概要 - 標準仕様違反について図面を確認する

標準仕様違反について図面ファイルを監査して、違反しているファイルを変更することができます。バッチ標準チェッカーを使用すると、複数のファイルを一度に監査できます。

図面に標準仕様ファイルを関連付けた後は、その図面が標準仕様に適合していることを定期的に確認する必要があります。このことは、特に複数のメンバーが図面ファイルを更新している場合に重要になります。たとえば、複数の外注業者が参加するプロジェクトでは、1 つの業者が、CAD マネージャの定義した標準仕様に適合しない画層を新しく作成する可能性があります。そのような場合は、適合しない画層を識別して修正する必要があります。

通知機能を使用すると、図面で作業中に標準仕様違反が生じたことをユーザに警告できます。この機能を使用すると、標準仕様違反が発生した時点で修正することができるので、標準仕様に適合した図面を作成し、維持することができます。

1 つの図面を確認する

CHECKSTANDARDS[標準仕様を確認]コマンドを使用することで、現在の図面の標準仕様違反をすべて表示できます。[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスには、標準仕様に適合しない各オブジェクトが、推奨される修正方法とともに報告されます。

報告された各標準仕様違反については、修正するか無視するかを選択できます。無視すると、標準仕様違反を表すフラグが 図面に表示されます。無視した問題については、次回の図面監査時に違反として報告されないように、表示をオフにすることができます。

発生した標準仕様違反に対して推奨される修正方法がない場合は、[修正候補]リストで項目がハイライト表示されず、[修正]ボタンは使用できません。[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスに表示されている標準仕様違反を修正する場合、[修正]ボタンまたは[次へ]ボタンをクリックするまでは、ダイアログ ボックスから違反は削除されません。

図面全体の監査が終了すると、チェックが完了したことを示すダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスには、図面で検出された標準仕様違反の要約が表示されます。ダイアログ ボックスには、自動修正された違反、手動修正された違反、および無視された違反も表示されます。

注: 標準仕様に適合しない画層に複数の違反(たとえば、画層名が標準仕様に適合していないという違反と画層のプロパティが標準仕様に適合していないという違反)が含まれていた場合、最初に見つかった違反が表示されます。標準仕様に適合しない画層に存在する他の違反は評価されず、表示もされません。他の違反を調べるには、CHECKSTANDARDS コマンドを再度実行する必要があります。

複数の図面を確認する

バッチ標準チェッカーを使用して複数の図面を分析し、標準仕様違反を HTML 形式のレポートにまとめることができます。バッチ標準チェッカーで監査を実行するには、まず標準仕様チェック(CHX)ファイルを作成する必要があります。CHX ファイルは設定とレポートを格納するファイルで、図面のリスト、標準仕様ファイル、標準仕様確認レポートが保存されます。

既定では、各図面は関連付けられている標準仕様ファイルと照合されます。また、既定のファイルではなく、別の標準仕様ファイルのセットを選択することもできます。

バッチ標準仕様監査が完了すると、監査の詳細を示す HTML 形式のレポートを表示できます。また、HTML 形式のレポートに含めるコメントを作成することもできます。このレポートを書き出したり印刷することもできます。共同作業環境では、各作成者が各自の担当箇所の問題を修正できるように、そのレポートを各作成者に配布することができます。

図面で作業中に標準仕様違反通知機能を使用する

[CAD 標準仕様の設定]ダイアログ ボックスやシステム変数 STANDARDSVIOLATION を使用して、通知オプションを設定できます。ダイアログ ボックスで[標準仕様違反に対して警告を表示]チェックボックスをオンにすると、作業中に違反が発生した場合に警告が表示されます。[標準仕様のステータス バー アイコンを表示]チェックボックスをオンにすると、標準仕様ファイルに関連付けられているファイルを開いた場合や、標準仕様に適合しないオブジェクトが作成または修正された場合に、アイコンが表示されます。

既定では、関連付けられている標準仕様ファイルが存在しない場合や作業中に違反が発生した場合、アプリケーション ウィンドウの右下コーナー(ステータス バー トレイ)にポップアップ メッセージが表示されます。

通知オプションを使用する前に、[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスを使用して図面に標準仕様違反があるかどうかを確認する必要があります。これにより、以前のセッションから引き継がれた通知は表示されなくなります。図面を確認して修正すると、新しい違反が発生した場合に限り、警告が表示されます。

名前の付いたオブジェクトの警告を表示する

[標準仕様違反に対して警告を表示]チェックボックスをオンにすると、名前の付いたオブジェクト(線種、文字スタイル、画層、寸法)を作成または編集した場合に限り、違反が通知されます。名前の付いたオブジェクトに影響しない標準仕様違反によって通知警告が表示されることはありません。また、[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスで名前の付いたオブジェクトを無視するように設定した場合、名前の付いたオブジェクトが標準仕様に適合していない場合でも、通知警告は表示されません。標準仕様に適合していない名前の付いたオブジェクトを変更した場合は(標準仕様に適合しない画層を現在値に設定した場合など)、通知警告が表示されます。

警告が表示された場合、違反を修正するかどうかを選択できます。違反の修正を選択すると、[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスが開きます。ダイアログ ボックスが既に開いている場合は、発生した具体的な違反がダイアログ ボックスに表示されます。最新の標準仕様違反に対応してから、[標準仕様を確認]ダイアログ ボックスで行っていた作業を再開することができます。警告時に違反を修正しない場合は、[修正しない]をクリックして警告を閉じます。

1 つ以上の標準仕様ファイルが関連付けられている図面を開くと、ステータス バーに[関連付けられた標準仕様ファイル]アイコンが表示されます。関連付けられている標準仕様ファイルが存在しない場合は、ステータス バーに[見つからない標準仕様ファイル]アイコンが表示されます。[見つからない標準仕様ファイル]アイコンをクリックして、標準仕様ファイルが存在しないという問題を解決するか標準仕様ファイルの関連付けを解除すると、[見つからない標準仕様ファイル]アイコンが消えて[関連付けられた標準仕様ファイル]アイコンが表示されます。

注: [標準仕様を確認]ダイアログ ボックスで[標準仕様違反に対して警告を表示]チェックボックスをオンにしている場合は、通知された違反を修正すると、中断した修正作業を続行できます。[標準仕様のステータス バー アイコンを表示]チェックボックスをオンにしており、アイコンをクリックして違反を修正した場合は、標準仕様の修正作業の最初に戻る必要があります。