[拡張レンダリング オプション](Advanced Rendering Options)ロールアウト

拡張レンダリングに関連するパラメータでは、パフォーマンスを向上させるオプションを定義することができます。

インタフェース

[反射](Reflections)領域

最大距離
反射を特定の距離に限定することで、レンダリング速度を速め、さらに離れたところにあるオブジェクトの過度な光沢反射を防ぎます。
最終カラーにフェード
オンにすると、反射はここで指定したカラーにフェードします。オフにすると、反射は環境カラーにフェードします。屋内のシーンではオンに、屋外のシーンではオフにすると効果的です。

このパラメータは、[最大距離](Max Distance)がオンのときにのみ使用できます。

左: 全反射([最大距離](Max Distance) = オフ)

中央: [最大距離](Max Distance) = 100mm

右: [最大距離](Max Distance) = 25mm

最大トレース深度
このトレース深度に達した時点で、マテリアルは[ハイライト + FG のみ](Highlights+FG Only)がオンの状態になり、ハイライトと、ファイナル ギャザーによって作成された反射の「エミュレーション」のみが表示されます。
カットオフしきい値
切り捨てる、つまりトレースしない反射のレベルを設定します。この値は相対値です。たとえば、既定値の 0.01 に設定すると、最終的なピクセルの 1 パーセントに満たないレイが無視されます。値を 0.25 に設定した場合は、最終的なピクセルの値の半分に満たないレイが切り捨てられます。

[屈折](Refraction)領域

屈折(透明度)の最適化設定は、反射の最適化設定とほとんど同じです。唯一異なるのが[最大距離のカラー](Color At Max Distance)です。

最大距離
屈折を特定の距離に限定することができます。
最大距離のカラー
オンにすると、マテリアルは物理的に正確な吸収をシミュレートします。[最大距離](Max Distance)で指定した距離では屈折イメージに[最大距離のカラー](Color At Max Distance)が適用されますが、レイの到達範囲は制限されません。距離が 2 倍になると[最大距離のカラー](Color At Max Distance)の作用も 2 倍になり、距離が半分になると[最大距離のカラー](Color At Max Distance)の作用も半分になります。

このパラメータをオフにすると、透明度のレイは単純に黒にフェードします。これは、曇りガラスなどの吸収性の高いマテリアルに適しています。透明度は、指定した距離で終了します。パフォーマンス的には、反射で[最大距離](Max Distance)を使用するのと同程度の効果があります。レイのトレース距離が短いほどパフォーマンスは向上します。

このパラメータは、[最大距離](Max Distance)がオンのときにのみ使用できます。

左: 制限なし([最大距離](Max Distance) = オフ)

中央: 黒にフェード

右: 青にフェード

最大トレース深度
このトレース深度に達すると、マテリアルの屈折が黒になります。
カットオフしきい値
切り捨てる、つまりトレースしない屈折のレベルを設定します。この値は相対値です。たとえば、既定値の 0.01 に設定すると、最終的なピクセルの 1 パーセントに満たないレイが無視されます。値を 0.25 に設定した場合は、最終的なピクセルの値の半分に満たないレイが切り捨てられます。

[拡張透明度オプション](Advanced Reflectivity Options)領域

有効なエリアライトはハイライトを生じない
オンにすると、mental ray のエリア ライト(オムニおよびスポットライト)のうち[レンダリングにアイコンを表示](Show Icon In Renderer)プロパティがオンになっているものは、鏡面反射光ハイライトを生成しなくなります。既定値ではチェックマークが付いています。

[レンダリングにアイコンを表示](Show Icon In Renderer)チェック ボックスは、ライトの[エリア ライトのパラメータ](Area Light Parameters)ロールアウトにあります。 このチェック ボックスをオンにすると、ライトが有効になり、すべての光沢のある反射オブジェクトで反射されます。有効なエリア ライトとハイライトの両方をレンダリングすると、ライトが 2 倍になり、不自然に明るくなってしまいます。レンダリングにアイコンを表示チェック ボックスがオンになっている場合は、このスイッチを使うと有効なエリア ライトのハイライトが無効になり、反射のみが表示されます。ただしこれは、実際には何も反射されない[ハイライト + FG のみ](Highlights+FG Only)モードには適用されません。

