グリッドへ流体プロパティをペイントする

流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を使用すると、値を流体グリッドの正確な位置に配置することができます。また、各ブラシ ストロークを使用して既存の値のスケーリング、スムージング、置き換えを行ったり、値を追加したりすることにより、既存の値を編集することもできます。流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)はアーティザン(Artisan)ブラシ ツールなので、ほかのアーティザン ツールと同様に機能します。詳細については、アーティザン ブラシ ツールの仕組み(『アーティザン』マニュアル)を参照してください。

流体プロパティの値をペイントするには、プロパティのコンテンツの方法(Contents Method)スタティック グリッド(Static Grid)またはダイナミック グリッド(Dynamic Grid)として定義する必要があります。

2D コンテナでペイントする

2D コンテナでプロパティ値をペイントするのは、キャンバス上でペイントするのと似ています。コンテナを表すプレーン上にブラシを移動し、ドラッグしてグリッドにプロパティを配置します。

2D の流体コンテナで流体プロパティをペイントするには

  1. 流体コンテナを選択します。
  2. 流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を選択し、ツール設定ウィンドウ(Tool Settings window)を開きます(流体(Fluids) > コンテンツの追加/編集(Add/Edit Contents) > 流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool) > )。
  3. ダイナミック グリッド(Dynamic Grid)でペイントする場合は、ツール設定(Tool Settings)ウィンドウのアトリビュートのペイント(Paint Attributes)セクションにある初期状態を自動設定(Auto Set Initial State)がオンになっていることを確認します。

    このオプションをオンにすると、ペイントする値が初期状態キャッシュ ファイルに保存されるので、シミュレーションの再生後に先頭フレームに巻き戻したときに、ペイントしたオリジナルの値が復元されます。流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を終了したり現在のタイムを変更したり、選択を変更したりすると、値が保存されます。初期状態については、流体の初期状態を設定するを参照してください。

    注:

    初期状態は、フィールド/ソルバ(Fields/Solvers) > 初期状態(Initial State) > 初期状態の設定(Set Initial State)を選択していつでも手動で設定できます。フィールド/ソルバ(Fields/Solvers) > 初期状態(Initial State) > 初期状態のクリア(Clear Initial State)を選択すると設定をクリアできます。流体のペイントに慣れた方は、初期状態を自動設定(Auto Set Initial State)をオフにして作業を行い、手動で保存することをお勧めします。

  4. ペイント可能なアトリビュート(Paintable Attributes)の横にあるオプションから、ペイントする流体プロパティを選択します。詳細については、ペイント可能なアトリビュート(Paintable Attributes)を参照してください。

    選択した流体プロパティがダイナミック グリッド(Dynamic Grid)またはスタティック グリッド(Static Grid)に設定されていない場合、設定するよう求めるプロンプトが表示されます。

  5. アトリビュートのペイント(Paint Attributes)の任意の設定を変更します。

    詳細については、ペイント アトリビュート(Paint Attributes)を参照してください。

  6. ブラシのプロファイル(Profile)ペイント操作(Paint Operation)値(Value)を選択します。詳細については、「流体ペイント ツール オプション」を参照してください。
  7. 流体コンテナの上をドラッグしてペイントします。

3D コンテナでペイントする

3D コンテナでペイントする場合、実際には、コンテナの「スライス」上で 2D にペイントを行います。スライスは、ペイントする場所を表す X、Y、Z 方向のプレーンです(スライスは 2D のキャンバスと考えることができます)。それぞれのスライスを個々にペイントしますが、隣り合うスライスを積み重ねた結果が 3D の流体になります。

流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を初めて選択したときには、流体コンテナの原点にペイント スライスが表示されます。このスライスは、エッジが点線でコーナーの 1 つに流体のサブボリューム マニピュレータがあるプレーンによって表されます。スライス上にポインタを移動すると、ポインタが、スライスをペイントできることを示すブラシの形に変わります。

ペイントするスライスの位置と厚みは、スライスのコーナーに表示される流体マニピュレータで制御します。詳細については、3D コンテナのサブボリュームを表示するを参照してください。

