熱伝達の機能
- 熱伝達は、周囲とサーフェスの流体の相互作用により、熱を周囲に伝達するサーフェスに適用されます。熱伝達係数は、このように伝達される熱量を表します。熱伝達係数が高い場合、サーフェスから大量の熱が周囲に伝達されます。これにより、サーフェスの温度は周囲の温度に近くなります。熱伝達係数が低い場合、サーフェスから少量の熱が周囲に伝達されます。これにより、サーフェス温度と環境温度に大きな差が生じます。
- 環境温度は、サーフェスから熱が伝達される周囲の平均温度です。
- サーフェスを特定の値で維持するには、大きな熱伝達係数の熱伝達荷重を適用して、環境温度を目的の固定値に割り当てると有効な場合が多くあります。
- 解析で熱伝達荷重を適用するには、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[乗数]タブで[熱伝達乗数]の値を割り当てる必要があります。この値は熱伝達係数で乗算され、その積が解析の熱伝達荷重で使用されます。
熱伝達を適用する
サーフェスを選択している場合は、表示領域を右クリックして、[追加]プルアウト メニューを選択します。[サーフェス熱伝達]コマンドを選択します。
[熱伝達係数]領域
- 温度に関係なくサーフェス全体で熱伝達係数が一定になる場合は、[温度に依存しない熱伝達係数]フィールドで熱伝達係数を指定します。ジオメトリおよび流動の特性に基づいて熱伝達係数を計算するには、[計算]ボタンをクリックします。[膜/熱伝達係数の計算器]が表示されます。熱伝達係数の値は、ライブラリに保存したり、ライブラリから読み込むこともできます。熱伝達ライブラリにアクセスするには、[ライブラリから読み込み]ボタンをクリックします。詳細については、「膜/熱伝達係数計算機」の「膜/熱伝達ライブラリ」を参照してください。
- サーフェスの温度に応じて熱伝達係数が変化する場合は、[温度依存の曲線]ラジオ ボタンをクリックし、熱伝達係数のコントロールに使用する曲線番号を指定します。[グラフを表示/編集]ボタンをクリックして、温度値ごとに使用する熱伝達係数を表形式で指定します。熱伝達係数値は、温度値間で線形的に補間されます。この曲線には、解析中にサーフェスで生じる温度の全体範囲を含める必要があります。データ点間の温度の熱伝達係数は線形補間により定義されます。ブリック要素、4 面体要素、および 2D 要素の計算では、サーフェスの積分点における温度値に基づいて熱伝達係数が決定します。プレート要素およびロッド要素の場合、要素面の平均温度に基づいて熱伝達係数が決定します。
定常熱伝導解析の場合、熱伝達係数の値は、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[乗数]タブの[熱伝達乗数]の値で乗算されます。非定常熱伝導解析を実行している場合、熱伝達係数に適用する荷重曲線を[荷重曲線]ボックスで選択します。特定の時間における熱伝達係数は、ダイアログ ボックスで入力した熱伝達係数と補間された荷重曲線係数の積に等しくなります。荷重曲線を 0 に指定した場合、熱伝達係数は解析を通じて一定に維持されます。
[環境温度]領域
次に、サーフェスが熱伝達により移動する周囲の条件の温度を[温度]フィールドで指定します。
定常熱伝導解析の場合、環境温度はユーザが入力する値です。非定常熱伝導解析を実行している場合、環境温度に適用する荷重曲線を[荷重曲線]ボックスで選択します。[温度]で指定した値は、荷重曲線に入力した係数と加算されます。寸法の整合性を維持するために、ダイアログ ボックスで[荷重曲線の大きさ]の値を入力します。この値は補間された荷重曲線係数で乗算され、その積が[温度]の値と加算されます。
特定の時間 t の温度 = 温度 + 荷重曲線の大きさ * 特定の時間 t の補間された荷重曲線係数
荷重曲線を 0 に指定した場合、環境温度は解析を通じて一定に維持されます。
どちらの荷重曲線でも、[荷重曲線の表示/編集]ボタンをクリックして荷重曲線エディタで荷重曲線を定義するか、[セットアップ]
[モデル セットアップ]
[パラメータ]
[解析パラメータ]ダイアログ ボックスを使用します。
[プレートのオプション]領域
プレート要素の両側に熱伝達を適用する場合は、[両側に荷重を適用]チェック ボックスをオンにします。プレート要素の厚さによる変化はないため、両側への荷重の適用は、片側に 2 倍の荷重を適用する場合と同じになります。