適切なカラー管理により、見栄えの良いイメージのライティングとレンダリングが簡単になります。カラー管理の目的は、異なるデバイス間でカラーを正確に再現できるようにすることですが、課題はデバイスによって色域、輝度、および表示条件が異なることです。シーンのカラー管理を設定すると、3D コンテンツの作成に関連するさまざまなカラース ペース間でカラーが自動的に変換されます。
3ds Max には、カラー管理のための 2 つのシステムがあります。
- OCIO ベース モードは、多くのコンテンツの作成、編集、フィニッシング アプリケーションに統合された、業界標準のオープンソースのカラー管理ソリューションである OpenColorIO に基づいています。設定ファイルを使用して、入力、レンダリング、表示、出力に使用できるカラー スペースを定義し、これらのスペース間の変換を自動化します。3ds Max の既定の設定は、ACES (アカデミー カラー エンコーディング システム)に基づいています。カスタム設定を代わりに使用することもできます。
- ガンマ ワークフローは、3ds Max 2023 以前のバージョンと同じ方法でカラーを処理します。ビューポートでは、テクスチャとして使用されるカラー イメージからガンマ(通常は sRGB ガンマに近い 2.2)が削除され、シーンがハードウェアでレンダリングされ、ガンマが再適用されて表示されます。Arnold などのオフライン レンダリングでは、プロセスは非常に似ていますが、ガンマが再び適用されるのは低ダイナミック範囲のファイル形式(チャネルごとに 8 ビットまたは 16 ビット整数)に保存する場合のみです。これは一般的なワークフローですが、理想的ではありません。sRGB 色域はデジタル シネマやスキャンしたフィルム プレートに比べて非常に限られており、追加ライトなどのテクニックを使用しなければ、ハイライトとシャドウのバランスを取って快適なライティングを実現することも難しくなります。
カラー管理は、[カラー管理設定](Color Management Settings)ダイアログ ボックスで設定します。これはシーンまたはプロジェクトの開始時に行うのが最適です。そうしないと、シーン内のライティングを修正して、カラー サンプルを微調整する必要が生じることがあります。