これまでのセクションでは、通常の解析の設定方法および実行方法について説明してきました。通常の解析の場合、すべての入力値が解析の実行前の時点で既知であるか仮定され、1 つの解析結果が得られます。モデルの既知の特性を入力し、解析を実行します。解析結果に基づいて、入力値を変更して応力を妥当なレベルに下げるか、重量を減少することができます(前者の場合はより大きな安全率、後者の場合はより小さな安全率を取得できます)。妥当な設計に到達するまで、複数回にわたる反復が必要になる場合もあります。
設計最適化は、このような反復法による解析結果の取得プロセスを自動化するスタンドアロン プログラムです。設計最適化では、目標(応力やたわみの最小化など)と拘束(板の厚さや総重量など)に基づいて、反復法を実行して最適な設計を特定します。設計最適化解析の結果は、設計変数が最適値に設定された新しいモデル、(すべての応力解析と同様の)最適化されたモデルの解析結果、および最適化の履歴を表示するグラフです。
設計スタディは、設計最適化解析と似ていますが、グラフのみを作成します。このグラフは、設計変数が変更されるたびに設計目標にどのような影響が生じるかを示します。
このドキュメントの残りの部分では、特に指定がない限り、最適化とスタディの両方の設計最適化について説明します。
設計最適化および設計スタディの機能を次に示します。
- 解析タイプ:
- 線形材料による静解析
- 固有値解析
- 非線形材料による MES 解析
- 非線形材料による静解析
- Riks 解析
- 非線形材料による固有値解析
- 設計変数:
- プレート/シェル 要素の厚さ
- 膜要素の厚さ(MES/非線形応力解析のみ)
- ビーム要素の断面寸法(断面ライブラリから入力)
- 設計変数ごとの連続値または離散値
- 目的関数
- 体積
- 最大応力(フォンミーゼスまたはビームの最悪の応力)
- 変位の大きさ
- 周波数
- 拘束:
解析の一般的な設定方法および実行方法を次に示します。
- 通常と同様に完全なモデルを作成します。
- 設計変数の妥当な値を入力します。ビーム要素および非線形シェル要素の値の入力時に、フィールドを右クリックして[設計変数として設定]を選択します。フィールドの横に
記号が表示されます。線形プレート要素の場合、[設計変数]列にチェック ボックスが表示され、プレートの厚さが設計変数であることを示します。
- 解析を実行します。必ずしも厳密に実行する必要はありませんが、設計最適化の入力の現実的なシード値(初期値)が得られるレベルで実行することをお勧めします。
- [解析]
[解析]
[最適化]を選択して、[設計最適化]ダイアログ ボックスを開きます。
- 各設計変数の下限値と上限値を指定します。詳細については、「設計変数」を参照してください。
- 解析の目的関数および拘束を指定します。詳細については、「目標および拘束」を参照してください。
- 解法パラメータを指定します。詳細については、「解法パラメータ」を参照してください。
- 設計スタディまたは設計最適化を実行します。詳細については、「解析を実行する」を参照してください。
- 結果を確認します。詳細については、「結果を確認する」を参照してください。
- 設計スタディの結果は、設計変数に対する設計目標の感度を示す一連のグラフで構成されます。
- 設計最適化の結果は、各設計目標の一連の最適化履歴グラフ、および最適化された設計の完全な FEA モデルと解析結果で構成されます。これらは、結果環境で表示することができます。
ヒント: [解析]
[解析]
[最適化]を選択した場合、設計最適化のインタフェースで使用される単位系はアクティブな表示単位系に基づきます。[設計最適化]ダイアログ ボックスを開いているときに、Autodesk Simulation で表示単位系を変更しても、設計最適化には反映されません。