有限要素法は、実際の対象を膨大な数(数千から数十万個)の要素(小さな四面体や立方体など)に分解すること(メッシュと呼ばれる)により動作します。各要素の挙動を予測する数学方程式を設定します。完全なパーツまたはアセンブリの動作を予測するために、コンピュータによって、個別の要素の動作がすべて組み合わされます。
サーフェス メッシュの品質と、ソリッド要素の形状は、シミュレーション結果の精度に影響を与えます。また、メッシュの密度(単位体積あたりの要素数)も結果の精度に影響を与えます。メッシュの収束技法を通して結果の精度を最大にするため、メッシュの品質、およびローカル メッシュ リファインメントに注意を払ってください。
Autodesk Fusion には、自動メッシュ生成機能と、メッシュ サイズやメッシュ品質、要素順序などのオプションに関するグローバル設定およびローカル設定が用意されています。
優れたメッシュは、精度と計算時間のバランスを取ります。品質の高いメッシュは、迅速に収束されます。また、精度の高い結果を生成し、エラーが一切発生しません。メッシュ化プロセスは、適切なメッシュ設定の指定がその大半を占めます。
Fusion では、解析を実行する前に、ジオメトリが要素と呼ばれる小さな単位に分割されます。要素の角を節点と呼びます。計算は、節点で実行されます。また、要素のエッジに沿った中間点に節点が含まれることがあります。これらの要素と節点でメッシュが構成されます。
解析の精度はメッシュの品質に依存します。Fusion はメッシュ作成プロセスの多くを自動化し、シミュレーションに適したメッシュの作成を支援します。
節点は、自由度(DOF)が定義される空間内の座標位置です。構造解析の場合、自由度は、構造への荷重が原因で生じる点の移動の可能性を表します。材料のひずみは、節点の相対的な運動によって決まり、応力は、ひずみと材料のプロパティに基づいて計算されます。熱解析の場合、各節点の温度が唯一の自由度になります。そして、温度分布と材料の熱伝導率に基づいて熱流束が決まります。また、DOF は、ある要素から次の要素にどの力およびモーメントが伝達されるかにも影響します。有限要素解析(変位、応力、温度、熱流束率)の結果は、節点に示されます。
実際は、点は 6 つの異なる方向に移動します。すなわち X、Y、Z への平行移動と、X、Y、Z を中心にした回転です。FEA では、さまざまな理由から、節点は計算済みの運動に制限することができます。たとえば、2D 要素上で面外平行移動を計算する必要はありません。節点を面外に移動できる場合は 2D 要素ではありません。また、節点の回転はソリッド要素では考慮されません。ソリッド要素内の変形はすべて、節点の移動のみの結果となります。ただし、平面要素と線分要素では、通常は回転自由度がサポートされます。
節点の自由度は、どのようなタイプの力、制約、または熱流が節点から要素に伝達されるかを扱うものです。力(軸またはせん断)は平行移動自由度に相当します。これは、要素の剛性によって、節点が特定の荷重を受けたときにどれだけの距離を移動するのかが決まるためです。モーメントは回転自由度に相当します。このため、特定の軸を中心にしたモーメントを伝達するには、節点に軸を中心にした回転 DOF がなければなりません。節点にその回転 DOF がない場合は、節点にモーメントを適用しても解析に影響はありません。同様に、回転境界条件で節点を制限しても、その節点にモーメントを伝達する能力がなければ効果はありません。
要素は、有限要素解析の基本的な構築ブロックです。モデルや解析タイプによって、さまざまな要素タイプとその使用法があります。現在、Fusion のソリッド要素はすべて 4 面体です(それぞれ、4 つの 3 角形の面と 6 つのエッジで構成されています)。線形 4 面体の要素には、4 つの節点があります。放物線 4 面体の要素では、各エッジに沿って中間の節点が追加されます。その結果、要素あたりの節点は合計 10 個になります。放物線 4 面体の要素には、曲線エッジありと曲線エッジなしの 2 つのバリエーションがあります。
表 1: 4 面体の要素のバリエーション。
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線形 4 面体 | 放物線 4 面体 | 曲線エッジのある放物線 4 面体 |
(4 節点) | (10 節点) | (10 節点) |
要素は、ある節点の自由度が次の節点にどのように関連するかを定義する数学的関係です。また、この数学的関係によって、どのようにして変位から応力が生じるのかが定義されます。