Maya LT インタフェースの新機能

Maya LT 2016 には、使い慣れたツールやワークフローを犠牲にすることなく、ユーザ エクスペリエンスを向上させた新しいルック & フィールがあります。ユーザ インタフェース(UI)を、解像度が異なる複数のディスプレイに拡張して表示できるようになり、高い柔軟性を提供します。

注: 次のビデオでは、Maya のユーザインタフェースに基づく新しいルック & フィールを示します。

UI を簡素化する新しいカラー スキームが採用されています。これには、アイコンの更新、シーン ビュー(ビューポート)内の新しい既定のバックグラウンド カラーが含まれます。グリッドとヘッドアップ ディスプレイ(HUD)の外観もより見やすくするために調整されています。

他にも次のような多くの重要な変更が加えられています。

メニューとメニュー セットの変更

既定のメニューとメニュー セットは再編成され、一部のメニューはツールと操作をワークフローに合わせるために移動されたり名前が変更されています。変更の概要を以下に示します。

アニメーション メニュー

アニメーション(Animation)メニュー セット オプションは、よりワークフローに基づいたものにするため、アニメーション(Animation)リギング(Rigging)の 2 つのメニュー セットに分割されました。したがって、いくつかの共通のメニューが別の場所に配置されています。
  • スケルトン(Skeleton)およびスキン(Skin)メニューは、リギング(Rigging)メニュー セットに置かれました。

アニメーション(Animation)メニュー セットのいくつかのメニューは依然としてこのメニュー セットにありますが、場所や名前が変更されています。
  • キーの設定および関連するキーフレーム オプションは、アニメーション(Animation)メニュー セットのキー(Key)メニューに置かれました。
  • スナップショット(Snapshot)ターンテーブル(Turntable)モーション軌跡(Motion Trail)メニュー項目はアニメーション(Animation)メニュー セットの視覚化(Visualize)メニューに置かれました。
  • アニメーション(Animation)メニュー·セットの作成(Create)およびデフォーマの編集(Edit Deformers)メニューはアニメーション デフォーム(Anim Deform)メニューの下でグループ化されています。
ヒント:

メニューまたはウィンドウの新しい場所を検索するには、ヘルプ > メニュー項目の検索(Help > Find a Menu Item)を選択します。検索語句を入力すると、ウィンドウに項目へのパスが表示されます。

メニュー セット エディタ(Menu Sets Editor)のアニメーションを既定に戻す(Revert Animation to Default)オプションを使用して、レガシーのアニメート(Animate)メニューセットに戻すことができます。メニュー セットを編集するには、「カスタム メニュー セット」を参照してください。

古いメニュー セットを復元するには、「旧バージョンからメニュー セットを再利用する」を参照してください。

メニュー セットを切り替える既定のホットキーは、次のようになりました:
  • モデリング(Modeling)メニュー セット: [F2]
  • リギング(Rigging)メニュー セット: [F3]
  • アニメーション(Animation)メニュー セット: [F4]
  • シェーディング(Shading)メニュー セット: [F6]

メニュー アイコン

メイン メニュー内のメニュー項目の横に小さいアイコンが表示されるようになりました。

これらのアイコンは、インタフェース内のどこかの場所で表示されるボタンが反映されます。たとえば、アニメーション デフォーム(Anim Deform)メニュー内のブレンド シェイプ デフォーマ(Blend Shape deformer)の横のブレンド シェイプ アイコンは、リギング(Rigging)シェルフ内のブレンド シェイプに表示されるのと同じアイコンです。

さらに、マーキング メニュー内のメニュー項目の横にも小さいアイコンが表示されます。たとえば、マーキング メニュー内の押し出しアイコンは、モデリング ツールキットに表示されるアイコンと同じです。

これらのアイコンを表示しない場合は、インタフェース プリファレンス(Interface Preferences)(ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Windows > Settings/Preferences > Preferences))でメニューにアイコンを表示(Show icons in menus)プリファレンスをオフにできます。

更新されたシェルフ

Maya LT でシェルフは、ワークフローにより重点を置いており、必要なときに目的のツールを容易に見つけられるようにします。インタフェースの概観をより合理化するため、既存のシェルフのいくつかは結合、名前変更、または非表示にされています。「シェルフ」を参照してください。

  • カーブ(Curves)シェルフはサーフェス(Surfaces)シェルフと結合され、カーブ/サーフェス(Curves/Surfaces)シェルフになりました。
  • 新しいリギング(Rigging)シェルフには、キャラクタのリギングによく使用されるアニメーション ツールとデフォメーション ツールが含まれています。
  • スカルプト シェルフが新たに追加されました。
  • ライティング(Lighting)シェルフ、マテリアル(Materials)シェルフ、テクスチャのベイク処理(Texture Baking)シェルフは、シェーディング(Shading)シェルフとして結合されています。

シェルフ エディタ(Shelf Editor)を開くには、左側にある新しい歯車アイコン をクリックして、シェルフ メニューにアクセスします。シェルフ レイアウトの編集の詳細については、「シェルフをカスタマイズする」を参照してください。旧バージョンで使用できるシェルフ セットを復元する方法については、「シェルフのロード」を参照してください。

