ライフサイクル定義は、オブジェクトが設計プロセスのどの段階にあるかに基づいて、セキュリティ、動作、およびプロパティを Vault のオブジェクトに自動的に割り当てるよう設定できるエンジンです。この機能を使用すると、ファイルのグループ、カスタム オブジェクト、またはプロジェクト全体の管理に伴うオーバーヘッドが解消され、作業環境を合理化できます。
ライフサイクル定義では、ライフサイクルにおけるオブジェクトの状態を使用してステータスを特定します。ステータスの例として、作業中、レビュー用、リリース済などがあります。オブジェクトは、ライフサイクル定義の変更ルールに基づいて特定のステータスから別のステータスに移行します。ステータス変更が手動または自動(またはその両方)で発生する可能性がある場合は、これらの変更ルールで、管理者が定義した条件に基づいてステータス変更が発生するタイミングを決定します。また、ライフサイクル定義では、ステータス変更に基づいて他の自動動作が発生するかを決定します。
たとえば、作業中ステータスからレビュー ステータスに移行するときに、ファイルのリビジョンを自動的に行うようライフサイクル定義を設定することができます。あるいは、ユーザがフォルダのステータスを廃番に変更する場合、管理者以外はフォルダやコンテンツを修正または復元できないようライフサイクル定義でフォルダにセキュリティ設定を自動的に適用することができます。
ライフサイクルは、ファイル、プロジェクト フォルダ、アイテム、およびカスタム オブジェクトで使用することができます。
製品の使用開始時にすぐに利用できるライフサイクル定義が付属しています。これらのライフサイクル定義を使用すると、管理者は Vault コンテンツに定義を割り当てる際に定義を作成する必要がなくなります。
ライフサイクル定義 |
説明 |
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基本リリース プロセス |
リリース管理のための基本製造ライフサイクル プロセス。この定義は、ほとんどの製造プロジェクト関連のコンテンツで使用できます。 |
アイテムのリリース プロセス(Vault 2015 R2 のみ) |
注: このライフサイクル定義は、Vault 2015 R2 でのみ使用できます。
リリース管理のための基本アイテム ライフサイクル プロセス。この定義は、すべてのアイテムで使用でき、次のステータスがあります。
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柔軟なリリース プロセス |
リリース管理のための柔軟な製造ライフサイクル プロセス。この定義は、リリース データを編集する場合のクイック変更ステータスに加えて、すべての基本リリース処理のステータスを含めることができます。 |
リードタイムの長いリリース処理 |
リードタイムの長い製造プロジェクトに最適です。この定義には、プレリリース ステータスが含まれます。プレリリース ステータスとは、プロジェクト データは製造工程に送信済みだが、ステータスはまだ変更中であることを示します。 |
変更管理によるリードタイムの長いリリース処理 |
変更管理によって指示された、リードタイムの長い製造プロジェクトに最適です。この定義には、作業中ステータス、レビュー ステータス、およびプレリリース ステータスがあります。プレリリース ステータスは、ファイルは製造工程に送信済みだが、ステータスはまだ変更中であることを示します。ファイルの変更管理がこれ以上ない場合は、リリース済みステータスに移行します。そこから、ファイルはクイック変更でプレリリース ステータスに戻ることができます。 |
<なし> |
この定義では、すべてのカテゴリで NULL 定義を割り当てられます。NULL 定義が割り当てられると、ライフサイクル定義を適用せずに、カテゴリの動作のみが保持されます。 |
単純なリリース プロセス |
さまざまなプロジェクト データのタイプに対応する一般的なライフサイクル プロセス。この定義には、[作業中]ステータスおよび[リリース済]ステータスがあります。 |
ライフサイクル定義は、[Vault 設定]ダイアログ ボックスの[動作]タブで指定します。