[シーン ステート](Scene State)機能を使用すると、さまざまなライト、カメラ、マテリアル、環境、およびオブジェクトのプロパティを持つさまざまなシーンの条件をすばやく保存し、そのシーンをいつでも復元してレンダリングし、数多くの方法でモデルを処理できます。
シーン ステートは、[シーン ステートの管理](Manage Scene States)ダイアログ ボックスを使って保存および復元します。これにより、さまざまなパラメータが各シーンの外観にどのように影響するかを簡単にすばやく比較することができます。シーン ステートは MAX ファイルで保存されるので、デザイン チームの全員が簡単に使用できます。
シーン ステートを使用すると、変更するたびに MAX ファイル全体を保存しなくともさまざまなシーンの設定を試すことができます。つまり、同じモデルのさまざまな条件をレンダリングするためにファイルを開いて閉じる必要がありません。さらに、シーン ステートのためにファイルのサイズが大きくなることもありません。
シーン ステートを保存するときに、シーンのどのアトリビュートを記録するかを選択できます。
- [ライト プロパティ](Light Properties) カラー、強度、影付けなどのライトのパラメータが、ライトまたは照明ごとにシーンに記録されます。
- [ライト変換](Light Transforms) 位置、方向、スケールなどの変換が、ライトごとに記録されます。
- [オブジェクト プロパティ](Object Properties) オブジェクトごとに現在の[オブジェクト プロパティ](Object Properties)の値が記録されます。これには、アドバンスド ライティングと mental ray の設定が含まれます。
- [カメラ変換](Camera Transforms) 位置、方向、スケールなどのカメラの変換モードが、カメラごとに記録されます。
- [カメラ プロパティ](Camera Properties) [カメラ補正](Camera Correction)モディファイヤで行う補正を含めて、視野や被写界深度などのカメラ パラメータがカメラごとに記録されます。
- [レイヤ プロパティ](Layer Properties) シーン ステートを保存したときの[レイヤのプロパティ](Layer Properties)ダイアログ ボックスの各レイヤの設定を記録します。
- [レイヤの割り当て](Layer Assignment) 各オブジェクトのレイヤの割り当てを記録します。
- [マテリアル](Materials) シーンで使用されているすべてのマテリアルとマテリアルの割り当てが記録されます。
- [環境](Environment)バックグラウンド、周囲光、およびティントのカラー、グローバル照明 レベル、環境マップ、環境マップの有効/無効の状態。[露出制御](Exposure Control)ロールアウトの設定などの、環境と露出の設定が記録されます。
シーン ステートの管理についてのヒント
- シーン ステートの使い方を理解したら、各シーン ステートの内容を簡単に追跡できるように、変更を最小限に抑えてください。
- シーン ステートでシーンのすべてのアスペクトを保存すると、復元時により柔軟に操作できます。シーンのすべてのパーツが含んだ場合、最初に保存されたすべてまたは一部のみのアスペクトの復元を選択できます。
- シーン ステートを保存した後に行った追加は、復元されたシーンのレンダリングに影響します。たとえば、オムニ ライトが含まれる Omni というシーン ステートが既にあるとします。その後で、フリー スポット ライトが含まれる Free Spot という別のシーン ステートを保存したとします。Omni というシーン ステートを復元すると、シーンにはオムニ ライトとフリー スポット ライトの両方が含まれています。
既存のライトと一緒にレンダリングしない他のライトをシーンに追加する場合、新しいライトをオフにして、[ライトのプロパティ](Light Properties)を保存したすべての既存のシーンを上書きする必要があります。既存のシーン ステートを上書きする方法については、既存のシーン ステートの変更を保存するにはを参照してください。
- シーン ステートにわかりやすい名前を付けます。シーン ステートの名前が長すぎてダイアログ ボックスに表示されない場合は、[シーン ステートの管理](Manage Scene States)ダイアログ ボックスのサイズを変更するか、ダイアログ ボックスの下部にあるスクロール バーを使用します。
個々のパーツを選択してシーン ステートに保存する場合、どのパーツを記録したかを示す名前をシーン ステートに付けると有益です。
- シーンに複数のカメラが含まれている場合は、必要なシーン ステートを復元してから、ビューポートを必要なカメラ ビューに変更します。
シーン ステートの制限
- [シーン ステートの管理](Manage Scene State)ダイアログ ボックスで複数のシーン ステートを選択できますが、一度に復元できるのは 1 つのシーン ステートのみです。
- 現在復元されているシーン ステートの名前は、ユーザ インタフェースに表示されません。レンダリングしたシーンを参照のためにシーン ステートの名前で保存すると有益です。
- マテリアルが割り当てられたオブジェクトを含むシーン ステートを復元した後で、マテリアル エディタでマテリアルを再び開く必要があります。
- シーン ステートの一部を後で削除するか非表示にした場合、シーン ステートを復元するときに、失われたパーツがあること、またはシーンを最初に記録したときの状態でシーンを復元できないことを示す警告は表示されません。
- 同様に、[シーン ステートの管理](Manage Scene States)ダイアログ ボックスで 1 つ以上のシーン ステートを削除する場合、それらを削除することを示す警告は表示されません。ただし、[元に戻す](Undo)を使用して、削除したシーン ステートを復元することができます。
- ビューポートの設定は、シーン ステートの一部として保存されません。そのため、シーン ステートを使用して、アクティブにするビューポートや、ビューポートの最小化または最大化を制御することはできません。
シーン ステートとバッチ レンダリング
シーン ステートには、アクティブなカメラ ビューなどのビューポートのレイアウトは保存されません。そのため、[バッチ レンダリング](Batch Render)ダイアログ ボックスを使用して、モデルに保存された任意のカメラからのレンダリングを調整することができます。バッチ レンダリング ツールに割り当てる各カメラ操作を使用して、自動的にロードおよびレンダリングされる保存されたシーン ステートを指定することができます。