プラスチック金型の複雑な形状では、冷却が困難な領域が生じることがます。
たとえば、ボスやリブなど、キャビティに突き出す金型部品では、それらがプラスチックで囲まれるため、高い熱負荷が発生します。さらに、除熱できる金属の部分も限られています。
熱負荷の高い領域に冷媒を送るためには、複雑な冷却システムの設計が必要になる場合があります。
これは、冷却回路を結合して、冷却管のネットワークを形成することを意味します。ネットワークでは、ベンド、バッフルやバブラーなどの装置を組み込む必要があります。これらの装置が冷却システムの運用に与える影響について考慮することが重要です。
冷却管を配置する最適な場所は、金型のキャビティとコアを含むブロック内です。キャビティまたはコア ブロックの外に冷却管を配置すると、金型は適切に冷却されません。
通常、冷却システムの物理的な設計は、金型形状、分割ラインの配置、スライド コア、およびエジェクタ ピンによって制限されます。
冷却管にベンドを含むことによって乱流が増加し、その結果、大幅な圧力降下が発生し、ベンド内の熱伝達能力は向上します。
冷却解析では、ベンドは固有の抵抗および熱伝達特性を持つ、冷却管の追加セクションとして扱われます。これらのセクションには、抵抗および熱伝達のための見かけの長さが割り当てられます。この長さは、ベンドを通る実際のフロー パスの長さよりも大幅に長くなります。
たとえば、ベンドは、冷却管の直径の 50 倍のフロー パスの長さと同じ抵抗を持ちます。熱伝達能力は、直径の 10 倍の冷却管と同じです。
見かけの長さは、圧力降下と熱伝達能力を計算するために使用されます。これらの特性は、ベンドを表す、流路内の単一点に適用されます。
冷却管の直径を変更した場合にも、乱流が発生します。
入口と出口は、金型の底面側に設けることが理想的です。これにより、冷媒が金型表面に流出することを防止できます。