ブロッブメッシュ合成オブジェクト

ブロッブメッシュ合成オブジェクトは、ジオメトリまたはパーティクルから複数の球のセットを生成し、これらの球を柔らかい液体のように接続します。球と球の間隔が特定の距離より近くなると、球同士が接続されます。特定の距離より離れると、再び独立した球状に戻ります。

3D 業界では、このような性質の球をメタボールといいます。ブロッブメッシュ合成オブジェクトは、シーン内の指定されたオブジェクトに基づいてメタボールを生成します。これらのメタボールは、「ブロッブメッシュ」と呼ばれるメッシュを形成します。ブロッブメッシュは、アニメートしたときに移動および変形する、濃度の高い液体や柔らかな物体のシミュレーションに最適です。

ブロッブメッシュ合成オブジェクトとオブジェクトまたはパーティクル システムを結合すると、メタボールは、何を使用して生成されたかによって、異なったサイズで異なった位置に置かれます。

注: ブロッブメッシュ オブジェクトにモーション ブラーを適用して、レンダリング時のモーション効果を向上させることができます。パーティクル フロー以外のパーティクル システムでは、イメージ モーション ブラーを使用します。パーティクル フローとその他のオブジェクト タイプ(ジオメトリ、シェイプ、ヘルパーを含む)は、オブジェクト モーション ブラーを使用します。

手順

ジオメトリまたはヘルパーからブロッブメッシュを作成するには:

  1. ジオメトリまたはヘルパー オブジェクトを 1 つ以上作成します。シーンをアニメートする必要がある場合は、希望どおりにオブジェクトをアニメートします。
  2. [作成](Create)パネル/[ジオメトリ](Geometry)/[合成オブジェクト](Compound Objects)/[オブジェクト タイプ](Object Type)ロールアウト/[ブロッブメッシュ](BlobMesh)をクリックします。続いて、シーン内をクリックして、最初のメタボールを作成します。
  3. [修正](Modify)パネルに移動します。
  4. パラメータロールアウト/[ブロッブ オブジェクト](Blob Objects)領域で[追加](Add)をクリックして、メタボールとして使用するオブジェクトを選択します。選択したオブジェクトの各頂点、またはヘルパー オブジェクトの中心にメタボールが表示されます。
  5. [パラメータ](Parameters)ロールアウトで、[サイズ](Size)にメタボール同士が接続される距離を表す適切な値を設定します。

ジオメトリのソフト選択を使用してブロッブメッシュを作成するには:

  1. ジオメトリ オブジェクトを作成し、編集可能メッシュまたは編集可能ポリゴンに変換します。
  2. オブジェクトに[メッシュ選択](Mesh Select)モディファイヤを適用し、オブジェクトの頂点の一部を選択します。
  3. [ソフト選択](Soft Selection)ロールアウトで、[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)をオンにします。[フォールオフ](Falloff)の値を設定します。
  4. オブジェクトに[メッシュに変換](Turn to Mesh)または[ポリゴンに変換](Turn to Poly)モディファイヤを適用します。

    こうしておけば、サブオブジェクト モードを終了してもソフト選択が保持され、スタックに渡されます。

  5. [作成](Create)パネルで、 ([ジオメトリ](Geometry))をアクティブにしたまま、ドロップダウン リストから[合成オブジェクト](Compound Objects)を選択します。[オブジェクト タイプ](Object Type)ロールアウトで[ブロッブメッシュ](BlobMesh)をオンにします。ビューポート内の任意の場所をクリックして、最初のメタボールを作成します。
  6. [修正](Modify)パネルに移動します。
  7. パラメータロールアウト/[ブロッブ オブジェクト](Blob Objects)領域で[追加](Add)をクリックして、編集可能メッシュ オブジェクトまたは編集可能ポリゴン オブジェクトを選択します。

    選択したオブジェクトの各頂点にメタボールが表示されます。

  8. [パラメータ](Parameters)ロールアウトで、[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)をオンにします。

    メタボールはソフト選択の影響を受ける頂点に制限されます。

  9. [サイズ](Size)と[最小サイズ](Min)に値を入力して、メタボールのサイズを設定します。 

スプラインのソフト選択を使用してブロッブメッシュを作成するには:

  1. スプラインを作成し、編集可能スプラインに変換します。
  2. [レンダリング](Rendering)ロールアウトで、[レンダラーを有効](Enable In Renderer)と[ビューポートを有効](Enable In Viewport)の両方をオンにします。
  3. [メッシュ選択](Mesh Select)モディファイヤを適用し、ソフト選択用に適切な頂点を選択します。
  4. [ソフト選択](Soft Selection)ロールアウトで、[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)をオンにします。[フォールオフ](Falloff)の値を設定します。
  5. オブジェクトに[メッシュに変換](Turn to Mesh)または[ポリゴンに変換](Turn to Poly)モディファイヤを適用します。

