Substance のインタフェースは、マップ ノードをダブルクリックするとマテリアル エディタに表示される複数のロールアウトで構成されます。さらに、大部分の Substance マップには、異なるマテリアル マップの入力に接続できる複数の出力があります。
Substance マップがほかのマップと異なるのは、次の 3 種類のディスプレイスメント出力を作成する点です。[バンプ](Bump)は高密度の詳細なディスプレイスメントを提供します。[ディスプレイスメント](Displacement)は広範囲のディスプレイスメントで密度の低い出力を提供します。[高さ](Height)は、2 つを 1 つの出力に組み合わせます。たとえば、砂浜のマップでは、[ディスプレイスメント](Displacement)は砂浜で、[バンプ](Bump)は砂の粒子です。
この機能により、適切な場合は出力を使用して、メモリの使用量とレンダリング時間を最小限に抑えることができます。[ディスプレイスメント](Displacement)の出力を使用してメッシュをディスプレイスし、バンプ マップとして[バンプ](Bump)(または[法線](Normal))の出力を使用します。メモリに余裕がある場合は、単純に[高さ](Height)の出力をディスプレイスメント マップに使用します。
[バンプ](Bump)と[ディスプレイスメント](Displacement)の出力を個別に使用する場合は、Substance マップの[パラメータ](Parameters)ロールアウトの[レリーフ バランス](Relief Balance)の設定で 2 つのバランスを指定します。[レリーフ バランス](Relief Balance)の値は、0.0 ~ 32.0 の範囲で指定できます。既定値は 32.0 です。[レリーフ バランス](Relief Balance)の値を大きくすると[バンプ](Bump)の出力が強調され、値を小さくすると、[ディスプレイスメント](Displacement)の出力が強調されます。
次の図では、平面のプリミティブは、2 つの異なる[レリーフ バランス](Relief Balance)の設定によって、Desert_Sand_01 サブスタンスの出力を変えてディスプレイスされています。最初の行は、[レリーフ バランス](Relief Balance)を比較的高い値の 18.0 に設定した、[バンプ](Bump)、[ディスプレイスメント](Displacement)、[高さ](Height)の出力を示しています。2 番目の行は、[レリーフ バランス](Relief Balance)を値の範囲の下限近く 2.0 のに設定した、[バンプ](Bump)、[ディスプレイスメント](Displacement)、[高さ](Height)のそれぞれの出力を示しています。
1. [バンプ](Bump)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 18.0
2. [ディスプレイスメント](Displacement)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 18.0
3. [高さ](Height)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 18.0
4. [バンプ](Bump)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 2.0
5. [ディスプレイスメント](Displacement)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 2.0
6. [高さ](Height)出力、[レリーフ バランス](Relief Balance) = 2.0
2 つの[高さ](Height)のディスプレイスメント(3 と 6)は同じです。[レリーフ バランス](Relief Balance)は[高さ](Height)の出力に影響を与えません。
Substance マップを使用する場合には、一番便利な方法はスレート マテリアル エディタを使用することです。スレート マテリアル エディタでは、さまざまなマップの出力をマテリアル マップの入力に接続し、マップ ノードをダブルクリックしてパラメータにアクセスできます。特定の手順は、「Substance マップ」を参照してください。
[Substance]マップ ノードには、複数の出力が表示されます。
3ds Max の多くの別のマップとは違い、Substance マップの大部分には複数の出力があります。このことは、1 つの Substance からの異なる出力をマテリアルの異なる入力に接続し、作成する接続に基づいて異なる結果を作成することができることを意味します。
