[強度/カラー/減衰](Intensity/Color/Attenuation)ロールアウト(標準ライト)

[強度/カラー/減衰](Intensity/Color/Attenuation)ロールアウトを使用すると、ライトの色と強度を設定することができます。さらに、ライトの減衰を定義することもできます。

減衰を設定すると、遠くにあるオブジェクトが暗くなる

減衰は、距離とともに光が減少する効果です。3ds Max では、減衰値を明示的に設定できます。 この効果は、現実世界の光と異なり、ライトのフェードインまたはフェードアウトの仕方をより直接的に制御できます。

注: 減衰が適用されていないと、オブジェクトは光源から遠ざかるにつれて明るさを増すように見えます。この現象は、入射角が 0 (ゼロ)度に近くなり、オブジェクトの面の照らされる部分が増加することに起因します。

2 組の値を使用して、ライト オブジェクトの減衰を制御します。[遠方減衰](Far attenuation)値で、ライトが 0 まで下がる距離を設定します。[近接減衰](Near attenuation)は、ライトがフェードインする距離を設定します。これらのコントロールは、いずれも[使用](Use)にチェック マークを付けるか、チェック マークをはずして切り替えます。

[遠方減衰](far attenuation)の[使用](Use)チェック ボックスにチェックマークを付けると、光源のライトはカラー/強度コントロールで指定した値を使用します。この値は、ソースから[開始フレーム](Start Frame)編集ボックスで指定した距離までは変化しませんが、[終了フレーム](End Frame)編集ボックスで指定した距離に達するとゼロに下がります。

シーンに減衰を追加

[近接減衰](Near attenuation)の[使用](Use)チェック ボックスにチェックマークを付けると、ライトの値は[開始フレーム](Start)編集ボックスで指定した距離まで 0 (ゼロ)のままです。[開始フレーム](From)から[終了フレーム](End Frame)で指定した距離に達するまでの間に値が増加します。[終了フレーム](End Frame)を超えると、遠方減衰をアクティブにしない限り、カラー/強度コントロールで指定した値が維持されます。

[近接減衰](Near attenuation)と[遠方減衰](Far attenuation)の距離は設定できないため、これらはオーバーラップします。

[減衰度](Decay)コントロールを使用して、ライトをフェードアウトすることもできます。

ヒント: ライトを減衰すると、近くのサーフェスでは明るすぎ、遠くのサーフェスでは暗すぎることがあります。レンダリングでこうした現象が見られる場合は、露出制御を使ってこの問題を解決することができます。これは、(シミュレートされた)物理的シーンの大きなダイナミック範囲を、ディスプレイの小さなダイナミック レンジへ調節します。露出制御の詳細については、「[環境](Environment)パネル」を参照してください。

手順

カラー セレクタを使用してライトのカラーを選択するには:

  1. [強度](Multiplier)スピナーの横のカラー見本をクリックします。

    モーダルな[カラー セレクタ](Color Selector)ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [カラー セレクタ](Color Selector)ダイアログ ボックスを使用して新しいカラーを 1 つ選択し、閉じるボタンをクリックします。

    シェーディングされているビューポートが更新され、新しいライトの色が表示されます(レンダリング時にも表示されます)。

ライトの強度を変更するには:

減衰を使用するには:

  1. [近接減衰](Near Attenuation)または[遠方減衰](Far Attenuation)ロールアウトの[開始フレーム](Start)値と[終了フレーム](End)値を設定します。
  2. [使用](Use)チェック ボックスにチェックマークを付けます。

    これにより、シーンのシェーディングまたはレンダリング時に、このライトを減衰できるようになります。

    注: 減衰のタイプ(および値)を変更して、距離に応じてライトの強さを弱くすることもできます。

減衰範囲をビューポートで参照するには:

インタフェース

強度
プラス(+)とマイナス(-)の量でライトの強度を増幅します。たとえば、[強度](multiplier)を 2 に設定すると、ライトの明るさが 2 倍になります。負の値を設定すると減光されるので、シーンに部分的に暗い領域を配置する場合には便利です。既定値は 1.0 です。

強度を高めるためにこのパラメータを使用すると、カラーは「焼けた」色になる場合があります。また、ビデオでは使用できないカラーを生成することもあります。[強度](Multiplier)編集ボックスは、特殊効果や特別な場合を除き、通常は既定値 1.0 の設定のままにしておいてください。

[強度](Multiplier)値を大きくすると、褪せた色になります。たとえば、スポットライトを赤色に設定し、[強度](Multiplier)編集ボックスの値を 10 に増やした場合、[強度](Multiplier)編集ボックスが適用されていないと、ライトはホットスポットでは白く、フォールオフ領域でのみ赤くなります。

