CAD のモデリング プロセスでは、特定モデルの整合性要件が満たされないことがあるだけでなく、欠陥が通知されないこともあります。整合性エラーには、CAD の視点では見落としされがちな小さなギャップ、サーフェス スリバー、サーフェスの重なりなどがあります。ただし、メッシュの作成では、問題になる場合があります。メッシュを正常に作成できるようにするため、[シミュレーション]の[単純化]でモデルのクリーン アップや単純化を行ったり、メッシュ作成パラメータを調整できるようになっています。
[シミュレーション]の[単純化]でモデルをクリーン アップしたり単純化することで、シミュレーションの処理効率を向上できます。
次に例を示します。
大きなアセンブリでは、シミュレーション結果にあまり影響しないパーツが数多く含まれている可能性があります。おそらく、大きな荷重が加えられることもなく、構造設計や温度設計の整合性についても重要ではないパーツが存在するはずです。このようなパーツは省略することをお勧めします。省略するとメッシュ作成プロセスが簡単になり、シミュレーションの処理時間が短くなります。
モデル全体の寸法に比べて極端に小さなパーツは、シミュレーション結果にさほど影響しないため省略可能です。小さなフィーチャには次のようなものがあります。
直径が、パーツの長さの 1/100 に満たないきわめて小さな穴
外側に凸形の丸みがあり、半径が小さい角
ラベルのインプリントおよびエンボス フィーチャ(パーツ番号やナーリングなど)
小さな突起(タイミング マークなど)。
重要*: これらのフィーチャを省略することで、メッシュの処理が単純化されるとともに、シミュレーション時間も短縮されます。ただし、小さなフィーチャによって臨界応力領域で応力集中効果が生じる可能性がある場合は注意する必要があります。
ジオメトリ フィーチャを作成し直すか変更して、狭く薄いサーフェス、非常に短いエッジ、エッジ間の非常に狭いギャップなどを削除します。この手順によってジオメトリの品質が向上し、メッシュ生成プロセスが単純化されます。
モデルが複雑すぎたり、モデル内にボリュームが非常に大きいためソリッド メッシュの作成が困難なパーツが含まれている場合もあります。この場合、モデルを分割して、個別にメッシュ生成できる程度にまで複雑さを軽減します。これらのサブコンポーネント間では結合接触を使用して、複数のサブコンポーネントを 1 つのパーツとして動作するようにします。
CAD モデルに、曲線エッジやスプラインのような数学的オブジェクトが定義されていない点がある場合があります。このような未定義の点はジオメトリ上の特異性と呼ばれます。例としては、不正に定義された接点や自己交差する曲線などがあります。特異性はメッシュの作成時に問題となる可能性がありますが、パーツを分割したり、サーフェスを分割したり、CAD ジオメトリを変更することで修正できます。
ばねや同様のらせん構造のモデルでは、長いらせん面を分割すると適切にメッシュを作成できるようになります。らせん軸がある切断面を使用します。同様に、複雑な曲面サーフェス(スイープ スプラインなど)や球体では、サーフェスをより小さいサブサーフェスに分割すると適切にメッシュを作成できるようになります。
適切なメッシュ作成パラメータ(オプションと値)を使用して、許容可能なメッシュを作成します。
次に例を示します。