精度の高い冷暖房負荷分析を行うためには、建物モデルのすべてのエリアにスペースを配置します。
Revit では、スペース コンポーネントを使用して、配置されたエリアについての情報を保持します。スペースには、プロジェクトの暖房および冷房負荷の解析に影響を与えるさまざまなパラメータの値が保存されています。通常、設計者がモデル内で部屋コンポーネントを割り当てることがない天井プレナム領域、EV シャフト、設備用シャフト、狭小スペースにもスペースを配置してください。
部屋とスペースは、利用される目的が異なる独立したコンポーネントです。部屋は、占有されているエリアに関する情報を保持するために使用される建物コンポーネントです。スペースは、ボリューム解析のために MEP 専門分野でのみ使用されます。スペースには、配置されているエリアに関する情報を保持するパラメータが含まれています。この情報は、冷暖房負荷解析を実行するのに使用されます。
スペースを、配置(追加)したり、配置取り消したり、削除することができます。スペースの配置取り消しとスペースの削除とは同じではありません。スペースは、最初にプロジェクトに追加されると同時に、未指定ゾーンに割り当てられます。スペースは断面図ビューで表示することができます。スペースは、立面図または 3D ビューで表示または配置することはできません。
スペースは、天井プレナム領域などの非占有エリアを含め、モデル全体にわたって配置する必要があります。部屋を含むエリア内に(手動または自動で)作成されるスペースは、占有エリアとして作成されます([居室]パラメータが選択されます)。
閉じたエリア内に配置される場合、スペースの領域は、壁、床、天井、屋根、スペース分割線などの部屋境界コンポーネントのサーフェスをもとに計算されます。スペースの領域は、部屋境界コンポーネントの面まで水平および垂直に広がる範囲です。サーフェスには、2 つのカテゴリがあります。
スペースがモデル全体にわたって配置されていないと、内壁が誤って外壁として識別され、その結果、冷暖房負荷解析が正しく行われないことがあります。唯一の例外は、タイプ パラメータが部屋境界コンポーネントに対して[内部]または[コアシャフト]に指定されている場合です。
たとえば、次の図の壁では、[構造]タイプ パラメータが[内部]または[コアシャフト]のいずれにも設定されていないとします。図は、スペースが配置されていない複数のエリアを示しています。各ケースで、エリアに隣接しているオフィスの壁のサーフェスは、内壁であるにもかかわらず、外壁とみなされます。