    こうしておけば、サブオブジェクト モードを終了してもソフト選択が保持され、スタックに渡されます。

  6. [作成](Create)パネルで、 ([ジオメトリ](Geometry))をアクティブにしたまま、ドロップダウン リストから[合成オブジェクト](Compound Objects)を選択します。[オブジェクト タイプ](Object Type)ロールアウトで[ブロッブメッシュ](BlobMesh)をオンにします。ビューポート内の任意の場所をクリックして、最初のメタボールを作成します。
  7. [修正](Modify)パネルに移動します。
  8. パラメータロールアウト/[ブロッブ オブジェクト](Blob Objects)領域で[追加](Add)をクリックして、編集可能スプラインを選択します。

    選択したオブジェクトの各頂点にメタボールが表示されます。

  9. [パラメータ](Parameters)ロールアウトで、[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)をオンにします。

    メタボールはソフト選択の影響を受ける頂点に制限されます。

  10. [サイズ](Size)と[最小サイズ](Min)に値を入力して、メタボールのサイズを設定します。 

パーティクル システムからブロッブメッシュを作成するには:

    パーティクル システムでブロッブメッシュを使用すると、各パーティクルの位置にメタボールが生成されます。メタボールのサイズはパーティクルのサイズによって決定されます。

  1. パーティクル システムを作成し、パーティクルのアニメートに使用するパラメータを設定します。
  2. [作成](Create)パネルで、 ([ジオメトリ](Geometry))をアクティブにしたまま、ドロップダウン リストから[合成オブジェクト](Compound Objects)を選択します。[オブジェクト タイプ](Object Type)ロールアウトで[ブロッブメッシュ](BlobMesh)をオンにします。ビューポート内の任意の場所をクリックして、最初のメタボールを作成します。
  3. [修正](Modify)パネルに移動します。
  4. パラメータロールアウト/[ブロッブ オブジェクト](Blob Objects)領域で[追加](Add)をクリックして、パーティクル システムを選択します。システム内の各パーティクルにメタボールが表示されます。
  5. ブロッブメッシュにパーティクル フロー システムが追加されている場合、特定のイベントが発生したパーティクルだけにメタボールを生成したい場合は、[パーティクル フロー パラメータ](Particle Flow Parameters)ロールアウトの[追加](Add)をクリックして、リストからイベントを選択します。
    ヒント: パーティクルのレンダリングを行わない場合は、パーティクルを非表示にしてはなりません。非表示にすると、ブロッブメッシュが正常に生成されないことがあります。非表示にする代わりに、[オブジェクトのプロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスで、パーティクル システムの[レンダリング可能](Renderable)オプションをオフにします。

インタフェース

[パラメータ](Parameters)ロールアウト

サイズ

パーティクル以外のオブジェクトの場合、各メタボールの半径を表します。パーティクルの場合、各メタボールのサイズは、パーティクルのサイズ(パーティクル システムのパラメータで設定)によって決定されます。既定値は 20 です。

注: メタボールの表示サイズは、[テンション](Tension)の値に影響されます。[テンション](Tension)に最低値より小さい値が設定されていると、メタボールの半径は[サイズ](Size)の設定どおりになります。[テンション](Tension)の値を大きくすると、サーフェスの密度が高くなり、メタボールが小さくなります。
テンション

サーフェスのリラックスまたは密集の度合いを決定します。小さい値にするほど、密集度は低くなります。値の範囲は 0.01 から 1.0 までです。既定値は 1.0 です。

粗さ評価

結果として得られるブロッブメッシュの粗さ(密度)を設定します。[相対的な粗さの設定](Relative Coarseness)(下記を参照)にチェックマークが付いていない場合、[レンダリング](Render)および[ビューポート](Viewport)の値で、ブロッブメッシュ面の絶対的な高さおよび幅が設定されます。小さい値を設定するほど密度の高いスムーズなメッシュになります。[相対的な粗さの設定](Relative Coarseness)にチェックマークが付いている場合、ブロッブメッシュ面の高さおよび幅は、この値に対するメタボール サイズの比率で決定されます。この場合、大きい値を設定するほど、メッシュ密度が高くなります。[レンダー](Render)および[ビューポート](Viewport)の値の範囲は 0.001 から 1000.0 までです。[レンダー](Render)の既定値は 3.0、[ビューポート](Viewport)の既定値は 6.0 です。