内部反射をスキップ (内部反射を除外)
透明なオブジェクトの内部反射は、一般的にきわめて弱いものです(内部全反射(TIR)と呼ばれる、特定の角度で起こる例外を除く)。このオプションをオンにすると、弱い反射を完全に無視する(ただし TIR は無視しない)ことでレンダリング時間を節約できます。既定値ではチェックマークが付いています。
ハイライトの相対強度
鏡面反射光ハイライトの強度と実際の反射の強度を定義します。値が 1.0 の場合、2 つの強度は同等です。これより低い値を設定すると、反射に比べてハイライトの強度が抑制されます。高い値を設定すると、ハイライトが強化されます。

[拡張透明度オプション](Advanced Transparency Options)領域

この領域の各種オプションを使用すると、Arch & Design マテリアルをより詳細に制御することができます。

ガラス/トランスルーセント オブジェクトを以下のものとして扱う
  • [固体](Solid) オブジェクトを、体積を持つ透明な物質として扱います。
  • [薄い壁](Thin-walled) オブジェクトを、1 枚の非常に薄い透明なマテリアルとして扱います。

詳細は、「固体または薄い壁」を参照してください。

左: 固体

右: 薄い壁

コースティックスがオンの場合の透明なオブジェクト
コースティックスをレンダリングしない場合は、Arch & Design マテリアルではシャドウ シェーダを使って透明なシャドウが作成されます。窓ガラスのようなオブジェクトの場合はこれで十分です。直接光ならほとんど影響を受けずにガラスを通過して部屋のような空間に入ってくることができるため、実際、コースティックスを使用するよりも良い結果が得られます。

一般的には、mental ray でコースティックスを有効にすると、すべてのマテリアルが透明なシャドウを投影しなくなり、代わりに屈折コースティックスが生成されます。これは、卓上のガラス製の装飾品ではコースティックス効果を生成しながら、部屋の窓には通常の直接光を適用したいような建築シーンには不向きです。しかしこのような要望も、この切り替えを使えばマテリアル レベルで実現できます。

  • [ライトを屈折しコースティックス効果を生成](Refract light and generate Caustic effects) マテリアルでライトを屈折させ、コースティックスを生成します。
  • [透明なシャドウを使用](Use Transparent Shadows) コースティックスは生成せずに、マテリアルとオブジェクトで単純にライトを透過させて、よりくっきりとしたシャドウを投影します。

次の 2 つの図を見てみてください。左側の図は、[透明なシャドウを使用](Use Transparent Shadows)をオンにした場合の結果で、右側の図は[ライトを屈折しコースティックス効果を生成](Refract Light And Generate Caustic Effects)をオンにした場合の結果です。この 2 つのモードを自由に組み合わせて 1 つのレンダリング結果を生成することも可能です。フォトンは組み込みのフォトン シェーダによって自動的に処理されます。左側の図の場合は直接光としてまっすぐに放出され、右側の図の場合はコースティックスとして屈折しています。

左: 透明なシャドウを利用した例

右: 屈折コースティックスを使用した例

背面非表示
オンにすると特別なモードが有効になり、サーフェスの裏側がカメラに映らなくなります。既定値ではチェックマークは付いていません。

[背面非表示](Back Face Culling)を使用すれば、室内の「マジック ウォール」を再現できます。たとえば、すべての面の法線が内側を向いている状態で、[背面非表示](Back Face Culling)を使って部屋を「外側」からレンダリングしたとします。こうすると、部屋の外からカメラに室内を映すことができます。壁自体は存在するため壁のシャドウが投影され、さらにその壁でフォトンが跳ね返ったりもしますが、カメラに壁は映りません。

左: [背面非表示](Back Face Culling) = オフ

右: [背面非表示](Back Face Culling) = オン

透明オブジェクトがアルファ チャネルに影響
透明なオブジェクトで、バックグラウンドのアルファ チャネル情報をどのように扱うかを定義します。オンにすると、屈折やその他の透明度効果は、透明なオブジェクトを「介して」バックグラウンドのアルファを継承します。オフにした場合は、透明なオブジェクトに不透明アルファが適用されます。

[間接光オプション](Indirect Illumination Options)領域

FG/GI 強度
間接光に対するマテリアルの反応の強さを微調整できます。
FG 品質
マテリアルから放出されるファイナル ギャザー レイ数のローカル マルチプライヤ。