レイトレース マテリアル

レイトレース マテリアルは、拡張されたサーフェスシェーディング マテリアルです。標準マテリアルと同様に、拡散反射光サーフェス シェーディングをサポートしています。また、完全にレイトレースされた反射と屈折を作成することもできます。フォグ、カラー密度、半透明蛍光、その他特殊効果もサポートしています。

レイトレース マテリアルを使用した互いに反射し合うボール

レイトレース マテリアルで生成される反射と屈折は、反射/屈折マップで生成されるものよりも正確です。レイトレースされたオブジェクトは、反射/屈折を使用する場合よりもレンダリングに時間がかかることがあります。しかし、レイトレースは 3ds Max シーンのレンダリング向けに最適化されています。特定のオブジェクトをレイトレースから削除して、シーンに対してさらに最適化することもできます。

注: 標準マテリアルで精度の高いレイトレースされた反射や屈折が必要な場合は、レイトレース マップを使用します。レイトレース マップとマテリアルはグローバル パラメータ設定を共有します。
重要: レイトレース マップとレイトレース マテリアルではサーフェスの法線を使用して、サーフェスに向かう光線か、出ていく光線かを決めます。オブジェクトの法線を反転すると、予想外の結果が生じることがあります。マテリアルを両面にしても、標準マテリアルの反射および屈折の場合のようには問題は修正されません。

場合によっては、レイトレース マテリアルの[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウトの色が、標準マテリアルの色と異なる動作をすることがあります。標準マテリアルには、プラスチックやセラミックのように模様がなく反射しないオブジェクトのレンダリングに適した拡散反射光シェーディング モデルがあります。実際には、このモデルではオブジェクトに色を適用します。一方、レイトレース マテリアルのカラー コンポーネントでは、対応する自然界の物質をモデルにしようとします。

レイトレース マテリアルでは、サーフェスは拡散反射光カラー コンポーネントを反射しても鏡面反射しませんが、反射カラー コンポーネントでは鏡面反射の量が制御されます。この 2 つのマテリアル コンポーネントは一緒に重なっています。得られる結果はレイヤ効果によって異なります。たとえば、マテリアルが不透明で、完全に反射性の場合、拡散反射光カラーは表示されません。マテリアルが不透明で反射性がない場合は、拡散反射光カラーだけが表示されます。

レイトレース マテリアルには、多くのコントロールを備えた大きなユーザ インタフェースが用意されています。通常、[レイトレース](Raytrace)で反射と屈折を作成するには、[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウトのコントロールによる調整で十分です。[レイトレース](Raytrace)の[拡張パラメータ](Extended Parameters)ロールアウトには特殊効果のコントロールがあります。[レイトレース コントロール](Raytracer Controls)ロールアウトはレイトレースそのものに反映されます。[レイトレース コントロール](Raytracer Controls)で、レイトレースやその他のオプションを切り替えます。[レイトレーサ グローバル パラメータ](Raytracer Global Parameters)ロールアウト ([レンダリング](Rendering) [レイトレース グローバル](Raytrace Globals))を使用して、反復深度を含むオプションをグローバルに(シーン内のすべてのレイトレース マテリアルとマップに)設定します。