線形解析における共通エラー メッセージ

解析の実行中、デコーダ([解析][解析][モデルをチェック])またはプロセッサ([解析][解析][シミュレーションを実行])からエラーまたは警告メッセージが表示されることがあります。 メッセージのリストを次に示します。

ヒント:
  • このページでは、これらのエラー メッセージは、ほぼアルファベット順にリストされていますが、同じ症状および修正方法が相似するメッセージは、アルファベット順ではなく、まとめて記載されています。
  • したがって、このページでエラー メッセージのキー テキストを検索してください。モデルによって節点、要素、剛性値、エラー番号が異なるため、検索に番号や数値を含む必要はありません。

重大なエラー:

重大なエラーが発生すると、結果環境およびプロセッサで使用可能なファイルがデコーダによって生成されないか、すべての結果が生成される前に解析が停止します。(まず最初にたわみが計算され、次に応力が計算されるため、エラーがいつ発生したかによって異なりますが、解析が完了しなくても、たわみの結果を取得できる場合があります。)

エラー メッセージ

エラー: 要素の接続が正しくありません

節点 I =XX

節点 J =XX

節点 K =XX

節点 L =XX

または

エラー: 要素が裏返っている可能性があります

要素番号 XX の節点順序を確認してください

または

エラー: 要素のジオメトリが正しくありません

節点 I =XX

節点 k =XX

節点 J =XX

節点 I、J および K は同一直線上にあります

または

エラー: 要素のジオメトリが正しくありません

要素は、反時計回りの順序で番号付けする必要があります

節点 A = XX

節点 B = XX

節点 C = XX

節点 D = XX

節点 E = XX

節点 F = XX

節点 G = XX

節点 H = XX

節点 A、B および C は同一直線上にあります

これらは、節点番号 I、J、K、L (または A、B、C)によって作成される要素が不良な形状であることを示しています。要素タイプによっては、節点の順序を時計回りまたは反時計回りの順序、または要素から外側の方向を定義する順序に設定する必要があります。または、3 つの節点が同一線上(直線上)にある可能性があります。何らかの理由により、要素がこれらの規則に準拠せずに作成されています。

モデルを結果環境に読み込む場合、[結果の照会][照会][現在の結果][指定]、または[結果の照会][照会][要素情報][指定]を使用して指定した節点または要素のいずれかを選択します。モデルのその場所から、FEA エディタで要素を形成しているラインを確認します。可能な場合は、要素を形成しているラインを修正します。

モデルを結果環境に読み込まない場合、または不正な要素の再メッシュ化によって問題を解決できない場合は、FEA データベースをテキスト形式に変換して、要素定義を手動で編集する必要がある場合があります。節点を適切な順序に修正することで問題を解決できるはずです。手順については、「一般オプション」>「データベース変換ユーティリティを使用する」ページを参照してください。

エラー: 要素温度が材料表外です

温度依存の材料特性を使用すると、特性が表に入力されます。この表は、材料特性を計算するために指定温度で補間されます。モデルの温度が温度入力の範囲外です。したがって、特性を補間できません。材料特性を編集して、材料データの範囲を拡張します。

エラー: 許可されない負の固有値が eigsol で計算されています

負の固有値が検出されています。不良条件モデルである可能性が高いです。したがって、固有振動数を計算できません。ひずみ要素のモデルをチェックしてください(結果環境で[結果コンター][その他の結果][要素プロパティ]を選択)。 可能な場合は、境界条件または境界要素を使用して、モデルを安定化させます。

エラー: ローカル 1 軸の k 節点 - 要素番号N

ビーム要素のローカル軸の方向節点(k 節点)がビーム要素と同じライン上に存在します。したがって、一意の方向を作成できません。結果環境で要素番号 N を特定して([結果の照会][照会][要素情報][指定])、FEA エディタで同一ライン セグメントを特定します。k 節点が要素と同一直線上に位置しないように、ラインの方向を変更します。 ビーム要素の整列に関する詳細については、「解析の設定と実行」>「線形」>「要素のタイプおよびパラメータ」>「ビーム要素」ページの「ビーム要素の方向」の説明を参照してください。

