過渡応答解析のイベントを定義するパラメータが 3 つあります。これらは、[解析パラメーター]ダイアログ ボックスの[イベント]領域で指定します。[時間ステップ数]フィールドと[時間ステップサイズ]フィールドは、解析を実行するために必ず定義する必要があります。結果は各時間ステップに対して計算され、出力ファイルに書き込まれます。これらの出力ファイル内の結果は結果環境で確認できます。時間ステップごとに結果を出力ファイルに書き込まない場合は、[出力間隔]フィールドに 1 未満の値を指定します。
[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[減衰]領域を使用して、減衰をモデル全体に適用できます。[α]フィールドと[β]フィールドの値を使用して、減衰行列[C]を作成します。使用する方程式は、[C] = ALPHA * [M] + BETA * [K]です。ここで、[M]は質量行列、[K]は剛性行列です。
過渡応答解析では、すべての荷重が荷重曲線に従います。荷重曲線は、[解析パラメーター]ダイアログ ボックスの[荷重曲線]ボタンをクリックして定義します。荷重曲線を作成する方法は 2 つあります。[荷重曲線フォーム]領域の[区分線形]ラジオ ボタンを選択した場合は、複数の時間とそれに対応する係数を指定することにより、荷重曲線を定義できます。係数値は、定義した時間と時間の間で線形に補間されます。[荷重曲線フォーム]領域の[正弦曲線]ラジオ ボタンを選択した場合は、その下にあるフィールドで正弦曲線のパラメータを定義できます。[係数]列の値と、特定の時間での荷重の大きさが乗算されます。
力とモーメントは、表示領域の節点に適用するだけでなく、過渡応答解析を使用して、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[荷重]タブの[動的な荷重データ]テーブルでこれらの荷重を適用することもできます。最初に、荷重を適用する節点の番号を[節点番号]列で指定します。次に、荷重が準拠する荷重曲線を[荷重曲線]列で指定します。力を適用するには、[タイプ]列に 0 と入力します。モーメントを適用するには、[タイプ]列に 1 と入力します。次に、全体座標系の 3 つの各方向の荷重に適用する尺度係数を[X 尺度]、[Y 尺度]、および[Z 尺度]列で指定します。最後に、荷重を適用する時間を[活性化時間]列で指定します。荷重は、指定した時間の時間 0 から荷重曲線への準拠を開始します。
境界条件が適用されたモデルのすべての節点に基礎励振を適用できます。これは、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[オプション]タブで設定できます。[基礎励振タイプ]ドロップダウン メニューから[並進]を選択し、[設定]ボタンをクリックします。
[基礎励振の設定]ダイアログ ボックスで、全体座標系の各方向に適用する基礎励振の加速度の大きさ、荷重曲線、および有効化時間を指定します。特定の時間における加速度は、加速度の大きさの値と補間された荷重曲線係数の積に等しくなります。
[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[オプション]タブの[ソルバーのタイプ]ドロップダウン メニューで、過渡応答解析のソルバーのタイプを選択できます。関連情報については、「有限要素解析におけるソルバー」も参照してください。次のオプションを指定できます。
スパース ソルバーは、コンピュータに搭載されている複数のスレッド/コアの特長を最大限に活用できます。[ソルバーのタイプ]で[自動]または[BCSLIB-EXT]を選択した場合、[スレッド/コアの数]ドロップダウンが有効になります。解析結果を最速で得られるようすべてのスレッド/コアを使用できます。ただし、解析と同時に他のアプリケーションを実行するための処理能力が必要な場合は、スレッド/コアの数を少なくするよう選択することもできます。
何らかの理由により剛性マトリックスを作成するが、解析は実行しない場合、[剛性計算の後に停止]チェック ボックスをオンにします。この設定が役立つのは、別のプログラムで剛性マトリックスを使用する場合など、他の用途で剛性マトリックスを使用する場合に限られます。解析を実行すると、常に剛性マトリックスが計算されます。このため、通常の状況では、このオプションを使用する利点はありません。