再設計されたホットキー エディタ

再設計されたホットキー エディタ(Hotkey Editor)により、すばやく簡単にホットキーの作成、編集、割り当てが行えるようになります。

直感的なホットキー キーボード インタフェースは、現在アクティブなホットキー セットでどのキーが現在割り当てられているかを判断するために役立ちます。キーボードの[Shift]、[Ctrl]、[Alt]、[Command]などの修飾キーを押すと、ホットキー キーボード インタフェースがハイライトされ、どのキーが割り当てられているか、または割り当てられていないかが示されます。また、ホットキー キーボード インタフェースのいずれかのキーの上にマウスを置くと、ホットキーに使用するすべての機能とキーの一覧を表示できます。

新しいホットキー エディタには以下の特徴があります。

  • 簡略化された設計
  • 特定のホットキーをワークフローに関連付け、保存して他のユーザと共有できるホットキー セットとコンテキスト
  • 再起動の必要のない、ホットキーが作成されたときの自動更新
  • (インタフェースに表示される)アプリケーション コマンド名、ランタイム コマンド、割り当てられたホットキーが一緒に一覧表示されるようにホットキー リスタを改良
  • 改良されたホットキー検索
注: 新しいバージョンを最初に実行したときに以前のプリファレンスのコピー(Copy Old Preferences)をクリックすると、新しいエディタに以前のホットキー プリファレンスを読み込むことができます。

イメージの自動リフレッシュ

更新されたイメージ ファイルを自動的にリロード(Automatically reload updated image files) プリファレンスは、既定でオンになりました。オンの場合、外部アプリケーションでテクスチャなどのイメージを操作すると、Maya LT シーンに戻ったときにそのイメージが自動的に更新されます。このプリファレンスは、ファイル/プロジェクト(Files/Projects)プリファレンス(ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Window > Settings/Preferences > Preferences))で変更できます。

ハードウェア テクスチャリングおよびシャドウが既定でオン

ハードウェア テクスチャリング(Hardware Texturing)モード(パネル メニュー: シェーディング(Shading)で使用可能)は、新しいシーンを開いたり作成するときに、パース シーン ビューで既定でオンになりました。さらに、シャドウ(Shadows) (パネル メニュー: ライティング(Lighting))も、既定で表示されます。これらのオプションによって、既定でビューポート内のテクスチャとシャドウを表示できます。シャドウをオンにする完全な手順については、「シーン ビューでシャドウを表示する」を参照してください。

高解像度表示機能

次の機能強化により、高解像度ディスプレイでの Maya LT の動作が改善されています。

カスタム ディスプレイの解像度設定

新しいインタフェースのスケール(Interface Scaling)プリファレンスにより、ユーザ インタフェースの解像度を仕様に従ってスケールするように設定できます。これらの設定により、さまざまなディスプレイやデバイスでのアイコンおよびテキストの見やすさをよりよくコントロールできるようになります。Maya LT でシステム設定(既定)を使用、カスタム設定を使用、またはまったくスケールしないのいずれかを指定できます。

詳細については、「インタフェース プリファレンス」を参照してください。

高解像度イメージのサポート

更新されたインタフェースにより、Ultra HD または 4K モニタなどの高解像度ディスプレイ デバイスでの実行時に、アイコン、カーソル、およびその他のイメージに対し、高解像度イメージがサポートされます。100%、150%、200% の 3 つの解像度設定が使用できます。

既定では 100% が使用されますが、高解像度のディスプレイで実行している場合、Maya LT は自動的に高解像度イメージ(150% または 200%)を使用します。独自のカスタム イメージに対してこの機能を利用することもできます。

詳細については、「シェルフ項目に高解像度のカスタム アイコンを使用する」を参照してください。

マルチプラットフォームでのフォント サポート

Maya LT で、シーン内にテキスト カーブやその他のテキストベースのジオメトリを作成するため、OpenType、TrueType、Postscript の各フォント タイプが、サポート対象のすべてのオペレーティング システムでサポートされるようになりました。これは、テキストのジオメトリを維持しながら、プラットフォーム間でシーンを移動できることを意味します。

すべてのオペレーティング システムで同じになった、スケーラブル フォントを選択(Select Scalable Font)ダイアログ ボックスで、フォントを選択することができます。Maya LT は最後に使用したフォントを記憶して、次回に起動されたときにそれを使用します。Windows と Mac OS X オペレーティング システムは、Times New Roman を既定として使用します。

注:
  • テキスト ジオメトリを含む既存のシーンは、異なる動作をする場合があります。Maya LT 2016 で初めてシーンを開いたときに警告やエラー メッセージを確認し す。
  • makeTextCurves ノードでの既存のスクリプトやプラグインが Maya LT 2016 で機能するには、新しいフォント名とその他の構文を使用する必要があります。詳細については、テクニカル ドキュメントの makeTextCurves ノードについての項目を参照してください。