[スーパーサンプリング](SuperSampling)ロールアウト

[スーパー サンプリング](SuperSampling)ロールアウトは、アーキテクチャル、レイトレース、標準、および Ink 'n Paint マテリアルで使用されます。このロールアウトによってスーパー サンプリングの方法を選択できます。スーパー サンプリングは、マテリアルに追加のアンチエイリアシング パスを実行します。時間はかかりますが画質は向上します。スーパー サンプリングは、非常に滑らかな鏡面反射光ハイライト、微妙なバンプ マップ、または高い解像度をレンダリングする必要のあるときに特に役立ちます。

3ds Max の既定値では、単一のスーパー サンプリング方法がシーン内のすべてのマテリアルに適用されます。 この機能により、シーンをより詳細に制御できます。[レンダリング](Rendering)ダイアログ ボックスからグローバル レベルでスーパー サンプリングを制御できるので、多数のマテリアルを使用する大きなモデルに特に有効です。[グローバル設定を使用](Use Global Settings)をオフにすると、この設定をローカルで無効にできます。また、VIZ Render から読み込まれた DRF ファイルとの互換性を提供し、ワークフローの複製を可能にします。

注: mental ray レンダラーでは、独自のサンプリング方法が使用されるため、スーパー サンプリングの設定は無視されます。また、[既定値のスキャンライン レンダリング](Default Scanline Renderer)ロールアウトでアンチエイリアシングをオフにすると、スーパー サンプリングは処理されません。このロールアウトは、すべてのマテリアルのスーパー サンプリングをグローバルに無効化し、テスト レンダリングの時間を短縮できます。

スーパー サンプリングは最終レンダリングで不具合が見つかったときに使用してください。たとえば、薄いバンプ マップに生じる火花のようなぎざぎざのバンプは、スーパー サンプリングで修正できます。スーパー サンプリングをオンにしてもメモリを余分に消費するわけではありませんが、レンダリングに時間はかかります。

スーパー サンプリングでは小さいサンプリング ポイントが使用され、アンチエイリアシング効果を高めるために平均値が返される

スーパー サンプリングおよびアンチエイリアシング

スーパー サンプリングはいくつかのアンチエイリアシング手法の 1 つです。テクスチャ、シャドウ、ハイライト、およびレイトレースされた反射および屈折にはすべて、それ専用の予備的なアンチエイリアシングの方法があります。スーパー サンプリングは、レンダリングされた各ピクセルに「最良と思われる」カラーを提供する追加のステップです。その後、スーパー サンプラーの出力はレンダラーに渡され、そこで最終的なアンチエイリアシング パスが実行されます。

1 つのレンダリングされたピクセルはシーンのジオメトリ領域を表します。ピクセルは、特にオブジェクトのエッジやカラー範囲に表示されたときに複数の色の代わりとなることができます。この場合にエイリアシング効果が表れます。

スーパー サンプリングをオフにすると、3ds Max はジオメトリの中心だけを見てピクセルのカラーに使用します。

スーパー サンプリングをオンにすると、スーパー サンプラーによりマテリアルに新たにアンチエイリアシング パスが実行されます。4 つのスーパーサンプラーの中から 1 つを選択することができます。その名のとおりスーパー サンプラーは、各ピクセル中または周辺のジオメトリ カラーを追加サンプリングすることにより、エイリアシング エラーを起こしにくい、より正確なピクセル カラーを取得します。

スーパー サンプリングには次の方法があります。

名前 説明
アダプティブ ホールトン 「擬似ランダム」という分散パターンに従い XY 両軸でサンプリング間隔を決めます。サンプリング数は 4 ~ 40 の範囲で品質に応じて変わります。後述するように、この方法は適応化することができます。
アダプティブ均一性 サンプリング間隔が一定になります。サンプリング数は 4(最低品質)から 36(最高品質)までです。パターンは完全な升目状にはならず、垂直軸と水平軸に対する正確さを優先させるためわずかに歪みます。後述するように、この方法は適応化することができます。
ハマースリー サンプリング間隔は、X 軸に対しては規則的に、Y 軸に対しては「擬似ランダム」分散パターンを適用します。サンプリング数は 4 ~ 40 の範囲で品質に応じて変わります。この方法は適応化することができません。
MAX 2.5 星 ピクセルの周囲 4 点をサンプリングしてその平均値を中心のピクセルに適用します。パターンはサイコロの 5 の目に似ています。このスーパー サンプリングは、3ds Max 2.5 で使用できます。

