薄壁屈折マップ

[薄壁屈折](Thin Wall Refraction)では、ガラス板を通してイメージの一部を見る場合のような、ジョグまたはオフセット効果をシミュレートします。窓ガラスの形をした[ボックス](Box)など、ガラスを形成するオブジェクトの場合、このマップはメモリ消費量が少なく高速で、反射/屈折マップよりも優れた視覚的効果を提供します。

薄壁屈折

ヒント: 反射および不透明が 100 % の場合、拡散反射カラーやマップが見えないので、屈折マテリアルのイメージはほとんどありません。つまり、目に見える効果はありません。親マテリアルの[マップ](Maps)ロールアウトでは[屈折量](Refraction Amount)を 50 % に設定し、[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウトでは[不透明度](Opacity)値を 0 (ゼロ)より大きく設定します。

手順

マテリアルに薄壁屈折マップを割り当てるには:

  1. マテリアルの[マップ](Maps)ロールアウトで、屈折の[マップ](Maps)ボタンをクリックします。
  2. マテリアル/マップ ブラウザで[薄壁屈折](Thin Wall Refraction)を選択します。

    または、[スレート マテリアル エディタ](Slate Material Editor)を使用して、[薄壁屈折](Thin Wall Refraction)マップをマテリアルの[屈折](Refraction)コンポーネントにワイヤリングします。

  3. マップのパラメータを調整します。
  4. 親マテリアルで[屈折](Refraction)マップの[量](Amount)を 50 % に設定します。
  5. マテリアルをオブジェクトに割り当てます。

インタフェース

[ブラー](Blur)領域

次のコントロールは、アンチエイリアシングのためのものです。

ブラーを適用
フィルタリングをオンにして、マップをブラーします。
ブラー
オブジェクトからの距離に基づいて、生成マップの鮮明さやぼやけの効果に影響します。マップから離れるほど、ぼかし方が強くなります。ブラーは、主にエイリアシングを防ぐために使用します。ピクセルの詳細が遠方に縮小される場合に起こるシンチレーション(瞬き)またはエイリアシングを避けるために、すべてのマップに少量のブラーを加えることを推奨します。既定値は 1.0 です。

[レンダリング](Render)領域

次のコントロールは、アニメーションで機能する屈折に影響します。

  • [第 1 フレームのみ](First Frame Only)レンダラーが第 1 フレームにのみ屈折イメージを作成するようにします。

    このオプションが、最も速く処理できます。カメラおよび屈折オブジェクトが動かない場合は、これを使用してください。

  • [フレーム間隔](Every Nth Frame)レンダラーがスピナーによって設定されたフレーム レートに基づいて、屈折イメージ再生成するようにします。

    1 フレーム間隔にすると、最も正確な結果が得られますが、レンダリング時間が長くなります。

環境マップを使用
このチェック ボックスにチェックマークが付いていない場合、環境マップは屈折のレンダリング時に無視されます。シーンの中に複数の屈折があり、フラット スクリーン環境マップに対してロトスコーピングしている場合に、オフにすると便利です。スクリーン環境マップは、他の環境マップの種類のように 3D スペースに存在するものではないため、正しくレンダリングされません。既定値ではチェックマークが付いています。

[屈折](Refraction)領域

次のコントロールは、薄壁屈折効果に独自のものです。

厚みのオフセット
屈折オフセットやジョグ効果のサイズに影響します。0 (ゼロ)にするとオフセットはなく、オブジェクトはレンダリングしたシーンには現れません。10.0 では、オフセットは最大です。範囲は 0.0 ~ 10.0 で、既定値は 0.5 です。
注: 親マテリアルの[拡張パラメータ](Extended Parameters)ロールアウトの[屈折指数](Index of Refraction)(IOR)スピナーも、オフセット効果に影響します。
バンプ マップ効果
バンプ マップが存在するために発生する屈折の程度に影響します。このパラメータによって、親マテリアルの現在のバンプ マップの[量](Amount)が増加します。2 番目の屈折効果を下げるには、この値を減らします。 効果を上げるには、この値を増やします。割り当てるバンプ マップがない場合、この値には効果がありません。既定値は 1.0 です。

ガラスの表面にむらがない場合は、2 番目の屈折があります。マテリアルにバンプ マップがある場合、薄壁屈折はこの 2 番目の屈折を生成します。アルゴリズムは 2 番目の屈折のスケールを推測しますが、作成される効果が必要以上に大きい場合があります。このような場合、値を 1 より小さくして効果を減らします。