3D の流体コンテナで流体プロパティをペイントするには

  1. 流体コンテナを選択します。
  2. 流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を選択し、ツール設定(Tool Settings)ウィンドウを開きます(流体(Fluids) > コンテンツの追加/編集(Add/Edit Contents) > 流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool) > )。
  3. ダイナミック グリッド(Dynamic Grid)でペイントする場合は、ツール設定(Tool Settings)ウィンドウのアトリビュートのペイント(Paint Attributes)セクションにある初期状態を自動設定(Auto Set Initial State)がオンになっていることを確認します。

    このオプションをオンにすると、ペイントする値が初期状態キャッシュ ファイルに保存されるので、シミュレーションの再生後に先頭フレームに巻き戻したときに、ペイントしたオリジナルの値が復元されます。流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)を終了したり現在のタイムを変更したり、選択を変更したりすると、値が保存されます。初期状態については、流体の初期状態を参照してください。

    注:

    初期状態は、フィールド/ソルバ(Fields/Solvers) > 初期状態(Initial State) > 初期状態の設定(Set Initial State)を選択していつでも手動で設定できます。フィールド/ソルバ(Fields/Solvers) > 初期状態(Initial State) > 初期状態のクリア(Clear Initial State)を選択すると設定をクリアできます。流体のペイントに慣れた方は、初期状態を自動設定(Auto Set Initial State)をオフにして作業を行い、手動で保存することをお勧めします。

  4. ペイント可能なアトリビュート(Paintable Attributes)の横にあるオプションから、ペイントする流体プロパティを選択します。詳細については、ペイント可能なアトリビュート(Paintable Attributes)を参照してください。

    選択した流体プロパティがダイナミック グリッド(Dynamic Grid)またはスタティック グリッド(Static Grid)に設定されていない場合、設定するよう求めるプロンプトが表示されます。

  5. アトリビュートのペイント(Paint Attributes)の任意の設定を変更します。

    詳細については、ペイント アトリビュート(Paint Attributes)を参照してください。

  6. ブラシのプロファイル(Profile)ペイント操作(Paint Operation)値(Value)を選択します。詳細については、「流体ペイント ツール オプション」を参照してください。
  7. ペイントするスライスまでペイント スライスを移動します。

    詳細については、ペイント スライスまたはサブボリュームを移動するを参照してください。

    ヘルプラインに、ペイント スライスの位置が表示されます。例:

    流体スライス位置(Fluid Slice Location): 4.000

    各軸に沿って存在するスライスの数は、流体コンテナの解像度と一致します。番号は 0 から始まります。したがって、コンテナの解像度が 10 10 10 の場合、スライスには 0 から 9 までの番号が付けられます。

  8. ストロークをコンテナの一部だけに影響させたい場合は、ストロークを作用させるサブボリュームを表示します。詳細については、サブボリュームの厚みを変更するを参照してください。
  9. 複数のスライスをペイントするには、流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)の設定エディタのストローク(Stroke)セクションにあるスタンプ深度(3D) (Stamp Depth (3D))の値を、スライス全体をペイントするのに十分な大きさの値に設定します。ペイント スライスの一方の側でストロークがペイントする奥行きを示すブラシ フィードバックが表示されます。

    ブラシの奥行きを表示されているサブボリュームの奥行きより厚くしても、ペイントされるのはサブボリュームだけです。

  10. ペイント スライス全体をブラシでドラッグします。
  11. ペイント スライスを移動し、ペイントします。コンテナ内の必要な値をすべてペイントするまでこれを繰り返します。
    ヒント: スライスをペイントするときにビューの軸を変更するにはタンブルします。流体を別の角度から表示したときにスライス間に隙間ができないよう、それぞれの軸を基準にしてプロパティをペイントするのが望ましい方法です。

