モーション ブラーではリアル ワールドでのカメラの動きをシミュレートすることにより、レンダリングされるアニメーションをより現実的に見せることができます。カメラごとにシャッタ速度は決まっていますが、シャッタが開いている間に何らかの急激な動きがあると、フィルム上のイメージにブラーがかかります。
イメージ モーション ブラーが右側の落下するコインに適用されています。
3ds Max には、モーション ブラーを生成するいくつかの方法があります。その 1 つがイメージ モーション ブラーです。この他にも、ビデオ ポストのシーン イベント効果であるシーン モーション ブラーがあります。ほとんどの用途に対し、イメージ モーション ブラーはシーン モーション ブラーよりもよい結果が得られます。シーン モーション ブラーの効果はやや誇張したものです。同じレンダリングでイメージ モーション ブラーとシーン モーション ブラーの両方が使用できます。
イメージ モーション ブラーは、スキャンライン、mental ray、および iray レンダラーで使用できます。イメージ モーション ブラー コントロールは、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス 
[レンダラー](Renderer)パネルにあります。mental ray および iray レンダラーの場合は、[レンダラー](Renderer)パネルに移動して[モーション ブラー](Motion Blur)を有効にします。[既定値のスキャンライン レンダリング](Default Scanline Renderer)の場合、まず[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログを使用してブラーを行うオブジェクトの[イメージ モーション ブラー](Image Motion Blur)を有効にし、次に[レンダラー](Renderer)パネルに移動して[イメージ モーション ブラー](Image Motion Blur)を有効にします。
イメージ モーション ブラーをレンダリング効果として適用することもできます。
(オブジェクト モーション ブラーというオプションもありますが、これはカメラをシミュレーションしたものではなく、高速移動するオブジェクトのレンダリング状態を改善するためのものです。)
ヒントと制限事項: スキャンライン レンダラーを使用したイメージ モーション ブラー
イメージ モーション ブラーは、オブジェクト モーション ブラーのように複数の画像をスーパーインポーズするのではなく、スミア効果を生成することによってオブジェクトをぼかします。これはカメラの動きを想定しています。イメージ モーション ブラーは、スキャンライン レンダリングが完了した後で適用されます。
- これは、イメージ モーション ブラーは、レンダリングの後で適用されるので、オブジェクトのオーバーラップが考慮されていないためです。ブラーを適用したオブジェクトがオーバーラップした場合、ブラーは正確には適用されず、レンダリング内でずれが生じます。この問題に対処するには、それぞれのブラー オブジェクトを別々に、異なるレイヤにレンダリングし、その後、ビデオ ポストの[アルファ コンポジタ](Alpha Compositor)(または別の合成ツール)を使用して 2 つのレイヤを合成します。
このオーバーラップの問題は、レイトレース屈折でレンダリングしたオブジェクトの背後にあるオブジェクトにもあてはまります。
- イメージ モーション ブラーは、トポロジを変更するオブジェクトには適用されません。このオブジェクトの 1 つとして、アニメートすると面分割(サーフェス近似)が変更される、NURBS オブジェクトがあります。通常の面分割はこのようには変化しません。また、ディスプレイスメント マッピングと最適化も面分割が変更されます。
- イメージ モーション ブラーを[メッシュ スムーズ](MeshSmooth)モディファイヤが適用されているオブジェクトに適用すると、奇妙な効果が発生します。その場合、[メッシュ スムーズ](MeshSmooth)モディファイヤの[設定](Settings)ロールアウトで、[面を凸型に保つ](Keep Faces Convex)を切り替えてください。問題が解決します。
- イメージ モーション ブラーはオブジェクトの反射には適用されません。対象となるのは実際のジオメトリだけです。