Vault のアップグレードごとに、バックアップを検証してアップグレードを開始することをお勧めします。次のアップグレードのテストの手順は、バックアップを検証するための有効な方法です。
実稼働サーバと可能な限り同じ構成のコンピュータを用意し、実際に Vault サーバをアップグレードしてみるのが最適な方法です。バックアップがうまくいっているか、問題点を見逃していないかなどを、実稼働環境に影響を及ぼすことなく確認できます。次で、テスト環境の長所の概要について説明します。
テスト機の設定 |
長所 |
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実稼働環境と同様の CPU、メモリ、ディスク容量 |
マイグレーション作業にどの程度の時間がかかるかを見積もることができます。マイグレーション時の設定(タイムアウト値の変更など)に関する洞察が得られます。それ以外にも変更が必要な設定があれば、事前に気がつきます。 |
データベース |
2 GB 以上の Vault にテスト機がアクセスする必要がある場合は、実稼働環境と同じバージョンの MicrosoftTM SQL Server がインストールされている必要があります。 |
実稼働環境で運用している他のアプリケーションのインストール |
さまざまなプロキシ クライアント、ファイアウォール、ウィルス対策プログラムなどとの互換性を確認できます。 |
オペレーティング システム、Service Pack、ファイアウォールなど |
互換性を確認できます。 |
Microsoft® Windows® の管理設定 |
Windows ドメイン ポリシー、ログイン スクリプト、アクセス権限その他の設定との互換性を確認できます。 |
実稼働環境と同様のテスト環境を用意できない場合は、コストの低い代替案として、VMware や Microsoft の Virtual PC のような仮想マシンを使用できます。仮想マシンでは、前述の利点の大部分が失われますが、バックアップとマイグレーションの検証を実行しないよりは、はるかに有効です。
テスト環境に実稼働バックアップを復元するには、Vault サーバ アプリケーションを使用します。
マイグレーションのタイムアウト
マイグレーションがタイムアウト エラーで停止した場合、次の手順が問題の解決に役立ちます。ADMS Console で、本日の日付のコンソール ログを探し、'timeout' を検索します。タイムアウト エラーが見つかった場合は、次の手順を実行します。
次の ADMS ログ ファイルを調べて、原因がタイムアウトであるかを確認します。
C:¥ProgramData¥Autodesk¥VaultServer¥Filestore¥ADMSConsoleLog-YYYYMMDD.txt
ログ ファイルで、下から上に 'timeout' を検索します。マイグレーションが停止した時刻と一致するタイム スタンプのタイムアウト エラーが見つかった場合は、次の手順を実行します。
<timeouts connection="120" defaultCommand="360" longCommand="1800" />
例: Connectivity.ADMSConsole.Exe -Ob2bmigrate -VUadministrator -VPadmin_password -DBUsql_user -DBPsql_password では、admin_password を -VP スイッチの該当する管理者パスワードに置き換えます。
最後の 2 つのコマンド ライン パラメータである –DBU と –DBP は、sa パスワードが既定のパスワードでない場合にのみ必要です。
ファイル保管場所とデータベースが完成し、復元後の環境が正常に動作することを確認します。設定を検証するには、コンテンツと Vault サーバ アプリケーションを確認するためのクライアントを使用します。
本ドキュメントで説明したプロセスをテスト環境に適用します。テスト環境を使用すると、マイグレーション プロセスを安全に体験し、予期しない問題を検出できます。このプロセスには時間がかかりますが、実稼働環境への影響を回避できるため、長期的には時間を節約でき、ストレスを感じることも少なくなります。