[強度](Multiplier)の値が負の場合は「暗色ライト」になります。つまり、ライトはオブジェクトを照らすのではなく暗くすることになります。

カラー見本
ライトの色を表示します。カラー見本をクリックして[カラー セレクタ](Color Selector)を表示すると、ライトのカラーを選択できます。

[減衰度](Decay)領域

減衰度とは、光の強度を距離に応じて弱めるための追加方法です。

[タイプ](Type)ドロップダウン リスト
使用する減衰度のタイプを設定します。次の 3 種類から選択できます。
  • [None](既定値)減衰度を適用しません。[遠方減衰](far attenuation)にチェックマークを付けない限り、光の強度は最高値を維持します。
  • [逆](Inverse) 逆減衰度を適用します。輝度は R 0 /R です。R0 は、まったく減衰していない場合はライトの反射ソースを表し、減衰している場合はライトの近接終了値を表します。R は、R0 から照射しているサーフェスの放射距離です。
  • [逆二乗](Inverse Square) 逆二乗の減衰を適用します。数式は (R 0 /R) 2 です。これは「実世界」における実際の光の減衰度ですが、コンピュータ グラフィックの世界では暗すぎることがあります。

    これはフォトメトリック ライトで使用される減衰の数式です。

    ヒント: [逆二乗](Inverse Square)減衰度を適用した結果シーンが暗くなりすぎた場合は、「[環境](Environment)パネル」を使用してグローバル イルミネーションの値を上げる方法もあります。

減衰度の開始点は、減衰機能を使用するかどうかによって異なります。

  • 減衰機能を使用しない場合、減衰度は照明のソースから開始します。
  • 近接減衰機能を使用する場合、減衰度は近接終了の位置から開始します。

一度開始点が設定されると、遠方終了距離の設定でライトそのものが遮断されるのでない限り、減衰度はその数式のまま機能します。つまり、近接終了と遠方終了の間の距離はスケールしません。スケールすると、減光させるライトの見かけの傾斜に影響します。

ヒント: 減衰度は照射距離が増すのに応じてより暗い値を計算し続けるので、少なくとも減衰の遠方減衰の終了値を設定し、不要な計算を省きます。
開始
減衰機能を使用しない場合は、照明が減衰を開始する距離を設定します。
表示

ビューポート内の減衰範囲を表示します。 スポットライトでは、減衰範囲は円錐のレンズ型のセクションで表示されます。 指向性ライトでは、減衰範囲は円錐の円形セクションで表示されます。 [オーバーシュート](Overshoot)がオンの場合、オムニ ライトやスポットライトまたは指向性ライトの範囲は球状になります。 既定では、開始範囲は青緑です。

注: ライトが選択されていると減衰範囲は常に見える状態にあるため、このチェック ボックスのチェックマークを消してもライトの選択を解除するまではその効果が現れません。

[近接減衰](Near Attenuation)領域

開始フレーム
ライトがフェードインし始める距離を設定します。
終了フレーム
ライトがその全値に達する距離を設定します。
使用
ライトの近接減衰を有効にします。
表示
ビューポートに設定した近接減衰の範囲を表示します。スポットライトでは、減衰範囲は円錐のレンズ型のセクションで表示されます。指向性ライトでは、減衰範囲は円錐の円形セクションで表示されます。[オーバーシュート](Overshoot)がオンの場合、オムニ ライトやスポットライトまたは指向性ライトの範囲は球状になります。既定値では、近接減衰の開始点はダーク ブルーで表示され、終了点はライト ブルーで表示されます。
注: ライトが選択されていると減衰範囲は常に見える状態にあるため、このチェック ボックスのチェックマークを消してもライトの選択を解除するまではその効果が現れません。

[遠方減衰](Far Attenuation)領域

[遠方減衰](Far Attenuation)の範囲を設定すると、レンダリング時間を大幅に短縮できます。

ヒント: シーンに大量のライトが含まれている場合、[遠方減衰](Far Attenuation)を使用して各ライトが照射する範囲を制限します。たとえば、オフィスの天井に多数のライトの何列にも並んでいる場合、メイン オフィスではなく受付エリアをレンダリングする際は、遠方減衰の範囲を指定することで、ライトの照度が計算されなくなります。また、多数の劇場で見られるように、階段の各段にライトが埋め込まれている場合があります。このようなライトの遠方減衰の値を低く設定すれば、劇場全体をレンダリングする際に、階段の各ライトの(省略可能な)照度が計算されなくなります。
開始フレーム
ライトがフェードアウトし始める距離を設定します。
終了フレーム
ライトが暗くなって最後に 0 になる距離を設定します。
使用
ライトの遠方減衰を有効にします。
表示
ビューポートに設定した遠方減衰の範囲を表示します。スポットライトでは、減衰範囲は円錐のレンズ型のセクションで表示されます。指向性ライトでは、減衰範囲は円錐の円形セクションで表示されます。[オーバーシュート](Overshoot)がオンの場合、オムニ ライトやスポットライトまたは指向性ライトの範囲は球状になります。既定値では、遠方減衰の開始点はライト ブラウンで表示され、終了点はダーク ブラウンで表示されます。
注: ライトが選択されていると減衰範囲は常に見える状態にあるため、このチェック ボックスのチェックマークを消してもライトの選択を解除するまではその効果が現れません。