オブジェクトの選択は、AutoCAD の使用の大部分を占めます。一見簡単に見えます。1 つのオブジェクトをクリックするか、複数のオブジェクトの周囲に窓を描画します。しかし、図面が複雑になり始めたら、他の方法を使用して簡単にオブジェクトを選択することもできます。
始める前に、後で必要になるいくつかのシステム変数を設定します。
基本の窓、交差窓、ポリゴン窓、ポリゴン交差窓から始めましょう。それぞれの選択方法を試したら、[Esc]を押して選択を解除します。
次の例では、ドアを選択します。個別に選択することもできますが、フェンスを使用するとすばやく選択できます。
投げ縄選択を使用してドアを選択することもできます。投げ縄を使用するには、マウス ボタンを押しながらマウスをドラッグして投げ縄を作成します。マウス ボタンを放すと、投げ縄が完成します。試してみましょう。
コマンド ラインに、現在、投げ縄の交差モードを使用していることが表示されます。つまり、投げ縄と交差しているオブジェクトと囲まれているオブジェクトのすべてが選択されます。
投げ縄には、窓、交差窓、フェンスの 3 つのモードがあります。[Spacebar]を押すと、投げ縄のモードが循環的に切り替わります。
現在、投げ縄の窓モードを使用しています。窓に囲まれているすべてのオブジェクトが選択されます。
投げ縄が、投げ縄のフェンス モードに変わります。フェンスと交差しているすべてのオブジェクトが選択されます。
オブジェクトの選択方法を練習しましたが、最初からやり直すことなく、選択セットからオブジェクトを除去する方法について疑問に思われるかもしれません。
Floor Plan Sample.dwg で、オブジェクトを選択しましたが、選択セットに名前を付ける必要はありません。
右下の小部屋のオブジェクトも選択セットから除去します。
[Shift]キーを使用して選択セットからオブジェクトを除去すると、込み入った図面で作業するときに、必要なオブジェクトだけを簡単に選択できます。
オブジェクトを選択するときに、いくつかの方法で制限またはフィルタすることができます。
SELECTSIMILAR[類似オブジェクト選択]と QSELECT[クイック選択]について詳しく見てみましょう。
この例では、図面内のすべての小部屋の輪郭を選択します。
QSELECT[クイック選択]コマンドには、SELECTSIMILAR[類似オブジェクト選択]コマンドでは使用できないオプションがいくつかあります。例:
では、DESK* という名前に一致するすべてのブロックを選択してみましょう。
条件に一致する名前のすべてのブロックが選択されます。
オブジェクトの選択に影響を与える設定がいくつかあります。
[選択モード]領域のオプションをいくつか見てみましょう。
オブジェクト選択に関して頻繁に使用されるコマンドとシステム変数を次に示します。
コマンド | 説明 |
---|---|
FILTER[オブジェクト選択フィルタ] | オブジェクトを選択セットに含めるために満たす必要のある条件のリストを作成します。 |
QSELECT[クイック選択] | フィルタ条件に基づいて選択セットを作成します。 |
SELECT[オブジェクト選択] | 選択したオブジェクトを直前の選択セットに入れます。 |
SELECTSIMILAR[類似オブジェクト選択] | 現在の図面内で、選択したオブジェクトとプロパティが一致するオブジェクトをすべて検索し、これらのオブジェクトを選択セットに追加します。 |
システム変数 | 説 明 | 既定値 | 保存場所 |
---|---|---|---|
PICKADD | 以降の選択セットを、現在の選択セットと置き換えるのか、現在の選択セットに追加するのかをコントロールします。 | 2 | ユーザ設定 |
PICKAUTO | オブジェクト選択の自動選択窓をコントロールします。 | 5 (ビットコード) | レジストリ |
PICKBOX | オブジェクトを選択するときに使用するピック ボックスのサイズを、デバイス非依存ピクセル単位で設定します。 | 3 | レジストリ |
PICKDRAG | 選択窓の作成方法をコントロールします。 | 2 | レジストリ |
PICKFIRST | コマンドを開始する前にオブジェクトを選択できるかどうかをコントロールします。 | 1 | レジストリ |
SELECTIONAREA | 選択領域に対する効果の表示をコントロールします。 | 1 | レジストリ |
SELECTIONAREAOPACITY | 窓選択および交差選択中の選択領域の透明度をコントロールします。 | 25 | レジストリ |
SELECTIONCYCLING | 重なっているオブジェクトに関連する表示オプションと選択循環をコントロールします。 | 0 | レジストリ |
SELECTIONEFFECT | オブジェクトが選択されているときに使用される視覚効果を指定します。 | 1 | レジストリ |
SELECTIONEFFECTCOLOR | オブジェクト選択時の光るハイライト効果の色を設定します。 | 0 | レジストリ |
SELECTIONOFFSCREEN | オフスクリーンのオブジェクトの選択をコントロールします。 | 1 | レジストリ |
SELECTIONPREVIEW | 選択のプレビューの表示をコントロールします。 | 3 (ビットコード) | レジストリ |
SELECTIONPREVIEWLIMIT | 窓選択または交差選択時にプレビュー ハイライトを表示できるオブジェクトの数を制限します。 | 20000 | レジストリ |
SELECTSIMILARMODE | SELECTSIMILAR[類似オブジェクト選択]コマンドで同じ種類のオブジェクトとして選択されるようにするために、どのプロパティを一致させる必要があるかをコントロールします。 | 130 (ビットコード) | ユーザ設定 |