IK の用語

インバース キネマティックを使用するには、多くの IK コンポーネントのパラメータを設定する必要があります。これらのコンポーネントについて簡単な定義を説明します。詳細については他の項で説明します。

注: 3ds Max では、さまざまなインバース キネマティック システムが提供されています。4 種類の IK ソルバがあり、適用された IK とインタラクティブ IK システム(IK ソルバを使用しない)もあります。次のパラメータのうちすべてが、すべてのシステムで使用されているわけではありません。
IK ソルバ

キネマティック チェーンに IK ソリューションを適用します。キネマティック チェーンはボーン システムで構成されているか、またはリンクされたオブジェクトのセットです。

関節

IK 関節はオブジェクトが親に対してどのように変換されるかを制御します。関節の動作は 3 つのカテゴリの設定で指定します。

  • オブジェクトの基点 オブジェクトの基点の位置によって関節モーションを適用する場所が決まります。
  • 関節パラメータ [階層](Hierarchy)コマンド パネルの[IK]の設定を変更することによって、関節の動作の方向、制限、順序を指定します。
  • 親の基点 オブジェクトの親の基点の位置によって関節制限を測定する原点が決まります。

オブジェクトと親に基点を配置するコマンドについては、基点調整で説明しています。

開始関節と終了関節

開始関節と終了関節は、IK ソルバが管理する IK チェーンの開始点と終了点を定義します。チェーンの階層でチェーンの方向を定義します。終了関節の基点は、エンド エフェクタが使用可能な場合はエンド エフェクタとして表示されます。

キネマティック チェーン

インバース キネマティックでは、キネマティック チェーン内のオブジェクトの位置と方向を計算します。キネマティック チェーンは IK コントロールのどの階層でも定義することができます。IK チェーンは選択したノードで開始され、開始関節と終了関節で構成されています。チェーンのベースは全階層のルートか、チェーンのターミネータとして指定したオブジェクトのいずれかです。キネマティック チェーンは IK ソルバをチェーンに適用したときか、自動的に適用される IK ソルバを使ってボーン チェーンを作成したときに定義されます。

ゴール

HI ソルバでは、ゴールを使ってチェーンの終了点を操作します。ゴールをアニメートすると、IK ソリューションはエンド エフェクタ(チェーンの最後の子の基点)をゴールの位置に合わせようとします。HD ソルバを使用すると、エンド エフェクタはゴールと同じ機能を実行します。

エンド エフェクタ

IK ソリューションでは、必ず明示的に 1 つのオブジェクトを移動します。次に、オブジェクトの移動に対応してキネマティック チェーン内の他のすべてのオブジェクトを移動または回転するのに IK の計算を使用します。移動するオブジェクトが HI ソルバ(IK リム ソルバ)のゴールです。HD ソルバの場合はエンド エフェクタです。

設定角度

関節が曲がる方向を決めます。設定角度は、HI ソルバが適用されていればチェーン要素間の基本角度を設定します。IK ソリューションは計算でこの角度を求めます。

ソルバ平面とターン角度のマニピュレータ

開始関節と終了関節の間に平面を定義することができ、IK ソリューションの制御を補助します。マニピュレータ モードの場合は、ターン角度マニピュレータを変更してソルバ平面を調整またはアニメートします。これにより、チェーンの上ベクトル ハンドルが決まり、何度もアニメートすることができます。また、従属するターン角度マニピュレータのターゲットも定義できます。詳細については、「ホワイト ペーパー: HI IK ソルバのターン角度」を参照してください。

ターミネータ

1 つまたは複数のオブジェクトをターミネータとして指定することによって、HD(履歴に依存した)IK チェーンのベースを明示的に指定することができます。ターミネータ オブジェクトによって IK の計算が止まるため、階層でそれより上位にあるオブジェクトは IK ソリューションの影響を受けません。ターミネータ オブジェクトは複数の HD IK チェーンを使う階層の定義にも使用します。

ターミネータ オブジェクトは HI ソルバや IK リム ソルバでは使用されません。このような場合、チェーンの終了関節で終了を決定します。

オブジェクトのバウンド

階層の中のオブジェクトはワールドまたは従属オブジェクトと呼ばれる他のオブジェクトにバインドすることができます。

バインドによって階層の一部ではないオブジェクトから階層内のオブジェクトに影響を与えることができます。

  • ワールドにバインドされたオブジェクトは現在の位置と方向を保持します。
  • 従属オブジェクトにバインドされたオブジェクトは従属オブジェクトの位置と方向に従属します。
  • HD ソルバを使う場合や、適用された IK が使用される場合に、従属オブジェクトにバインドできます。HI または IK リム ソルバを使用するときに従属オブジェクトにバインドする場合は、ゴールと選択した従属オブジェクト(通常はポイント、ダミー、スプライン、ボーン)の間に位置コンストレイントを適用します。
有効な IK

(HI ソルバ) HI ソルバを使用する場合、インバース キネマティックかフォワード キネマティック(FK)を使ってアニメートすることができます。[有効](Enabled)がオンになっている場合、インバース キネマティックはチェーンを制御し、キーフレームはゴールにだけ配置されます。[有効](Enabled)がオフになっている場合、フォワード キネマティック回転キーがすべてのボーンに配置されます。

IK/FK スナップ

(HI ソルバ) HI ソルバを使用する場合に IK と FK の両方を使ってアニメートすると、ゴールがチェーンの終了点から移動してアニメーションがジャンプする状況に陥ることがあります。IK/FK スナップを押すとエンド エフェクタの位置に合うようにゴールが戻り、アニメーションのジャンプは解消されます。

FK ポーズ用 IK

(HI ソルバ) このボタンがオンになっている場合は、ゴールを移動すると自動的にボーンに回転キーが設定されます。事実上、IK マニピュレーションを使用して姿勢を作成し、FK キーを設定することができます。