[mental ray]パネル([オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックス)

[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスの[mental ray]パネルでは、mental ray レンダリングがサポートされています。具体的には、間接光機能のコースティックスグローバル イルミネーションがサポートされています。オブジェクトがコースティックスやグローバル イルミネーションを生成するかどうか、または受けるかどうかを制御します。

該当しない場合、これらの設定は無視されます。たとえば、ライトはコースティックスを生成するように設定できますが、ライトはレンダリング可能ではないので[コースティックスを他から受ける](Receive Caustics)設定は無効です。同様に、カメラに対してもこれらの設定は無効です。

また、このパネルでは、オブジェクト単位でディスプレイスメント パラメータの設定を制御できます。

ヒント: こうした設定の大部分(および他のレンダリング関連の設定)は、選択したオブジェクトを[Alt]+[Ctrl]+右クリックすると開くクアッド メニューで使用できます。

[ファイナル ギャザー](Final Gather)領域

この設定を使うと、オブジェクトとファイナル ギャザーとの相互作用の処理方法を指定できます。

ファイナル ギャザー レイがオブジェクトにヒットした場合
  • [オブジェクト カラーを返す(物理的に正確)](Return Object Color (Physically Correct))ファイナル ギャザーの光線がオブジェクトと交差してファイナル ギャザーの照明に影響した時点におけるオブジェクトのマテリアル カラーを返します。これが既定値のモードです。
  • [黒を返す](Return Black)ファイナル ギャザーの光線をブロックして、全くカラーを返しません。このため、オブジェクトは全くシェーディングされません。
  • [通過(FG には認識されない)](ass through (Invisible to FG))光線の投射処理中に、ファイナル ギャザーの処理でオブジェクトを認識させないようにします。これは、複雑で小さなオブジェクト(草の葉など)からの光の影響を無視する場合に便利です。ファイナル ギャザーの光線は、そうしたオブジェクトを通過すると、よりシェーディングしやすい地面のような基礎オブジェクトに衝突します。
ファイナル ギャザーからの照明を受ける
このチェック ボックスにチェック マークが付いていると、そのオブジェクトはファイナル ギャザーの光線による照明の対象になります。チェック マークがはずれている場合、オブジェクトはファイナル ギャザーの光線を受けません。既定値ではチェックマークが付いています。

[コースティックスとグローバル イルミネーション(GI)](Caustics and Illumination)領域

この設定は、コースティックスとグローバル イルミネーション(フォトン)のシミュレーションにオブジェクトが関与するどうか、さらにはオブジェクトが関与する場合の処理方法を決定します。こうした機能を使う場合は、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスの[コースティックとグローバル イルミネーション](Caustics And Global Illumination)ロールアウトで、それぞれの機能に対応するチェック ボックスにチェック マークを付ける必要があります。

コースティックス計算から除外
このチェック ボックスにチェック マークが付いている場合、そのオブジェクトはコースティックスの計算に関与しません。チェック マークがはずれている場合は、コースティックス関連の他のオブジェクト プロパティが使用できます。既定値ではチェックマークは付いていません。

[コースティックスを生成](Generate Caustics)このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、オブジェクトはコースティックスを生成できます。チェックマークが付いていない場合、オブジェクトはコースティックスを生成しません。既定値ではチェックマークは付いていません。

[コースティックスを他から受ける](Receive Caustics)このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、オブジェクトは他からコースティックスを受け取ることができます。つまり、コースティックス効果がこのオブジェクトに与えられます。チェックマークが付いていない場合、オブジェクトはコースティックスを受け取りません。既定値ではチェックマークが付いています。

GI 計算から除外
このチェック ボックスにチェック マークが付いている場合、そのオブジェクトはグローバル イルミネーションの計算に関与しません。チェック マークがはずれている場合は、他のグローバル イルミネーション関連のオブジェクト プロパティが使用できます。既定値ではチェックマークは付いていません。

[グローバル イルミネーションを生成](Generate Global Illumination)このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、オブジェクトはグローバル イルミネーションを生成できます。チェックマークが付いていない場合、オブジェクトはグローバル イルミネーションを生成しません。既定値ではチェックマークは付いていません。

