ポーズの設定とアニメーション用にジョイントを設定するときに理解する必要のあるジョイント ノードのアトリビュートがいくつかあります。これらの設定を変更するには、シーン内のジョイントを選択し、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を使用してノードを編集します。
ジョイントの制限情報(Limit Information)アトリビュートでは、ジョイントの移動、回転、およびスケーリング値の最小値と最大値を指定します。特定の方法でジョイントを動作させる場合は、ジョイントの限界を設定することができます。
たとえば、人間のスケルトンのひじジョイントを作成する場合は、X 軸と Z 軸では回転できず、Y 軸で指定した量だけ回転できるように、回転の限度を設定する必要があります。あるいは、トランスフォーム チャネルをオフにするか、またはドリブン キーの設定(Set Driven Key)を使用して、オブジェクトのトランスフォームを制限することができます。「ドリブン キー」を参照してください。
インバース キネマティクス(IK)を使用してジョイントのポーズ設定を行う場合は、ジョイントの自由度を設定する必要があります。自由度(Degrees of freedom)ツールの設定は、IK によりポーズを設定してアニメートする場合に、ジョイントがどのローカル座標軸で回転できるかを指定します。ジョイント ノード アトリビュートのジョイント(Joint)セクションで、ジョイントの自由度を設定することができます。
IK によって影響を受けるジョイントのダンピングと固さを設定することができます。ダンピングと固さの値によって、IK ハンドルによるポーズ設定を行うときにジョイントがどのように動作するかを指定できます。
ジョイントのダンピングがある場合は、ジョイントが動作の限界に近づくと、ジョイントに抵抗が加わります。限界に達したときにジョイントが急停止するのではなく、ダンピングを使用して、ジョイントをスムーズに減速させることができます。ダンピングの強さと範囲の設定によっては、ダンピングを設定したジョイントは、無理に力を加えない限り、その限界まで達しません。ほとんどの生物は、関節の動きが限界に達する前に減速(減衰)する傾向があります。たとえば、肘を曲げるとき、一気に曲がるのではなく、前腕が上腕に近づくにつれて徐々に減速します。アニメーションの用語では、この効果のタイプをイーズインと呼びます。「ジョイントの回転制限のダンピング」も参照してください。
ジョイントの固さは、インバース キネマティクス(IK)によるポーズ設定時の回転に対するジョイントの抵抗を指定します。IK ハンドルで制御されるジョイント チェーンに属する特定のジョイントを他のジョイントよりも回転しづらくさせる場合にのみ、ジョイントの固さの値を設定します。
たとえば、人間のキャラクタの背中のジョイントの固さを設定して、背中の下部のジョイントよりも自由に回転する度合いを低くすることができます。固さの値を大きくすると、ジョイントが湾曲する度合いは小さくなります。別の例では、手首のジョイントは、左右の動きよりも前腕方向への曲がりの方が動きます。このため、前腕(多くの場合、Y 軸)に直交するプレーンに固さ(Stiffness)の値を設定して、プレーン内の可動性を低減できます。各軸(X、Y、Z)に対して、固さを個別に設定できます。
X、Y、Z 軸の固さ(Stiffness)のエフェクト値は、ジョイント チェーン内の他のジョイントに割り当てられた値の相対値で計算されます。たとえば、2 つのジョイントを含むジョイント チェーンで、固さ(Stiffness)の値が、joint1 は 1.0 で joint2 が 2.0 である場合、joint2 は joint1 の 2 倍の固さになります。固さ(Stiffness)を 0 に設定すると、固さは指定されません。一般的に、スケルトンの全ジョイントに対して、固さ(Stiffness)を 0 に設定します。
ジョイントの固さ(Stiffness)の値はジョイント チェーンのその他のすべてのジョイントの値と相対的なため、固さを機能させるにはジョイント チェーンのすべてのジョイントの固さ(Stiffness)の値を設定する必要があります。少なくとも 1 つのジョイントに固さ(Stiffness)を設定する場合、チェーンのその他のジョイントの固さ(Stiffness)の値も既定(0)以外になるように設定する必要があります。たとえば、ジョイント チェーンの全ジョイントに固さ(Stiffness)の値 1 を指定し、次に特に固さの値を高くするジョイントに対しては 2 (他のジョイントの 2 倍の固さ)または 3 (他のジョイントの 3 倍の固さ)を設定します。既定値 0 が設定されているジョイントがジョイント チェーンに存在すると、IK ポーズ中にジョイントが固定される可能性があります。
ジョイントのローカル座標軸の方向を設定して、キャラクタのスケルトンのシンメトリを維持することができます。たとえば、キャラクタの右腕のジョイント チェーンを作成した場合、そのジョイント チェーンをミラーリングして左腕のジョイント チェーンにコピーできます(ジョイント チェーンをミラーリングするを参照)。次に、ジョイントのローカル座標軸のいずれかをボーンに位置合わせして、ジョイント チェーンが下方を指すようにします。これにより、IK を適用したときにジョイント チェーンが適切に動作するようになります。
スケルトンでは、インバース キネマティクス(IK)によるポーズ設定において、各ジョイントの回転における優先回転角を設定します。スケルトンを構築するときは、IK の際、動作角度の方向に傾くようにジョイントを作成します。
たとえば、人間のキャラクタの脚のジョイント チェーンを作成する場合、ジョイント チェーンの曲がりが静止位置における手足の角度の曲がりを適切に表すようにジョイントを作成します。スケルトンの優先回転角を設定したポーズをレスト ポーズと呼びます。その後、脚のジョイント チェーンの 優先回転角(Preferred Angle) アトリビュートを設定すると、膝のジョイントの曲がりが IK ポーズ設定の優先回転角に設定されます。