Car Paint には、金属片、クリアコートの層、および Dirty Layer (Lambertian)が組み込まれたペイント レイヤのコンポーネントが含まれています。
Car Paint はマテリアルとしてもシェーダとしても使用できます。どちらもパラメータはまったく同じで、次のような、現実世界の自動車塗装に固有の特性をサポートしています。
Car Paint マテリアルおよびシェーダのすべてのパラメータまたは「コンポーネント」にマップまたはシェーダを割り当てることができます。カラー見本および数値コントロールの右にある小さいマップ ボタンで[マテリアル/マップ ブラウザ](Material/Map Browser)を開き、そのコンポーネントのマップまたはシェーダを選択できます。これらのボタンはショートカットです。[マップ](Maps)ロールアウトで対応するボタンを使用することもできます。マップまたはシェーダをこれらの色コンポーネントのいずれかに割り当てた場合、ボタンには「M」と表示されます。大文字の「M」は、対応するマップが割り当て済みで、アクティブであることを表します。小文字の「m」は、マップは割り当てられていても非アクティブ(オフ)であることを表します。
カラー見本をクリックして、周囲光コンポーネントを選択します。
周囲光カラー マップを割り当てるにはマップ ボタンをクリックします。このボタンはショートカットです。[マップ](Maps)ロールアウトで周囲光カラー マップを割り当てることもできます。
カラー見本をクリックして、マテリアルの基本拡散反射光カラーを選択します。
拡散反射光カラー マップを割り当てるにはマップ ボタンをクリックします。このボタンはショートカットです。[マップ](Maps)ロールアウトで拡散反射光(基本)カラー マップを割り当てることもできます。
カラー見本をクリックして、浅い角度(つまり、エッジ)から見たときのカラーを選択します。通常は、基本カラーよりはるかに暗く見えます。スポーツ カーのような濃いメタリック ペイントでは、黒に近く見えます。
カラーのエッジ方向の減衰率。値が高いほどエッジの領域が狭くなり、値が低いほどエッジの領域が広くなります。有効範囲は 0.0 ~ およそ 10.0で、値 0.0 で効果がゼロになります。既定値は 1.0 です。
見る角度による色の違い: 基本カラーの赤からエッジ カラーの青(分かりやすいように、非現実的な色を使っています)への変化を、さまざまな[Edge bias]値でシミュレートした例
カラー見本をクリックして、光源に面した領域のカラーを選択します。
カラーのライト方向の減衰率。値が高いほどライトに面する色付きの領域が狭くなり、値が低いほどライトに面する色付きの領域が広くなります。有効範囲は 0.0 ~ およそ 10.0で、値 0.0 で効果がゼロになります。既定値は 8.0 です。
見る角度による色の違い: 基本カラーの赤からライトに面するカラーの緑(分かりやすいように、非現実的な色を使っています)への変化を、さまざまな[Light Facing Color Bias]値でシミュレートした例
拡散反射光カラーのパラメータの全体的なレベル。既定値は 1.0 です(調整なし)。
拡散反射光シェーディングの減衰。値が高いほど拡散反射光のピークが光源に近づき、値が低いほど拡散反射光のピークが均等化されます。有効範囲はおよそ 0.5 ~ 2.0で、値 1.0 が標準的な均等拡散シェーディングにあたります。既定値は 1.5 です。
カラー見本をクリックして、金属片のカラー(反射)を選択します。既定は一般的なフレーク カラーの白です。
金属片のカラーのスカラー乗数。既定値は 1.0 です。
金属のレイトレース反射の量。たとえば、HDRI 環境のキラキラ光る反射を表現できます。既定値の 0.0 で効果はゼロになります。
通常、この効果は非常に微妙なものであるため、たいていの場合は値 0.1 で十分です。反射の最終的な強さには、[Flake Color]と[Flake Weight]の値も影響します。
金属片のフォン鏡面反射光指数。既定値は 45.0 です。
金属片の密度。値の有効範囲は 0.1 ~ およそ 10.0 です。値が低いほど金属片の密度が薄くなり、値が高いほど濃くなります。既定値は 0.5 です。
金属片の影響をフェードアウトさせる距離。既定値の 0.0 でフェーディングは無効になります。正の値を指定すると、[Flake Weight]の値が徐々に変化してこの距離でゼロになります。
金属片はかなり小さいため、見た目の比重がピクセルより明らかに小さくなると、レンダリング結果が不自然になります。また、レンダリングのオーバーサンプリングを高く設定している場合は、小さな金属片によって大量のオーバーサンプリングが発生する可能性があり、レンダリングにも必要以上に時間がかかる場合があります。これは、オーバーサンプリングによる平均化処理によって、実質上、金属片の効果が無効になるためです。このような問題が予想される場合は、[Flake Decay Distance]で対処してください。