[グローバルイルミネーションを他から受ける](Receive Global Illumination)このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、オブジェクトは他からグローバル イルミネーションを受け取ることができます。つまり、反射光がこのオブジェクトに投射されますチェックマークが付いていない場合、オブジェクトはグローバル イルミネーションを受け取りません。既定値ではチェックマークが付いています。

[ディスプレイスメント](Displacement)領域

次の設定を使用すると、ディスプレイスメント パラメータの設定をオブジェクト単位で適用できます。

注: mental ray レンダラーおよび iray レンダラーは両方とも、これらのディスプレイスメント設定を使用します。
グローバル設定を使用
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [レンダラー](Renderer)パネル [シャドウとディスプレイスメント](Shadows and Displacement)ロールアウトでのディスプレイスメント設定をすべてのオブジェクトに適用します。オブジェクト単位で設定を行う場合は、チェックマークをはずします。既定値ではチェックマークが付いています。
[最大ディスプレイス]
ディスプレイスメントの際に頂点に指定できる最大オフセットをワールド単位でコントロールします。この値はオブジェクトのバウンディング ボックスに影響します。既定値は 6.096m です。

[最大ディスプレイス](Max. Displace)の値が大きいとレンダリングのパフォーマンスに影響を与える場合があります。一方、この値が低すぎると、レンダラーは大きなディスプレイスメント値を返し、[レンダリング メッセージ](Render Message)ウィンドウにこの効果に対する警告メッセージが表示されます。これらの警告を使用して[最大ディスプレイス](Max. Displace)値を微調整することができます。

ヒント: ディスプレイスされたジオメトリが「切り取られた」ように表示される場合は、[最大ディスプレイス](Maximum Displace)の値を上げてみてください。

[方法](Method)領域

  • [長さ](Length)[エッジの長さ](Edge Length)の基準に従って、ディスプレイスメントの最適近似を計算します。
    ビュー
    ディスプレイスメントのスペースを定義します。[ビュー](View)にチェックマークを付けると、[エッジの長さ](Edge Length)により長さがピクセルで指定されます。チェックマークを消した場合、[エッジの長さ](Edge Length)はワールド空間単位で指定されます。既定値ではチェックマークが付いています。
    スムージング
    レンダラーで高さマップを正しくレンダリングするには、チェックマークをはずします。高さマップは法線マッピングによって生成されます。

    シーン内で高さマップだけを使用している場合は、このオプションを選択しないでください。シーン内に高さマップを使用するオブジェクトと標準ディスプレイスメントを使用するオブジェクトがある場合は、オブジェクト単位でスムージングを適用してください。

    このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合は、レンダラーは単純に補間された法線を使用して、ジオメトリをよりよい見た目にするためのスムージング処理を行いします。しかし、その結果は、高さマップ ディスプレイスメントには使用できません。ジオメトリに影響するスムージングは高さマップと互換性がないためです。

    エッジの長さ
    サブディビジョンによる最短のエッジの長さを定義します。レンダラーは、このサイズに達するとエッジの細分化を停止します。既定値は 2.0 ピクセルです。
    [最大レベル](Max Level)
    レンダラーがディスプレイスメントのために、個々の元のメッシュの三角形を再帰的に再分割できる範囲を制御します。サブディビジョンの再帰 1 回につき、単一の面を 4 つのより小さな面に分割できます。ドロップダウン リスト ボックスから値を選択します。指定できる範囲は 0 ~ 7 です。既定値は 6 です。

    たとえば、既定値を使用すると、レンダラーはディスプレイスする各メッシュの三角形を 4,096 個の小さい三角形に再分割できます。

  • [パラメトリック](Parametric)定期的にサーフェスの各三角形を細分割します。これは早く、標準的なほぼ平坦であるシーンに最適のオプションです。
    サブディビジョン レベル
    各入力三角形を分割する回数を指定します。サブディビジョン レベルの値を大きくすると、三角形の数が増加します。実際には、各入力三角形は 4 つのサブディビジョン レベルに分割されます。 指定できる範囲は 0 ~ 10 です。既定値は 5 です(1024 個の三角形)。

    上限はオブジェクトごとに三角形 800 万個です。