ポンプおよびファンの設計者が直面する最大の課題は、動作条件範囲にわたるその性能予測です。業界では長年にわたりプロトタイプを用いたベンチマークテストが活用されてきましたが、この方法には時間と費用がかかります。現在では、多くの企業が仮想プロトタイピングの長所を見出し、CAEツールの活用によりコストの削減とタイムトゥマーケットの短縮を図っています。Autodesk Simulation CFD にはファンとポンプの性能シミュレーションのための強力なツールが多数含まれており、それらの利用を通してデザインの改良が可能であることを、多くのユーザが理解しています。
回転機械は主に2種類に分類することが可能です:
これらのデバイスは容積式ポンプやギア式ポンプとは異なります。流量は、回転速度と密接に関係し、変位ボリュームではなく差圧に依存します。容積式ポンプがその内部経路に取り込まれる流体により差圧を維持するのに対して、回転機械では差圧を維持するために回転し続ける必要があります。容積式ポンプやギア式ポンプ等のデバイスシミュレーションには、直線運動機能と角運動機能を使用します。
一般的な回転機械例には次が含まれます
このトピックで紹介するテクニックは主に遠心ポンプ、軸流ファン、および水力タービンにフォーカスしています。これらはAutodesk® Simulation CFDのエンジニアにより開発されたものであり、他の多くの機械にも適用されてきたものです。その内容は大部分のアプリケーションに適用可能なものですが、カスタマイズが必要となる状況もあります。
これらのテクニックは非常に保守的であるため、一部のケースでは、推奨されるテクニックよりも迅速な収束を達成できる可能性もあります。これらは特定アプリケーションでの実績に基づくものであるため、最も効率的なプロセスで結果の達成が図れるように、可能な限りの最適化を自由に行ってください。