距離の異なる、減衰なしの金属片: 最も離れた場所にある金属片では、アニメーションにフリッカーが発生したり、無用なオーバーサンプリングが生じてレンダリング時間が長くなる(この例では、分かりやすいようにオーバーサンプリングを低く設定しています)
金属片の減衰を使用した例: 金属片の強さが距離に伴って減衰している(この例も、前の例と同様に、オーバーサンプリングをあえて低く設定しています)
金属片の方向による差異を制御します。値の有効範囲は 0.0 ~ 1.0 です。値 0.0 ですべての金属片がサーフェスに平行になり、値を高くするにつれて金属片の方向の差異が大きくなります。既定値は 0.8 です。
金属片のサイズ。手続き型テクスチャはオブジェクト空間で計算されるため、オブジェクトによって制御されます。したがって、金属片のスケールは、オブジェクトにおけるスケール変換の影響を受けます。既定値は 0/12 です。
カラー見本をクリックして、プライマリ鏡面反射光ハイライトのカラーを変更します。
鏡面反射光カラー マップを割り当てるには、マップ ボタンをクリックします。このボタンはショートカットです。鏡面反射光マップは、[マップ](Maps)ロールアウトでも割り当てることができます。
[Specular Color #1]に適用されるスカラー乗数。既定値は 0.2 です。
[Specular Color #1]のフォン指数。既定値は 60.0 です。
カラー見本をクリックして、セカンダリ鏡面反射光ハイライトのカラーを選択します。
[Specular Color #2]に適用されるスカラー乗数。既定値は 0.3 です。
[Specular Color #2]のフォン指数。既定値は 25.0 です。
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、プライマリ鏡面反射光ハイライトで特別なモード(グレージング)が有効になります。鏡面反射光ハイライトにしきい値を適用することで、より光沢のあるサーフェスを作成します。ワックスで磨かれたピカピカのスポーツ カーの場合は、このオプションをオンにします。逆にボロボロの廃車ではオフにします。既定値ではチェックマークが付いています。
左から順に: 金属の鏡面反射光のみ、標準的な鏡面反射光、「グレージング」モードを有効、「グレージング」モードと金属片の鏡面反射光を併用
カラー見本をクリックして、クリアコートの層の反射のカラーを変更します。既定は一般的なカラーの白です。
反射マップを使用するにはマップ ボタンをクリックします。このボタンはショートカットです。[マップ](Maps)ロールアウトで反射マップを割り当てることもできます。
コートは一般的に、浅い角度でライトを受けたときに反射が強くなります(つまり、エッジ部)。[エッジ係数](Edge Factor)の設定で、このエッジの「浅さ」を定義します。既定値は 7.0 です。
エッジでの反射の強さ。既定値は 1.0 で、通常はこの値が推奨値です。
正面から見たときの反射の強さ(通常は 0.1 ~ 0.3 のような低い値を設定します)。既定値は 0.2 です。
クリアコートに光沢を与えます。このパラメータで、レイトレース光沢反射の数を設定します。既定値の 0 で光沢は無効になります。
光沢の量を設定します。自動車の表面は一般的に鏡に近いため、この値は小さくします。既定値は 0.0 です。
反射レイの到達範囲を制限します。既定値は 0.0 です。
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、環境マップのルックアップが最適化されます。既定値ではチェックマークが付いていません。
現実世界の自動車には、たいてい汚れが付着しています。この汚れの層は、汚れた部分にバンプ マップを適用するなど、汚れを付けるためのマップを手描きでペイントして再現します。
簡単な汚れの均等拡散層で、その下にあるペイントの層とクリアコートの層を覆います。
汚れのカラー。
この層の汚れの量。通常は、テクスチャ シェーダを使用して、サーフェス上の汚れにバリエーションを付けます。値を 0.0 にすると、汚れはなくなります。
サーフェスにおける間接光(フォトンおよびファイナル ギャザー)の影響。自動的に pi (円周率 3.14159)で割られるため、たとえば値を 1.0 にすると重みは 1.0/pi (標準)になります。
グローバルな調整行うパラメータで、拡散反射光、金属片、および鏡面反射光サブシステム全体に作用します。ただし、反射と汚れには影響しません。
このロールアウトでは、任意の Car Paint パラメータにマップまたはシェーダを割り当てることができます。パラメータが最初に表示されるロールアウトでマップおよびシェーダを割り当てることもできます。このロールアウトの主な価値は、マップを削除することなく、チェック ボックスを使用してパラメータのシェーダを切り替えることもできるという点です。
各シェーダ ボタンの右にあるボタンは、複数のパラメータを返すシェーダに使用します。複数のパラメータを返すシェーダがコンポーネントに割り当てられている場合は、ボタンのツールチップにパラメータ名が表示されます。