mental ray レンダラーによる被写界深度

被写界深度は、現実世界のカメラをシミュレーションして、レンダリングの現実感を高める 1 つの方法です。被写界深度を深くすると、すべてまたはほとんどのシーンがフォーカスに入ります。被写界深度を浅くすると、カメラから一定の距離内にあるオブジェクトのみがフォーカスに入ります。

被写界深度を使用せずにレンダリングしたシーン

すべてのりんごは焦点が等しくなります。

フォーカス制御に被写界深度を使用した同じシーン

中間のりんごは他の 2 つのリンゴよりも鮮明になります。

mental ray で被写界深度効果をレンダリングするには、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [レンダラー](Renderer)パネル [レンダリング アルゴリズム](Rendering Algorithms)ロールアウト(mental ray レンダラー)[レンダリング アルゴリズム](Rendering Algorithms)ロールアウトでレイトレース([レイトレース](ray tracing)切り替え)をオンにする必要があります。またカメラの被写界深度も有効にしなければなりません。カメラの[マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域で、[被写界深度](Depth Of Field)(mental ray)を被写界深度のタイプとして選択します。スキャンライン レンダラーの[被写界深度](Depth Of Field)オプションを選択した場合、レンダリングにより焦点が外れる場合があります。

mental ray レンダラーはカメラの[ターゲットまでの距離](target distance)と[f-ストップ](f-Stop)パラメータを使用して、被写界深度効果を制御します。

カメラのターゲットからの距離により、フォーカス プレーンが決まります。フォーカス プレーンは、シーンの焦点が完全に合うときのカメラからの距離です。

カメラを基準にしたフォーカス プレーン

前述のレンダリングと同じように、ここではフォーカス プレーンは中間のりんごに設定されています。

カメラを基準にしたフォーカス プレーン

次のレンダリングと同じように、ここではフォーカス プレーンは最も近いりんごに設定されています。

[f-ストップ](f-stop)はフォーカス プレーン距離を除いた距離でのブラー量を制御します。現実世界のカメラでは、[f-ストップ](f-stop)はレンズの口径のサイズを測定します。[f-ストップ](f-stop)の値が小さくなると、口径が大きくなり被写界深度が浅くなります。このため、[f-ストップ](f-stop)を増加すると被写界深度が深くなり、[f-ストップ](f-stop)を減らすと被写界深度が浅くなります。

[f-ストップ](f-stop)を減らして被写界深度を浅くします。

フォーカス プレーンは最も近いりんごに設定され、[f-ストップ](f-stop)は 0.1 に設定されています。

[f-ストップ](f-stop)を増やして被写界深度を深くします。

フォーカス プレーンの位置は変わらず、[f-ストップ](f-stop)は 1.0 に増加されています。

[f-ストップ](f-Stop)は、カメラの[被写界深度](Depth Of Field)ロールアウトで設定します。「被写界深度パラメータ(mental ray、iray、および Quicksilver レンダラー)」を参照してください。

注: カメラのないパース ビューポートの場合、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [レンダラー](Renderer)パネル [カメラ効果](Camera Effects)ロールアウトに[フォーカス プレーン](Focus Plane)と[f-ストップ](f-Stop)の明示的な設定があります。