[ソルバーのメモリ割り当て]フィールドでは、スパース マトリックス解析で BCSLIB-EXT ソルバーが使用するメモリの容量を設定します。一般的に、割り当てるメモリの容量を多くするほど、解析の処理時間は短くなります。
スパース ソルバーの場合、要素データの読み取りおよびマトリックスの作成で使用できる RAM の容量を[メモリ割り当てのパーセンテージ]フィールドでコントロールします。低い値を指定することをお勧めします。(値が 100% 以下となる場合は、使用可能な物理メモリが使用されます。 この入力値が 100% より大きい場合、メモリの配分では利用可能な物理および仮想メモリが使用されます。)
既定では、結果環境でひずみを確認できるように、ひずみの計算値がバイナリ形式の結果ファイルに出力されます。なんらかの理由によりひずみの結果が必要ない場合は、[解析パラメーター]ダイアログ ボックスの[オプション]タブにある[ひずみの計算と出力をしない]オプションをオンにすることによって、計算時間を短縮しディスク領域を節約することが可能です。
解析を実行する際に、入力データや追加の結果をさまざまなファイルに出力することができます。[解析パラメーター]ダイアログ ボックスの[出力]タブを使用して、出力されるデータを制御できます。特に指定のない限り、追加の出力はテキスト ベースであるため、結果環境で表示できる解析結果は、次に示すオプションの設定の影響を受けません。
[タイプ ID を出力]ドロップダウン メニューでは、[補助変位レポートの位置]ダイアログ ボックスで指定した節点について、最大値のみを出力するか、履歴および最大値を出力するかを選択できます。このダイアログ ボックスを表示するには、[印刷設定]ボタンをクリックします。[最大のみ]オプションを選択すると、特定の節点の最大並進または最大回転の時間および大きさが filename.l4 ファイルに出力されます。[履歴および最大値]オプションを選択すると、すべての時間ステップにおける特定の節点の並進または回転の時間および大きさが filename.l4 ファイルに出力されます。このオプションを選択した場合、最大並進または最大回転の発生時間および値も把握することができます。[変位をレポートする追加の位置]ダイアログ ボックスで、[節点]列に出力する節点番号を指定し、さらに、その節点について出力する自由度をクリックします。この列の値が[はい]に変わります。
接着連結の処理には 2 通りの方法があります。適用する方法は、2 つのパーツ間で節点が一致しているかどうかによって一部決まります。
[接触]タブの[スマート接着/溶接接触を有効化]チェック ボックスをオンにすると、パーツ A、サーフェス B 上の節点をパーツ C、サーフェス D 上の最も近い節点と接着する必要がある場合に、多点拘束(MPC)方程式が使用されます。形状関数により、サーフェス B 上の節点の変位がサーフェス D 上の節点に補間されます。したがって、パーツ間でメッシュを一致させる必要はありません。すべての節点が一致しない場合、サーフェス接触ペアのすべての節点について常に MPC が使用されます。すべての節点でメッシュが一致する場合、接触サーフェスの結合に節点一致が使用されます。隣接するパーツ上の 2 つの頂点が 1 つの節点に折りたたまれ、接触するサーフェスに MPC の方程式は使用されません。 スマート接着のオプションを次に示します。
スマート接着オプションは、接着接触および溶接接触に適用されます。接触の定義方法およびスマート接着の使用方法の詳細については、「メッシュ作成の概要」の「接触ペアを作成する」の「接触のタイプ」を参照してください。
既定では、スマート接着は縮合法を使用して解析の解を求めます。解析が収束しなかったり、想定どおりに実行されない場合は、MPC 方程式で使用する別の解法を選択することもできます(「多点拘束」を参照)。[セットアップ] [荷重]
[多点拘束]をクリックし、[解析手法]オプションから選択します。 [ペナルティ法]を使用する場合、[ペナルティ乗数]フィールドを使用することによって、解の精度をコントロールできます。ペナルティ解析時に、モデル内の最大斜め剛性を乗じるペナルティ乗数が使用されます。10
4
~ 10
6
の範囲の値を指定することをお勧めします。
[スマート接着/溶接接触を有効化]チェック ボックスをオフにすると、パーツ間で節点が一致している場合にのみパーツが接着されます。