パーツ ルールは、パイプ ネットワークのパーツの作成時、移動時、編集時におけるパーツの動作を制御するプロパティです。
Autodesk Civil 3D のパイプ ネットワーク オブジェクトでは、次のようにパーツ ルールを使用します。
パーツ ルールは、まずパーツの作成時に、パーツの適切な標高を自動的に決定します。ユーザに表示される特定の標高の動作は、最小勾配、最小土被り、構造物での標高差の定義内容など、ユーザが行った設定内容に基づきます。パーツ ルールは、パイプ ネットワーク設計の自動検証も行います。たとえば、構造物が小さすぎてパイプ サイズに適合しないかどうか、パイプの長さが目的の長さを超えているかどうか、パイプ上の最大土被りの値が超過してるかどうかをチェックします。
ルールにより、問題のない良好な状態から設計を開始することができます。また、一連のパイプおよび構造物の位置が実際に作成可能な位置かどうかを迅速に判断することもできます。
ルールは、パーツの作成時に自動的に適用されますが、必要に応じて、図面の既存のパーツにルールを再適用することもできます。ルールを再適用すると、意図しない変更を未然に防止できます。たとえば、パイプが接続された構造物を移動する場合、構造物の移動後にルールを再適用して、構造物に接続されているパイプの標高や最小土被りが移動後も適切に維持されるようにしたり、最大の長さを超えないようにすることができます。
パイプ ネットワーク ルールは、設計の高度な自動化を実現すると同時に、ユーザの判断やサイト固有の要件に基づいて、設計を指定できる柔軟性も備えています。図面のパイプ ネットワークのパーツがルールのパラメータ値に違反しているとき、ユーザは違反を即座に確認して、図面を編集する必要があるか、ルール違反を現状のまま許容するかを判断できます。
パイプ ネットワーク パーツに関する既定のルールの動作は、一般的な設計のシナリオのニーズを満たすように設計されています。パイプ ネットワークをレイアウトする際、既定の動作がニーズを満たしており、パーツ ルールの編集、削除、追加が不要な場合もあります。既定のルールの動作を変更する場合は、パーツ ルールを編集するか、ルール セットでパーツ ルールを追加または削除します。
Autodesk Civil 3D における既定のパイプ ネットワーク ルールの動作は、次のファイルで制御されます。
既定ではこれらのファイルは、C:¥ProgramData¥Autodesk¥C3D <バージョン>¥jpn にあります。
パイプ ネットワークのパーツ リストの各パーツは、定義済みルールのセットを参照します。図面にパイプや構造物を挿入した場合でも、ルール セットの参照はそれぞれのパーツにより行われます。そのため、パーツ カタログ内のパーツに変更を加えたり、パーツ リストからパーツを削除しても、既に図面に挿入されたパーツには影響を与えません。
図面内に挿入されたパイプおよび構造物のそれぞれに対して、既定の「ルール セット」が存在します。ルール セットの動作は、必要な場合に優先する値を変更できることを除いてスタイルと同じです。このルール セットを基に、カスタマイズしたルールのセットを作成できます。特定のルールを追加または削除したり、特定のルールの値を編集したり、パーツでのルールの処理順序を変更することができます。これらの変更は、すべてルール セットに名前を付けて保存することができます。これにより、特定のパイプ ネットワークやパイプ ネットワークのパーツに応じて、ルールの動作をコントロールおよびカスタマイズできるようになります。