エラー: 問題サイズを超えている主要配列空間を縮小する必要があります

必要配列サイズ = XX

使用可能配列サイズ = XX

モデル データを維持するために十分なメモリを使用できません。解析では、モデルを実行するために ( (XX - YY) x 8 )バイトより大きい RAM が必要です。この問題の可能な解決方法のいくつかを次に示します。

  • [設定][モデル設定][パラメータ][解法]タブで、解析に対してより多くのメモリを割り当てる。
  • より多くの RAM を搭載するコンピュータで解析を実行する。
  • モデルのサイズを変更する。

エラー: 非正ヤコブ行列式退化ジオメトリまたは要素番号 XX の後方番号付け

負の体積(非正ヤコブ)のひずみ要素が検出されました。1 つの原因として、節点番号の順序が不正であることが挙げられますが、不良な形状の要素が原因である可能性もあります。

モデルを結果環境に読み込む場合、[結果の照会][照会][現在の結果][指定]、または[結果の照会][照会][要素情報][指定]を使用して指定した節点または要素のいずれかを選択します。モデルのその場所から、FEA エディタで要素を形成しているラインを確認します。可能な場合は、要素を形成しているラインを修正します。

モデルを結果環境に読み込まない場合、または不正な要素の再メッシュ化によって問題を解決できない場合は、FEA データベースをテキスト形式に変換して、要素定義を手動で編集する必要がある場合があります。手順については、「一般オプション」>「データベース変換ユーティリティを使用する」ページを参照してください。

エラー: 積分点の数は、0 より大きくなければなりません

ブリック要素の積分点の数が不足しています。各ブリック要素の[要素定義]を編集して、[OK]をクリックして既定に設定します。

エラー: 温度は昇順で入力する必要があります

または

エラー: 温度が昇順ではありません

温度依存の材料データは昇順でなければなりません。パーツの材料特性を編集し、[ソート]ボタンを使用してデータを並べ替えます。

エラー: 間違った要素データ - 要素番号

入力データでエラーが検出されました。断面プロパティ(プレートおよび 2D プレート要素の厚さ、各ビーム断面の領域および慣性など)が入力されていることを確認します。材料特性が完全であることを確認します。

エラー: 数値因子分解中に完全にゼロのピボットが検出されました: 特異行列です。

または

エラー: 大きすぎるまたは十分でない質量方程式の剛性変更がモデルで発生しています

番号 = XX

または

エラー: モデルが十分に接続されていません。各 DOF が設定されていることを確認してください

一般的な解決方法については、このページの最後にある「ヒント: 剛性の問題」を参照してください。

エラー: ゼロの時間ステップが指定されています

最低 1 つの時間ステップが必要です。[解析パラメータ]ダイアログ ボックスで時間ステップ情報を入力します([設定][モデル設定][パラメータ][パラメータ])。

要素パーツ #n のジオメトリが正しくありません。パーツ内のすべての剛体要素は 1 つのマスター節点を共有しなければなりません。

1 つのパーツ内の剛体要素は、1 つの節点で接続される必要があります。指摘されている要素は、この条件を満たしていません。剛体要素を再描画するか、剛体要素を別々のパーツに配置して、このエラーを排除します。詳細については、「解析の設定と実行」>「線形」>「要素のタイプおよびパラメータ」>「剛体要素」ページを参照してください。

行列が正定値行列でない可能性があります。

このエラーは、行列の解法が見つからない場合に反復ソルバーで発生します。通常、モデルが静的に安定していない場合に発生します。モデルを確認して、各パーツが別のパーツ(接続の結果、拘束される)と接続されていることを確実にします。モデル全体が 6 つのすべての方向(3 つの並進および 3 つの回転)で静的に安定しなければならないことに注意してください。