[粗さ評価](Coarseness)の 2 つの設定の下限は 0.001 です。このため、[相対的な粗さの設定](Relative Coarseness)がオフの場合、高解像度のメタボール ジオメトリを作成できます。このような低い値を設定すると計算に長い時間がかかる場合があります。計算を中断したい場合は、Esc を押します。

相対的な粗さの設定

粗さの値の使用方法を決定します。このオプションにチェックマークが付いていないと、レンダリングおよびビューの[粗さ](Coarseness)の値が絶対値になります。つまり、各ブロッブメッシュ面の高さと幅は、常に[粗さ](Coarseness)の値と等しくなります。この設定では、メタボールのサイズが変わっても、ブロッブメッシュ面のサイズは固定されたままです。このオプションにチェックマークが付いていると、各ブロッブメッシュ面のサイズは[粗さ](coarseness)に対するメタボール サイズの比率によって決定されます。したがって、ブロッブメッシュ面のサイズはメタボールのサイズに合わせて変化します。既定値ではチェックマークが付いていません。

大きいデータの最適化

このオプションにチェックマークが付いていると、ブロッブメッシュの計算および表示を別の方法で行うことができます。ただし、この方法が既定の方法よりも効果的なのは、メタボールの数が多い場合(2,000 以上)に限定されます。このオプションは、大量のメタボールを生成するパーティクル システムまたはその他のオブジェクトを使用する場合にのみチェックマークを付けてください。既定値ではチェックマークが付いていません。

ビューポート内でオフ

ビューポート内でのブロッブメッシュの表示をオフにします。ブロッブメッシュはレンダリング中は表示されます。既定値ではチェックマークが付いていません。

ソフト選択を使用
ブロッブメッシュに追加するジオメトリでソフト選択が使用されている場合、このオプションにチェックマークを付けると、このソフト選択によってメタボールのサイズと位置が決まります。メタボールは、[サイズ](Size)に設定されたサイズで、選択された頂点に配置されます。頂点がジオメトリの[ソフト選択](Soft Selection)ロールアウトで設定したフォールオフ内にある場合、より小さいメタボールが配置されます。フォールオフ外にある場合、メタボールは配置されません。このオプションは、ジオメトリの[頂点](Vertex)サブオブジェクト レベルが有効になっていて、ジオメトリの[ソフト選択](Soft Selection)ロールアウトの[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)がオンになっている場合に限り有効です。ジオメトリのブロッブメッシュの[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)がオフになっている場合、メタボールはジオメトリ上のすべての頂点に配置されます。既定値ではチェックマークが付いていません。
  • [最小サイズ](Min Size)[ソフト選択を使用](Use Soft Selection)にチェックマークが付いているとき、フォールオフ内のメタボールの最小サイズを設定します。 既定値は 10.0 です。
[ブロッブ オブジェクト](Blob Objects)領域
オブジェクト リスト
ブロッブメッシュ シミュレーションの一部であるシーンのオブジェクトを表示します。
選択

画面からブロッブメッシュに追加するオブジェクトまたはパーティクル システムを選択できます。

追加

ブロッブメッシュに追加するオブジェクトまたはパーティクル システムを選択する選択ダイアログ ボックスを表示します。

削除

ブロッブメッシュからオブジェクトまたはパーティクル システムを削除します。

[パーティクル フロー パラメータ](Particle Flow Parameters)ロールアウト

ブロッブメッシュにパーティクル フロー システムを追加している場合、特定のイベント時にのみメタボールを生成するには、このロールアウトを使用します。このロールアウトでイベントを指定する前に、[パラメータ](Parameters)ロールアウトでブロッブメッシュにパーティクル フロー システムを追加する必要があります。

すべてのパーティクル フロー イベント

このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、すべてのパーティクル フロー イベントがメタボールを生成します。このチェック ボックスにチェックマークが付いていない場合、[パーティクル フロー イベント](Particle Flow Events)リストに指定したパーティクル フロー イベントだけがメタボールを生成します。

[パーティクル フロー イベント](Particle Flow Events)領域
PFlow イベント リスト
ブロッブメッシュ シミュレーションの一部である PFlow イベントを表示します。
追加

シーン内のパーティクル フロー イベントのリストを表示します。ここからイベントを選択して、[PFlow イベント](PFlow Events)リストに追加することができます。

削除

[PFlow イベント](PFlow Events)リストから選択したイベントを削除します。