[アダプティブ均一性](Adaptive Uniform)と[MAX 2.5 星](MAX 2.5 Star)で実行される規則的なサンプリングでは、[アダプティブ ホールトン](Adaptive Halton)と[ハマースリー](Hammersley)で実行される不規則なパターンよりもエイリアシングが起こりやすくなります。

[アダプティブ ホールトン](Adaptive Halton)、[アダプティブ均一性](Adaptive Uniform)、および[ハマースリー](Hammersley)には、可変品質値を設定できます。品質の範囲は 0.0 から 1.0 です。0.0 の品質が最小で、1 ピクセルにつきおよそ 4 個のサンプルがあります。最大は 1.0 の品質で、1 ピクセルにつき 36 個から 40 個のサンプルがあります。高品質のスーパー サンプリングは非常に時間がかかります。

[アダプティブ ホールトン](Adaptive Halton)スーパー サンプラーと[アダプティブ均一性](Adaptive Uniform)スーパー サンプラーには[アダプティブ](Adaptive)切り替えがあります。[アダプティブ](Adaptive)切り替えは[しきい値](Threshold)編集ボックスと連携して機能します。[アダプティブ](Adaptive)チェック ボックスのチェックマークが付いている場合、カラーの変化がしきい値以上でないと、この方法によるサンプル数の方が少なくなります。この場合、[質](Quality)編集ボックスで指定されたサンプル数が取られます。スーパー サンプリングにかかる時間を短縮するには、[アダプティブ](Adaptive)チェック ボックスをオンにしておきます。

インタフェース

グローバル設定を使用

このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、マテリアルでは[既定値のスキャンライン レンダリング](Default Scanline Renderer)ロールアウトで設定されているスーパー サンプリング オプションが使用されます。既定値ではチェックマークが付いています。

ローカル スーパーサンプラの有効

このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、マテリアルにスーパー サンプリングが適用されます。既定値ではチェックマークが付いていません。

[サンプラ](sampler)ドロップダウン リスト

適用するスーパー サンプリングの方法を選択します。このリストは、[グローバル設定を使用](Use Global Settings)のチェックマークを消したときだけアクティブになります。既定値は Max 2.5 スターです。

スーパーサンプル マップ

このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、マテリアルに適用したマップもスーパー サンプリングされます。チェックマークが付いていない場合、スーパーサンプラーはマップにピクセル平均を使用します。このチェック ボックスは、[グローバル設定を使用](Use Global Settings)のチェックマークを消したときだけアクティブになります。既定値ではチェックマークが付いています。

各ピクセルに使用するサンプルの数を制御して、スーパー サンプリングの品質を調整します。0.0 では 1 ピクセルにつき 4 つのサンプルを取ります。1.0 では 1 ピクセルにつき 40 のサンプルを取ります(値はアクティブなシェーダの種類によって異なります)。指定できる範囲は 0.0 から 1.0 までです。既定値は 0.5 です。

この編集ボックスは[Max 2.5 星](Max 2.5 Star)の選択時には使用できません。

アダプティブ

[アダプティブ ホールトン](Adaptive Halton)および[アダプティブ均一性](Adaptive Uniform)の場合にのみ表示されます。このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、サンプルの色の変化がしきい値よりも大きくならない限り、[質](Quality)で指定されたサンプル数よりも少数のサンプルを取ります。この場合、[質](Quality)によって指定されたすべてのサンプルを取ります。[アダプティブ](Adaptive)チェック ボックスにチェックマークを付けると、スーパー サンプリングにかかる時間を短縮できます。既定値ではチェックマークが付いています。

しきい値

[アダプティブ](Adaptive)の方法をコントロールします。[アダプティブ ホールトン](Adaptive Halton)および[アダプティブ均一性](Adaptive Uniform)の場合にのみ表示されます。色の変化がしきい値よりも大きい場合は、[アダプティブ](adaptive)は[質](Quality)で指定したサンプル数をすべて取ります。色がそれほど変化しない場合は、[アダプティブ](adaptive)で取るサンプル数は少なくなり、処理時間もさほど必要としません。値の範囲は 0.0 ~ 1.0 です。[しきい値](Threshold)を 0.0 に設定すると、[アダプティブ オン](Adaptive On)チェック ボックスをオフにした場合と同じ効果が得られます。既定値は 0.1 です。