mental ray レンダラーによるグローバル イルミネーション

グローバル イルミネーションは、シーンのすべてのライト(コースティックス以外)の相互反射効果をシミュレーションして、レンダリング イメージの現実感を高めます。赤い壁の隣の白のシャツがやや赤みを帯びて見えるようにする場合など、「カラーのにじみ」のような効果を生成します。

mental ray レンダラーには、グローバル イルミネーションを実現するための 2 つの独特なツールセット、フォトン トレーシングファイナル ギャザリングが用意されています。この 2 つのツールの主な違いは、フォトン トレーシングは光源から最終的に照明の当たるターゲット(反射も考慮されます)へ向かうのに対し、ファイナル ギャザリングはその逆で、照明のあたるサーフェスから光源へと向かう点です。フォトン トレーシングとファイナル ギャザリングは個別に使用したり、最適なレンダリング結果を得るために組み合わせて使用することが可能です。

グローバル イルミネーションなしでレンダリングされたシーン

グローバル イルミネーションを使用してレンダリングされた同じシーン

ファイナル ギャザリングでスムーズになったグローバル イルミネーション

グローバル イルミネーションを計算するために、mental ray レンダラーはフォトン マップ技術を使用します。

注: mental ray レンダラーは、ラジオシティ ソリューションの生成を要求せずにグローバル イルミネーションを生成します。フォトン マップは、それ自体がグローバル イルミネーションのモデルです。
注: mental ray でグローバル イルミネーションを使用するには、フォトンが複数のサーフェス間でバウンドできる必要があります。これには、光源からの光を受けるサーフェスにくぼみを持った単一のオブジェクトを作成するか、2 つ以上のオブジェクトを作成し、そのうち少なくとも 1 つをグローバル イルミネーションを受けるようにする必要があります(「[mental ray]パネル([オブジェクト プロパティ](Object Properties)ロールアウト」を参照)。その他の場合、エラー メッセージが表示され、フォトンは保存されません。

フォトン マップを使用すると、照明において暗いコーナーや低周波変異などのレンダリングのアーティファクトが発生することがあります。これらのアーティファクトを削減または解消するには、[ファイナル ギャザー](final gathering)領域の[有効](Enabled)にチェックマークを付けます。そうすると、グローバル イルミネーションの計算に使用されるレイの数が増えます。

グローバル イルミネーションを有効にするには、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [間接光](Indirect Illumination)パネル [コースティクスとフォトン マッピング(GI)](Caustics & Photon Mapping (GI))ロールアウト(mental ray レンダラー)[コースティックとグローバル イルミネーション](Caustics And Global Illumination)ロールアウトを使用します。また、ファイナル ギャザリングを有効にするには、[ファイナル ギャザー](Final Gather)ロールアウトを使用します。また、次を指定する必要があります。

グローバル イルミネーションの生成と受けの設定は、[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックス [mental ray]パネル([オブジェクト プロパティ](Object Properties)ロールアウト)にあります。既定値では、3ds Max のすべてのオブジェクトは、グローバル イルミネーションを生成し、受けるように設定されています。