境設定に追加します。
- 更新ツールを使用して、旧ユーザ ライブラリをマイグレーション、同期化します。
ヒント:
- ライブラリ転送ガイドを使用して、手動で Vault サーバからデスクトップ コンテンツ場所にライブラリを転送します。
- 外部デスクトップ コンテンツ ユーザ ライブラリをデスクトップ コンテンツ フォルダにコピーするには、コピー元のライブラリを指定し、そのライブラリをデスクトップ コンテンツ フォルダにファイルとしてコピーします。[ライブラリを設定]ダイアログ ボックスの[ライブラリ]の一覧にライブラリが表示され、環境設定への追加が可能になります。 注: コピーされたライブラリは、デスクトップ コンテンツ フォルダ内で一意である必要があります。つまり、ファイル名および内部ライブラリ名が一意である必要があります。内部ライブラリ名は、ライブラリの作成時に生成されるので、変更することができません。デスクトップ コンテンツ フォルダ内に内部名が同じライブラリのコピーが増えてくると、それらのコピーは[ファイル名]および[表示名]がそれぞれ異なる場合でも、重複して存在するようになります。コンテンツ センター設定では、現在構成されているライブラリへの重複ライブラリの追加は許可されません。
設計ワークグループのコンテンツ センター環境
Vault サーバにコンテンツ センター ライブラリをインストールしておけば、設計作業グループの各メンバがインストールする手間を省き、各自のコンテンツ センター ライブラリを同期化することができます。
作業グループ メンバのローカル設定
サーバでコンテンツ センター ライブラリを設定した後で、作業グループのメンバが各自のローカル設定を作成します。
サーバをインストールし、プロジェクトを設定し、設計プロジェクトで使用する標準ライブラリ セットを事前に定義する管理者を指名することをお勧めします。管理者は共通のプロジェクトを作成し、共有ライブラリをコンテンツ センター設定に追加します。これにより、共通プロジェクト ファイル(.ipj)をその他のチーム メンバと共有できるようになります。
Autodesk Inventor でサーバにログインするには、[ログイン]ダイアログ ボックスで、リモート サーバの場所(または名前)を指定します。
インスタンス化した標準コンポーネントの保存フォルダ
コンテンツ センター ライブラリ パーツをアセンブリに挿入すると、そのライブラリ パーツがサーバからコンテンツ センター ファイル フォルダにコピーされます。既定のコンテンツ センター ファイル フォルダの設定は[アプリケーション オプション]に保存されます。この設定は、プロジェクトごとに変更できます。
コンテンツ センター ライブラリに対する変更をどのように処理するかに応じて、コンテンツ センター ファイル フォルダを設定します。
- 各ユーザが最新のライブラリ コンテンツを自動的に取得できるようにするため、すべてのローカル コンピュータが接続されたネットワーク上の場所に、既定のコンテンツ センター ファイル フォルダを配置します。
- ライブラリをいつ更新するかをユーザが決定できるように、ローカル コンピュータ上の場所を指定します。このシナリオでは、[標準コンポーネントを更新]コマンドを使用して、最新のコンテンツを取得します。
コンテンツ センターと Vault に別個のサーバを設定する
コンテンツ センター用ライブラリと Autodesk Vault Basic 用ファイル データベースは、Vault サーバによって管理されます。必要な場合は 2 つのサーバを用意して、それぞれをコンテンツ センター ライブラリ用と Autodesk Vault Basic ファイル用として使用することもできます。2 台のコンピュータにサーバをインストールし、次のようにして、1 台を Vault サーバとして、もう 1 台をコンテンツ サーバとして使用します。
- 2 つの別々のサーバに接続できるようにするため、作業グループ メンバのコンピュータで Autodesk Inventor の設定を変更します。
[Vault サーバ] [接続オプション]の順にクリックし、[接続オプション]ダイアログ ボックスで[コンテンツ センターと Vault に個別サーバを使用]を選択します。 - コンテンツ センター サーバにログインするには、[Vault サーバ] [コンテンツ センターにログイン]の順にクリックします。
- サーバの状態を表示するには、 [Vault サーバ] [接続状態]をクリックします。
作業を開始する前に、コンテンツ センター ライブラリを Autodesk Data Management Server にインストールして管理する管理者を指名します。
チーム メンバのライブラリ設定は Autodesk Inventor プロジェクトに保存されます。この設定はプロジェクト エディタで編集できます。チームの各メンバは、そのプロジェクト ファイル(.ipj)をテンプレートとしてパーソナル プロジェクトを作成することや、共有ライブラリを使用して設定された共通プロジェクト(.ipj)ファイルをインクルードすることができます。これで、各チーム メンバが同じ設定を使用できるようになります。