    ペイント時にペイント スライスが別の軸に切り替わらないようにするには、ビューの軸をロックします。

    詳細については、3D コンテナのサブボリュームを表示するを参照してください。

値でコンテナを塗り潰す

コンテナの塗り潰し(Flooding)は、大きなブラシを使用して、そのブラシの設定をコンテナ内のすべてのボクセルまたは選択したサブボリュームに適用することと考えることができます。流体コンテナを塗り潰すと、ツールの値と設定に従って、選択した流体プロパティのボクセル値が変化します。

コンテナを塗り潰すには

  1. 2D の流体コンテナで流体プロパティをペイントするにはの手順 1~5 に従ってください。
  2. 塗り潰すスライスを表示し、塗り潰し(Flood)ボタンをクリックします(ホットキーは + F キー)。
    • コンテナ全体を塗り潰すには、ターゲット マニピュレータを既定の位置に設定します。
    • サブボリュームを塗り潰すには、サブボリュームを表示します。

    詳細については、3D コンテナのサブボリュームを表示するを参照してください。

    ヒント:

    各値の間の変化をスムーズにするには、ペイント操作(Paint Operation)としてスムーズ(Smooth)を選択し、コンテナまたはサブボリュームを塗り潰します。

再生時にペイントする

再生の実行中に流体をペイントすると、ダイナミクスの感じをつかむことができます。たとえば、密度(Density)をペイントし、そのシミュレーションが実行される様子を見ながら速度(Velocity)をペイントすることができます。

再生時にペイントを開始するときは、初期状態の保存を求めるプロンプトは表示されません。再生時にペイントしたものはすべて失われます。(初期状態を自動設定(Auto Set Initial State)がオンになっている場合は、最後にペイントしたストロークの結果が初期状態として保存されます)。

コンテナのボクセルへ値をマップする

イメージの値をコンテナのボクセルにマップすることができます。流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)の設定は、マップされた値を使用しているボクセルに適用されます。

3D 流体にイメージを読み込む場合、サブボリューム マニピュレータによって示されたサブボリューム スライスに値がマップされます。

3D 流体からイメージを書き出す場合、書き出しされるのはペイント スライス上の値です。

値は以下のように読み込み/書き出しされます。

マッピングに関する詳細については、アトリビュートをマッピングする(『アーティザン』マニュアル)を参照してください。

注: アルファ(Alpha)チャネルがないマップ(RGB データのみ)を、アルファチャネルが必要なプロパティ(密度(Density)カラー(Color)、または 速度(Velocity))に読み込む場合、アルファ(Alpha)は輝度(RGB)と同じになります。

読み込み/書き出しされたアルファ値は、流体ペイント ツール(Paint Fluid Tool)の設定の最小値(Min Value)から最大値(Max Value)までの範囲に再マップ/その範囲から再マップされます。

ペイント値を表示する

シェーディング表示モードでペイントするときに、プロパティ値を表示する方法を選択することができます。既定ではペイントしているプロパティの値だけが表示されますが、コンテナ内のすべてのプロパティをレンダーされた状態で表示するように変更することもできます。詳細については、ディスプレイ(Display)を参照してください。

流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)をリセットする

ツール設定ウィンドウ(Tool Settings window)ツールのリセット(Reset Tool)ボタンをクリックすると、流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)が既定の設定にリセットされます。

ペイント ストロークを取り消す

元に戻すことができるペイント ストロークの数は、プリファレンス(Preferences)ウィンドウの元に戻す(Undo)カテゴリで定義します(ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Windows > Settings/Preferences > Preferences))。

流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)の設定

アトリビュートをペイントする前に、ツール設定(Tool Settings)エディタで流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool)のオプションを設定します(流体(Fluids) > コンテンツの追加/編集(Add/Edit Contents) > 流体ペイント ツール(Paint Fluids Tool) > )。

アトリビュートのペイント(Paint Attributes)セクションの設定により、このツールを使ってペイントしたときにどのようなエフェクトが得られるかが決まります。これらの設定については、ペイント アトリビュート(Paint Attributes)で説明しています。

その他の設定の詳細については、「流体ペイント ツール オプション」を参照してください。