AutoCAD Electrical のレポートはたいへん柔軟で、手動または自動で実行できます。AutoCAD Electrical は、複数のフィールドをそれぞれのレポート タイプに抽出します。それぞれのレポートは、さまざまな情報のフィールドを含みます。レポートの実行時には、表示するフィールドと表示しないフィールドを選択できます。また、[ユーザ定義の属性リスト]ツールを使用して、ユーザ定義属性のサポート ファイル(.wda)を作成することで、独自のフィールドを追加することができます。ユーザ定義の属性ファイルにリストされたすべての属性は、各レポートに使用可能なフィールドとして追加されます。フィールドのデータ列の一部を抜き除き、使いやすいように別の形のレポートを作成できます。たとえば、コンポーネント レポートを実行し、TAGNAME、DESC1、DESC2、および DESC3 フィールド列を除くすべてのデータを取り除くと、注意書きプレートのレポートになります。必要なレポートがない場合は、AutoCAD Electrical の柔軟性を活用して、独自にレポートを作成することができます。
ほぼすべての AutoCAD Electrical レポートに共通する機能がいくつかあります。ロケーション値/装置値別に抽出する機能、レポートの編集、レポート書式の変更、独自のプログラムによるレポートの前処理/後処理、レポートをファイルに保存する機能、レポートの印刷、およびレポートを表形式にして図面上に配置する機能です。
AutoCAD Electrical では、多くの回路図レポートおよびパネル レポートが用意されています。レポートは、[レポート ジェネレータ]ダイアログ ボックスを使用して形式を指定するか、形式ファイル(.set ファイル)を使用してあらかじめ形式を指定することができます。
Microsoft Excel のレポート テンプレート wd_template.xls と wd_template_w_macro.xls を修正してレポートの表示内容を必要に応じて調整すると、レポートを実行するたびに出力レポートを手動で修正する必要がなくなります。テンプレートを修正して保存すると、テンプレート ファイルを開いたときに向きが縦ではなく横になるようにすることができます。レポートを実行して、Excel ファイルに保存します。Excel ファイルを開くと、ファイルは横向きに開きます。
レポートを生成すると、[レポート ジェネレータ]ダイアログ ボックスの[図面に配置]をクリックして、1 つまたは複数の図面にレポートを配置できます。これにより[表作成の設定]ダイアログ ボックスが表示され、表の外観の形式を設定するオプションを選択できます。
レポート表は挿入後も更新することができ、毎回設定する手間を省けます。レポート表を挿入する場合、その表がどのレポート用のものなのか AutoCAD Electrical が識別できるように、表オブジェクトに情報が追加されます。レポート表を一意にする項目は 3 つあります。
レポートが実行され、これらの 3 つの項目に一致する表が存在する場合は、新しいレポート表を挿入せずに、既存の表オブジェクトを現在の情報に更新します。
更新不可のレポート表を挿入する場合は、[新規に挿入(更新不可)]を選択します。これにより、情報のないレポート表が挿入され、同じレポートを再度実行しても、表は更新されません。
レポートを複数の表に分割したい場合があります。これは、[テーブルの生成]ダイアログ ボックスから行えます。レポートを何度も実行したり、[図面に配置]を何度もクリックする必要はありません。セクションごとの行数を指定することで、レポート表を分割できます。部品表の説明など、レポート内のエントリに複数行のテキストが含まれる場合は、テキストのそれぞれの行が 1 行とみなされます。複数行のエントリの途中で表が分割されることはありませんが、エントリ全体が次のセクションに移動されます。
また、レポートのフィールドに基づいて、レポートを複数のセクションに分割することもできます。この操作は、[レポート ジェネレータ]ダイアログ ボックスで選択しておく必要があります。各レポートで、さまざまな[特殊ブレーク]が使用できます。[特殊ブレーク]を選択し、[図面に配置]をクリックすると、[表作成の設定]ダイアログ ボックスで[特殊ブレークを適用]オプションが使用できるようになります。このオプションによって、[特殊ブレーク]に基づいて、各セクションの表オブジェクトが挿入されます。この複数の表オブジェクトを(更新可能として挿入した場合)、AutoCAD Electrical は 1 つのレポート表とみなすので、AutoCAD Electrical の[コンポーネントを編集]コマンドを使用して更新および編集できます。
レポート表を複数の図面に分割する
レポートのスコープが、アクティブな図面ではなくプロジェクトに設定されている場合は、レポート表を複数の図面に分割できます。[表作成の設定]ダイアログ ボックスで前述のブレークを定義すると、各図面に配置する表セクション数を定義できます。[図面のセクション]の値の指定を省略すると、1 つの図面上のセクション数が無制限になり、他の図面にはセクションは配置されません。[図面のセクション]に値を入力すると、その値に達したときに、他の図面にセクションが配置されます。新しい図面を選択した場合は、その図面のフォルダと名前を入力できます。図面が生成されると、その図面は AutoCAD Electrical のプロジェクトに追加されます。この複数の表オブジェクトを(更新可能として挿入した場合)、AutoCAD Electrical は 1 つのレポート表とみなすので、AutoCAD Electrical の[コンポーネントを編集]コマンドを使用して更新および編集できます。
ワイルドカードで指定した装置コードやロケーション コードに基づいて、レポートをフィルタリングできます。たとえば、顧客が指定したすべての回路図コンポーネントおよびロケーション コードが “CUST” の既存の装置をマーキングする場合、ロケーション コードを使用してレポートにフィルタを適用できます。顧客が指定した項目のみのレポート(部品表レポートなど)を実行するには、[コード指定]を選択し、[ロケーション コード]にロケーション コードとして “CUST” と入力して、レポートのダイアログ ボックスのセクションを抽出し、[OK]をクリックします。
顧客が指定していないコンポーネントすべてのレポートを実行することもできます。これを行うには、レポートのダイアログ ボックスの[ロケーション コード]編集ボックスで、使用されているすべてのロケーション コードをカンマで区切って入力するか、またはレポートのダイアログ ボックスでロケーション コードとして “~CUST” と入力します。ティルダ(~)接頭辞を付けると、ロケーション コード “CUST” が付いているコンポーネント以外のすべてがレポートに表示されます。
AutoLisp でサポートされるワイルドカード文字は次のとおりです。
文字 | 定義 |
---|---|
#(ポンド) |
任意の 1 桁の数字に一致します。 |
@(アットマーク) |
任意のアルファベット 1 文字に一致します。 |
. (ピリオド) |
アルファベット以外の任意の 1 文字に一致します。 |
*(アスタリスク) |
空白文字を含むすべての文字列シーケンスと一致し、検索パターンのどこにでも(最初、中間、終わり)使用できます。 |
? (疑問符) |
任意の 1 文字に一致します。 |
~(ティルダ) |
これがパターンの 1 文字目の場合、パターンを除くすべてに一致します。 |
[...] |
括弧内の文字のうちいずれか 1 つに一致します。 |
[~...] |
括弧内に含まれない任意の 1 文字に一致します。 |
-(ハイフン) |
括弧内で使用されると、1 文字の範囲を指定します。 |
,(カンマ) |
2 つのパターンを区切ります。 |
‘(逆向き引用符) |
特殊文字をエスケープします(実際には、次の文字を読みます)。 |