多くのプログラミング言語とは異なり、AutoLISP ではコンパイル時にタイプ ライブラリをロードするのではなく、実行時にロードします。
vlax-import-type-library 関数を使用してタイプ ライブラリを読み込みます。タイプ ライブラリを読み込むと、AutoCAD は、アプリケーションのメソッドとプロパティにアクセスできるラッパー関数セットを作成します。vl-load-com 関数は、AutoCAD タイプ ライブラリをロードし、それが vla- で公開する関数をラップするヘルパー関数です。
vlax-import-type-library 関数を呼び出すときは、タイプ ライブラリを指定し、アプリケーションのメソッドやプロパティに対するラッパー関数の名前に使用する接頭語を AutoCAD に指示しなければなりません。また、アプリケーションの定数の接頭語も指定します。vlax‑import‑type‑library 関数の構文は、次のとおりです。
(vlax-import-type-library :tlb-filename filename [ :methods-prefix mprefix :properties-prefix pprefix :constants-prefix cprefix])
引数 filename は、タイプ ライブラリの名前を指定する文字列です。パスを指定しないと、AutoCAD は[サポート ファイルの検索パス]内のファイルを検索します。
引数 mprefix には、メソッドのラッパー関数で使用する接頭語を指定します。たとえば、タイプ ライブラリに Calculate メソッドが含まれている場合に mprefix パラメータに "cc-" と指定すると、AutoCAD は cc-Calculate というラッパー関数を作成します。このパラメータの既定は、"" です。
引数 pprefix にはプロパティのラッパー関数で使用する接頭語を指定し、引数 cprefix にはタイプ ライブラリに含まれている定数で使用する接頭語を指定します。これらのパラメータの既定は、"" です。
タイプ ライブラリを読み込むと、Visual LISP の該当機能を使用して、読み込み結果から ActiveX ラッパー関数をリストできます。たとえば、Microsoft Word のすべての ActiveX メソッドをリストするには、[該当オプション]ダイアログ ボックスで mswm と入力してから[先頭の文字で検索]オプションを選択します。アプリケーションのタイプ ライブラリを読み込むと、アプリケーションのプロパティやメソッドに対して該当機能のような Visual LISP の機能を使用できるようになります。ただし、アプリケーションのタイプ ライブラリを読み込まなくても、アプリケーションにアクセスすることができます。
vlax-import-type-library 関数を使用するときは、次のことをお勧めします。
次のコードは、Microsoft Word のタイプ ライブラリを読み込み、メソッドに接頭語 mswm- を、プロパティに mswp- を、定数に mswc- を割り当てています。
(if (equal nil mswc-wd140Words) ; check for a Word constant (vlax-import-type-library :tlb-filename " C:/Program Files/Microsoft Office/Office14/msword.olb" :methods-prefix "mswm-" :properties-prefix "mswp-" :constants-prefix "mswc-" ) )