射出位置の設定

このタスクでは、ゲート位置解析を使用した適切な射出位置の選択および設定方法を説明します。ゲート位置解析は成形品形状に基づいて適切な射出位置を提案します。

注: 最終的に射出位置を設定する前に、金型や材料などの他の要因も考慮する必要があります。
  1. ([ホーム]タブ > [成形プロセス設定]パネル > [解析ウィザード])をクリックします。
  2. [ゲート位置]チェックボックスを選択し、[次へ]をクリックします。
  3. [ゲート ロケータ アルゴリズム]ドロップダウン リストから、[ゲート リージョン ロケータ]を選択します。
  4. [解析]をクリックします。 [解析完了]ダイアログ ボックスが表示されたら、[OK]をクリックします。
  5. スタディ タスク ペインの最適ゲート位置結果をクリックします。

    ゲート リージョン ロケータ アルゴリズムを使用したゲート位置解析では 1 つの結果が出力されます。この最適ゲート位置結果は、ゲートの最適な位置は成形品の上面中央などの青色の領域内であることを示しています。

    最適ゲート位置結果の確認時には、次の設計基準を考慮した上で射出位置を選択します。
    成形品の機能
    成形品の上面は、成形品で目に触れる部分です。外観を損ねるような成形の痕跡をここに残すべきではありません。したがって、成形品の上面にゲートを設けることは適切ではありません。
    成形品の形状
    成形品の底面は平坦です。成形品周辺のフランジ底面側には溝があります。この溝を形成できるように、成形品底面を金型のパーティング平面とすることが適切です。

    フィード システムのタイプ
    コールド スプルー、コールド ランナー、およびコールド ゲートによるシステムを採用します。成形品のフィード システムの部分を突き出せるように、パーティング平面と同一平面上にランナーを配置する必要があります。

    パーティング平面が成形品の底面側にあるため、ランナーはこの平面に設けます。

    金型の要件
    成形品の 3 面に穴を成形した状態で成形品を突き出せるようにするには、スライド コアが必要です。これらのコアに必要なスライド構造のために、スプルーおよびランナーのシステムを設置できる位置が制限されます。

    上記の点を考慮すると、射出位置として、成形品底面の円弧のエッジ部分が考えられます。最適ゲート位置結果は、成形の観点からこのゲート位置の適性を判断するうえで役に立ちます。

  6. ([ホーム]タブ > [結果]パネル > [結果])をクリックします。
  7. ([結果]タブ > [結果]パネル > [確認])をクリックします。 [結果の確認]ツールが示す数値が高いほど、選択した位置はゲート位置として適切です。
  8. 成形品の円弧のエッジ部をクリックし、高い数値があるかを確認します。

    この例では、最適ゲート位置結果は約 0.60 (60%)という数値を示しているため、ゲート位置が設定可能な位置であることがわかります。

  9. モデルを回転して、次の画像のように表示します。

  10. [射出位置] ([ホーム]タブ > [成形プロセス設定]パネル > [射出位置])をクリックします。
    ダイアログ ボックスが開き、スタディに関連した結果を削除する警告を示します。
  11. [削除]をクリックします。
  12. 下図に示すように、円弧のエッジ部をクリックします。

  13. モデル ペインを右クリックして、メニューから[完了 射出位置の設定]を選択します。 座標を入力することで、射出位置をより正確に設定することができます。
  14. 射出コーンを右クリックして[プロパティ]を選択します。 [プロパティの編集]パネルが開き、射出位置の座標を指定することができます。
  15. 次の値を入力します。
    • X: 0
    • Y: 6.93
    • Z: 66.5
  16. [適用]をクリックします。
射出位置が成形品の円弧のエッジ部に設定されました。