Vault データベースとコンテンツ センター ライブラリのデータベースに接続している場合、管理者はまず Vault プロジェクト ファイルを作成して、アクティブにします。次に管理者は、[ライブラリを設定]ダイアログ ボックスでコンテンツ センター ライブラリを設定します。
概要
- 設計チームのサーバ コンポーネントとクライアント コンポーネントをインストールします。
- コンテンツ センター ライブラリの適切な設定を使用して、共通プロジェクト ファイル(.ipj)を作成します。このプロジェクトは、テンプレートまたはインクルード プロジェクトとして使用できます。
- 必要であれば、共通プロジェクトで、標準コンポーネントを作成するフォルダを変更します。
- Autodesk Data Management Server Console で、編集権限を必要とするユーザ用のユーザ アカウントを作成します。チームの各メンバに、ユーザ アカウント情報とログイン手順を通知します。
デスクトップ コンテンツと Vault サーバを比較する
| デスクトップ コンテンツ | Autodesk Vault Server | |
|---|---|---|
| インストール | Autodesk Inventor のインストール場所には、デスクトップ コンテンツ ライブラリが格納される | Autodesk Inventor (ライブラリなし)はクライアント コンピュータ上にインストールされるのに対して、Vault サーバはライブラリと一緒にサーバ上にインストールされる |
| 追加のソフトウェアが必要 | [いいえ] | IIS または AWS、SQL Server |
| ユーザ アカウントおよびアクセス権 | なし(適宜、稼働システムのファイル アクセス レベルに追加可能) | あり(Vault サーバによる管理) |
| 1 つのコンピュータ上で複数の Autodesk Inventor バージョンをサポート | あり(制限なし) | あり。ただし、制限付き(1 バージョンの Vault サーバ、対応する 2 つの旧バージョンの Autodesk Inventor、旧 Autodesk Inventor バージョン用にインストールされた Autodesk Inventor Client Update) |
| コンテンツ センター ライブラリの管理 | Autodesk Inventor では、[ライブラリを設定]ダイアログを使用 | 外部では、[Vault サーバ]コンソールを使用 |
| コンテンツ センターとの連携動作 | ログインやアクセス権は不要。すべてのコンテンツ センター機能を使用可能 | サーバへの接続およびログインは必須。編集タスクを実行するには、編集アクセス権が必要 |
| 旧ユーザ ライブラリのマイグレーション | あり(ADMS からの転送または旧バージョンのデスクトップ コンテンツ フォルダからのコピー、および更新ツールによるマイグレーション) | あり(Vault サーバ上でのマイグレーションとセットアップ、および[更新ツール]でのマイグレーション) |
Autodesk Inventor 2009、2010、および 2011 のライブラリを同じサーバ上で使用する
Autodesk Inventor 2014、Autodesk サーバ 2011、Autodesk Inventor·2009·および·2010·のサーバ·クライアント更新インストールの場合は、Autodesk Inventor 2009、Autodesk Inventor 2010、および Autodesk Inventor 2011 のライブラリを 1 つのライブラリ サーバ上にまとめ、アクセスすることができます。
サイドバイサイド インストールをサポートするために、Autodesk サーバでは、さまざまな Autodesk Inventor バージョン用に作成されたコンテンツ センター ライブラリが管理されています。各ライブラリは、Autodesk サーバ上の対応するパーティションに保存されます。Autodesk Inventor 2008 パーティション内のライブラリは、Autodesk Inventor 2009 (Client Update パッチ付属)によって使用されます。Autodesk Inventor 2010 パーティション内のライブラリは、Autodesk Inventor 2011 (Client Update パッチ付属)によって使用されます。Autodesk Inventor 2014 パーティション内のライブラリは、Autodesk Inventor 2014 によって使用されます。
ライブラリ名の既定の接頭辞は、そのライブラリが保存されているパーティションによって異なります。Autodesk Inventor 2009 または 2010 パーティションから Autodesk Inventor 2014 パーティションへユーザ ライブラリをコピーできます。ただし、Autodesk Inventor 2014 パーティションから Autodesk Inventor 2009 または 2010 パーティションへのコピーはサポートされていません。