モデルにギャップ要素または接触が含まれる場合は、「ギャップ要素による解析を実行する」ページのヒントを確認してください。

さらに、材料特性およびその他の剛性パラメータ(プレート要素の厚さ、ビームの断面領域など)を確認して、モデルの弾性剛性に関連する特性が正しいことを確実にします。

最後に、異なるソルバー(スパース ソルバーなど)を使用すると、解析の実行を完了できたり、問題の領域を示す異なるエラー メッセージ(モデルが十分に接続されていない)が報告される場合があります。反復ソルバーは、その特質により問題の発生箇所を特定できません。その一方で、スパース ソルバーは、問題領域を特定できます。

サブルーチン xdslfa によって報告される処理エラー

サブルーチン xdslfa からのエラー タイプでは、選択したソルバーで解決できない行列が示されます。モデルが静的に安定しているか確認します。不足している境界条件、6 つすべての方向(3 つの並進および 3 つの回転)において完全に拘束されていないパーツ、他のパーツに接続されていないパーツが存在しないかを確認します。「拘束が不十分なモデル」も参照してください。 別の手段として、安定化の問題に敏感でない、または他の手がかりを提供する異なる形式のエラーを報告する別のソルバーを試してみる方法があります。

警告メッセージ

ログ ファイルがありません

このメッセージは、[モデルをチェック]コマンドの使用中、または解析のモデル フェーズの検証中に発生します。 ジオメトリ エラーまたは警告が存在する場合は、その警告を表示できます。モデルが保存されているフォルダまたはモデル名自体にソフトウェアによって認識されない文字が含まれている場合に、[はい]を選択すると、「ログ ファイルがありません」というメッセージが表示されます。モデルの名前を変更して、ローカル コンピュータ上の短く簡潔なパスにモデルを保存します。(ネットワーク ドライブ上でモデルを実行することはお勧めしません。)

せん断係数 G は、ヤング率および等方性材料パーツ N のポワソン比から計算された X と矛盾します。注意: 材料は真の等方性ではありません

等方性材料では、剛性 G のせん断係数は、ヤング率 E およびポワソン比νと G= E/2/(1+ ν) のように関連します。 入力した材料特性(G)では、指摘されたパーツ番号において、この数式(値 X)が満たされていません。材料特性を修正する必要があります。

警告: 角加速度乗数は設定されていますが、角加速度が設定されいません。

これは、いくつかの荷重ケースについて、[荷重ケース乗数]テーブルの[角加速度]列には値が入力されていますが([設定][モデル設定][パラメータ][乗数]タブ)、遠心力の角加速度の値がゼロになっていることを示しています。したがって、角加速度による荷重は一切発生しません。オプションとして、角加速度が存在する場合はデータを入力します。

警告: 遠心力乗数は設定されていますが、回転速度が設定されいません。

これは、いくつかの荷重ケースについて、[荷重ケース乗数]テーブルの[回転]列には値が入力されていますが([設定][モデル設定][パラメータ][乗数]タブ)、遠心力回転速度の値がゼロになっていることを示しています。したがって、モデルの回転による遠心力荷重が一切発生しません。オプションとして、角速度が存在する場合はデータを入力します。

警告: 現在の単位系は、モード解析の単位系と一致しません。結果が正しくない可能性があります。

これは、モード解析からの結果を使用する動的解析で発生します。[モデルの単位系]は、それら両方のモデルで同一である必要があります。同一でない場合に、この警告が発生します。モード解析の結果は動的解析の単位系に変換されないため、間違った動的解析の結果が生じる場合があります。2 つのモデルで[モデルの単位系]を一致させて、解析を再実行する必要があります。

警告: AMG ソルバーを現在必要とする定義済み MPC が検出されました。AMG 反復ソルバーに切り替えてください。

モデルに多点拘束(MPC)または周期対称(MPC を使用)のいずれかが含まれているため、MPC 解法に反復ソルバーが必要です。ソルバーのタイプは[自動]または[反復法(AMG)]以外に設定されていますが、解析時に反復ソルバーが要求されています。

