アンビエント オクルージョンのコンセプト

オクルージョンの定義

アンビエント オクルージョンとは、オブジェクトに当たる間接的な、または拡散するライトのブロッキングを指します。これは、オブジェクトの暗い領域、一般には、折り目、クラックおよび隙間を指します。アンビエント オクルージョンは、間接的なライトが四方に反射できず、光線を吸光する近くのオブジェクトに阻まれている領域を、照らすことができないことによって引き起こされます。こういったライティングの微妙なばらつきは、ふつうなら不鮮明で目に付かないサーフェスのディテールや違いを検出する、視覚的な手掛かりになります。アンビエント オクルージョンは、隙間、隅、割れ目などにシャドウを追加することによって、シーンにリアルさ追加します。サーフェス ポイントごとに、ライトがジオメトリによってブロックされる度合いを計算します。

次の例では、氷のブロックが、ブロック間のシャドウ付けによって際立っています。氷ブロック間のクラックは、ライトが氷のブロックによってブロックされているので、より暗く表示されます。これが、アンビエント オクルージョンです。

アンビエント オクルージョンの応用

シーン内のライティングが強すぎる場合、サーフェスのディテールが不鮮明になります。アンビエント オクルージョンは、曇った空が投影するシャドウをエミュレートします。つまり、シーン全体にわたってライティングをソフトに維持しながら、クラックや隙間を引き立たせます。シーンにオクルードされた隙間が多数含まれる場合、またはシーンにソフト シャドウを追加したい場合に、アンビエント オクルージョンを使用します。

たとえば、アンビエント オクルージョンのサンプル アプリケーションの応用例として、合成用のパスの作成があります。

シーンにアンビエント オクルージョンを組み込む

次の方法を使用して、アンビエント オクルージョンを計算することができます。

mental ray for Maya でオクルージョンをベイク処理する

mental ray for Maya でオクルージョンをベイク処理するには、ライティング/シェーディング > バッチ ベイク(mental ray) (Lighting/Shading > Batch Bake (mental ray))を選択します。テクスチャ(Texture)(または頂点(Vertices))ベイク セットのオーバーライド(Texture(or Vertices)Bake Set Override)セクションで、カラー モード(Color Mode)オクルージョン(Occlusion)を選択します。また、textureBakeSet ノードのオクルージョン深度(Occlusion Deep)アトリビュートを有効にすると、ベイク処理結果に透明度を含めることができます。

バッチ ベイク オプションの詳細については、ライティング/シェーディング > バッチ ベイク(mental ray) (Lighting/Shading > Batch Bake (mental ray))を参照してください。オクルージョン深度(Occlusion Deep)に関する詳細については、「mental ray for Maya でアンビエント オクルージョンをベイク処理する」および「テクスチャ ベイク セット」を参照してください。

外部合成用のオクルージョン ファイルを作成する

アンビエント オクルージョンのみをレンダーするオクルージョン パスを実行することができます。これは、コンタクト シャドウ パスとして使用することができます。詳細については、レイヤ プリセットによる作業を参照してください。