スキンされたキャラクタで作業している場合、キャラクタが特定のポーズのときのスキン デフォメーションの問題を修正するために特殊なシェイプが必要になることがよくあります。デフォメーションの問題は通常、肩、脇の下、膝、鼠径部などのキャラクタの関節部位で発生します。
ポーズ エディタ(Pose Editor) を使用すると、ポーズの空間デフォメーション(PSD)と呼ばれるテクニックでこれらの問題を修正できます。まず最初に、選択したジョイントのポーズ補間ノードを作成し、各ノードに異なるポーズを含めます。各ポーズについて、スキン デフォメーションの問題があるキャラクタのジョイントを回転または移動し、関連付けられた補正ブレンド シェイプ(ポーズ シェイプと呼ばれる)を作成または使用して問題を修正します。これらのブレンド シェイプはその後、キャラクタのジョイントがそのポーズになったときに常に自動的に使用されます。ポーズに対して好きなように各シェイプの強さ(ウェイト)を設定し、お互いとスキン メッシュの間で補間させることができます。
ポーズの空間デフォメーションの作業に関するヒント
補正ポーズ シェイプを作成する場合、最初にすべての極端なポーズのシェイプを構築し、次に、必要なところにインビトウィーン ポーズ シェイプを追加することをお勧めします。
しかし、このワークフローを簡略化して、「都度」シェイプを作成する場合、追加する各ポーズのウェイト値が増加するという問題が発生する可能性があります。この問題を回避するには、特定のポーズを選択し、ポーズ エディタ(Pose Editor) の高度な設定(Advanced Settings)パネルにある独立(Independent) オプションをアクティブ化します(このパネルを表示するには、ポーズ エディタ(Pose Editor)でを選択するか、そこでポーズ(Pose)の名前を右クリックし、高度な設定を表示(Show Advanced Settings) を選択します)。ポーズが独立している場合、他のポーズを使用した正規化計算から除去されるので、その回転や移動の減衰だけで調整できます。
スキンされたキャラクタに基本的なポーズの空間デフォメーションを作成するには、このビデオを参照するか、以下の手順に従います。
動画を視聴するにはJavaScript を有効にしてください。
キャラクタに関連付けられた補正シェイプを備えたポーズを作成するには
修正するデフォメーションがあるスキン領域に対応するキャラクタのジョイントを選択します。これが、シェイプのニュートラル ポーズになります。
新しいポーズ補間(Pose Interpolator)を作成するには、次のいずれかの操作を行います。
モデリング(Modeling)、リギング(Rigging)、またはアニメーション(Animation)のメニュー セットで、を選択します。
ポーズ エディタ(Pose Editor) を開き、ポーズ補間を作成(Create Pose Interpolator) ボタンをクリックするか、 > を選択します。
ポーズ補間を作成(Create Pose Interpolator) ボタンをクリックした場合、ニュートラル ポーズが自動的に作成されます。
> を選択した場合、ニュートラル ポーズを追加(Add Neutral Poses) オプション(既定値)を選択するかどうかを決定できます。最良の結果を得るには、このオプションを選択します。ニュートラル ポーズを追加することにより、ジョイントがこのニュートラル ポーズにある場合でも、ポーズ補間ノードに追加された別のポーズがアクティブ化されないようにできるからです。
新しいノードがポーズ エディタ(Pose Editor) のポーズ補間(Pose Interpolators) パネルに表示されます。既定では、この名前は「_poseInterpolator」というサフィックスが付いたジョイント名になります。
このノードを選択して、ノードの既定のポーズを右側のポーズ(Pose)パネルに表示します。3 つのニュートラル ポーズのみが最初に表示されます。
関連付けられた補正シェイプを備えたポーズを追加する位置にジョイントを回転または移動します。これが、シェイプを追加する最初の極端なポーズになります。
ポーズ エディタ(Pose Editor)で、ポーズ補間(Pose Interpolator)ノードを選択し、ポーズを追加(Add Pose) ボタンをクリックするか、 > を選択して、現在の状態を新しいポーズとして追加します。
この新しいポーズにわかりやすい名前を付けます。既定の名前は driverName_rx_ry_rz で、driverName はジョイント名、rx/ry/rz はこのポーズでのジョイントの回転値です。
次に、このポーズのスキンのデフォメーションを修正または改善する必要があります。
ポーズを作成すると、すぐにメッシュを編集できるように編集(Edit) ボタンが自動的にアクティブ化されます。ポーズのウェイト値が 0 でないことを確認します(通常、1 が最適です)。
スカルプト ツール、またはトランスフォーム ツール(移動、回転、スケール)のいずれかを使用してスキンの頂点の位置を修正します。
各修正がスキンのオリジナル シェイプの頂点の位置に対するデルタになります。この特定の情報はそのポーズ シェイプに保存され、ポーズ補間ノードによりスキンのデフォメーションを計算するために使用されます。
注: カメラのタンブル ツール設定を開き、タンブル基準: タンブル ピボット(Tumble About: Tumble pivot) およびタンブル ピボットを自動的に設定します(Automatically set tumble pivot) のオプションをオンにします。これにより、最後の選択項目またはスカルプト ストロークに対してカメラのタンブル ピボットが自動的に調整されます。
このポーズのスキンの修正が完了したら、編集(Edit) ボタンをクリックしてこのモードを終了します。
次の極端なポーズに移ります。
キャラクタにポーズを設定するか、タイムラインで、スキンのメッシュが望ましくない方法で変形するフレーム、またはスキンのシェイプを変更するフレームに移動します。
前と同じように、ポーズを追加(Add Pose) ボタンをクリックするか、 > を選択して、現在の状態を新しいポーズとして追加します。
ポーズの編集(Edit) ボタンをクリックし、スカルプト ツールまたはトランスフォーム ツールを使用してスキンを修正し、作業が終わったら編集(Edit) ボタンをもう一度クリックしてこのモードを終了します。
影響を受けるジョイントを回転させて、ポーズ シェイプがスキンの残りの部分にどのようにブレンドされているかを確認します。ジョイントを回転させる際に、ポーズのウェイトは互いに対して正規化されます。保存されたポーズに対してジョイントの回転がどの程度近いかに応じて、ポーズのウェイト値が 0 (ウェイトなし)から 1 (最大ウェイト)の値で更新されます。
パネルでポーズをダブルクリックするか、ポーズを右クリックしてポーズに移動(Go To Pose) を選択することで、すばやくそのポーズに戻ります(100% のウェイト付けで適用されます)。たとえば、ニュートラル ポーズをダブルクリックした後に、作成したポーズをダブルクリックすると、キャラクタがそのポーズのときに補正シェイプがどのように自動的に適用されているかを確認できます。
このポーズの追加と編集のプロセスを繰り返して、キャラクタに必要なだけのポーズベースのシェイプを作成します。