警告: 最大/最小剛性比率 = x

剛性マトリックスに、非常に大きな剛性範囲(最大を最小で割った値)が含まれています。丸め処理のエラーにより、マトリックスの解法は正確でない場合があります。一般的な解決方法については、このページの最後にある「ヒント: 剛性の問題」を参照してください。

警告: 指定した範囲でモード/周波数が見つかりません。

警告: モデルが正しくポーズされていない可能性があります。

線形臨界座屈解析では、剛性比率が大きいとプロセッサによる解法の検出が失敗する場合があります。これは、解析にスマート接着が存在し、大きなペナルティ乗数が使用されている場合に発生します。ペナルティ乗数を減らしてみてください。

警告: モデルが十分に接続されていないが、モデルに急激な剛性の変化が発生している可能性があります。DOF を確認してください。

モデルが 6 つの方向のいずれかで拘束されていないか(モデルを静的に安定させるには不十分な境界条件)、または急激な剛性の変更が検出されました(丸め処理によって、不安定モデルとの見分けが困難)。一般的な解決方法については、このページの最後にある「ヒント: 剛性の問題」を参照してください。

警告: EQN#m, NODE#n dir においてゼロの剛性が 1.0E+20 によって置換されています

プロセッサによって、モデルの指摘の方向 dir において自由に移動する節点(番号 n)が検出されました。プロセッサでは、エラーにより解析を停止するのではなく、指摘の方向においてマトリックス(本質的には境界条件)に剛性を追加することで、解析が続行されます。結果環境でその節点を特定して([結果の照会][照会][現在の結果][指定]ボタンをクリックして、節点番号を入力)、結果が人工剛性によって影響されていないことを確認します。

通常、この警告は、2D トラス モデルの作業で発生します。トラス要素は 3D 要素であり、各ジョイントはピン固定されるため、トラス要素では、平面外方向における未拘束節点の移動を防ぐことができません。図 1 を参照してください。 その他の要素タイプでも同様の警告が発生する場合があります。

図 1: 例の 2D トラス モデル

構造は平面で、ジョイントはピン固定されているため、トラス要素には、Y 方向において一切の抵抗または軸力が生じていません。したがって、Ty 境界条件が適用された 2 つの節点以外のすべての節点に対して警告が発生しています。

ヒント:
  • 剛性の問題: 剛性の問題とモデルの接続不十分の問題には、数多くの共通の問題および解決方法があます。例
    1. 軸対称要素は、Z 軸の +Y 側上になければなりません。Y 座標は、断面の半径であり、半径は正の値である必要があります。2D 軸対称要素を使用して、モデルの位置をチェックします。
    2. 材料特性または断面プロパティの入力が正しくない可能性があります(1E7 psi の代わりに 1 psi 係数が入力されている)。 入力の妥当性を確認します。大きなプロパティを入力して剛体要素をシミュレートする場合は、剛性を減らして、警告またはエラー メッセージで剛性値が変化するか確認します。
    3. プレートおよび 2D 要素の剛性は、要素の形状によって影響を受ける場合があります。必要な場合は、[モデルをチェック]を実行して、結果環境にモデルを読み込み、[結果コンター][その他の結果][要素プロパティ][ねじれ角]および[節点角]を使用してモデルの品質を確認します。極度にワープした要素(場合によっては 5 度以上)、または変形した要素(3 角形要素の 60 度または 4 辺形要素の 90 度から大幅に外れた節点角)によって、異常な剛性が生成される場合があります。
    4. モデルが 6 つの方向のいずれかで拘束されていません(モデルを静的に安定させるには不十分な境界条件)。
    5. 別の手段として、剛性や安定化の問題に敏感でない、または他の手がかりを提供する異なる形式のエラーを報告する別のソルバーを試してみる方法があります。
  • 問題の領域を特定するための追加の手順については、次のページの「拘束が不十分なモデル」を参照してください。