新しい Substance をマテリアル/マップ ブラウザからマテリアルの入力コネクタに直接ドラッグしてマテリアルに適用し(スレート マテリアル エディタを使用)、[パッケージ ブラウザ](Package Browser)ロールアウトのボタンで Substance ファイルを指定すると、 3ds Max はそのマップの[拡散反射光](Diffuse)出力を無視します。これを変更するには、マップ ノードの異なる出力コネクタと マップ出力セレクタ ノードの間をドラッグして直接変更するか、マップ出力セレクタの[チャネル名](Channel Name)を変更するという間接的な方法を使用します。
Substance マップの出力は次のものがあります(すべての Substance にすべての出力があるわけではありません)。
マップによって提供される全体的なカラー。通常はマテリアルの[拡散反射光](Diffuse)マップに接続されます。
実際のオブジェクトのサーフェスには関係なく、ライト、見る人の角度や、マップの内容に基づいたリアルな鏡面反射光コンポーネント。通常は、[鏡面反射光レベル](Specular Level)マップに接続されます。
次の図は、標準マテリアルを使用して平面プリミティブに[拡散反射光](Diffuse)マップとして適用した Coal サブスタンスをパース ビューポートで表示したものです。
左: [拡散反射光](Diffuse)マップの鏡面反射光
中央: マテリアルの鏡面反射光
右: Substance マップの鏡面反射光
法線バンプマップは、完全なスペクトルのカラーを使用して高密度のサーフェス ディスプレイスメントを非常に正確な方法でシミュレートします。通常、[法線バンプ](Normal Bump)マップを介してマテリアルの[バンプ](Bump)マップに接続されます。
標準のバンプ マップは、グレースケール イメージを使用して、高密度のサーフェスディスプレイスメントをシミュレートします。通常、マテリアルの[バンプ](Bump)マップまたは[ディスプレイスメント](Displacement)マップに直接接続されます。
詳細は、「Substance とディスプレイスメント」を参照してください。
標準のディスプレイスメント マップは、グレースケール イメージを使用して、低密度のサーフェス ディスプレイスメントをシミュレートします。通常、マテリアルの[ディスプレイスメント](Displacement)マップに直接接続されます。
詳細は、「Substance とディスプレイスメント」を参照してください。
[バンプ](Bump)のデータと[ディスプレイスメント](Displacement)のデータを 1 つの出力に組み合わせます。通常、マテリアルの[ディスプレイスメント](Displacement)マップに直接接続されます。
詳細は、「Substance とディスプレイスメント」を参照してください。
アクティブにすると、マップの「バックグラウンド」の領域が透明になります。通常、マテリアルの[不透明度](Opacity)マップに適用されます。Fencing や Autumn_Leaves など、一部の Substance でのみ使用できます。
たとえば、[不透明度](Opacity)の出力をマテリアルの[不透明度](Opacity)マップに割り当てると、バックグラウンドをカスタムのコンテンツ(異なるテクスチャ マップが適用されたベースのオブジェクト)に置き換えることができます。
左: 既定値のバックグラウンドのAutumn_Leaves。[拡散反射光](Diffuse)の出力のみ
右: [不透明度](Opacity)の出力をマテリアルの[不透明度](Opacity)マップの入力に適用したAutumn_Leaves。ベースにある Substance マップ(Lawn)が見える
通常、マテリアルの[自己照明](Self-Illumination)マップに適用される、マテリアルの「光を放つ」コンポーネント。Volcano_Rock、Coal などの輝く要素を含む Substance でのみ使用できます。
例については、前の[鏡面反射光](Specular)を参照してください。
Substance マップによって定義される鏡面反射光ハイライトの広がり。通常は、マテリアルの[光沢](Glossiness)マップに適用されます。Volcano_Rock や Marble_02 など、一部の Substance でのみ使用できます。
[グローバル設定](Global settings)には、Substance マップとテクスチャ サイズをレンダリングするエンジン(ソフトウェア サブシステム)が含まれています。
[エンジン](Engine)設定を変更すると、3ds Max の再起動を促すメッセージが表示されます。その後は、次回エンジンを変更してソフトウェアを再起動するまで、そのエンジンがすべての Substance テクスチャに対して有効になります。
シーンのすべての Substance テクスチャの基本出力解像度は、[テクスチャ サイズ](Texture Size)(ローカル)設定に応じてテクスチャごとに変わります。いずれかの Substance のグローバル設定を変更すると、シーン内の他のすべての Substance が変更されます。
フィードバックを迅速にするため、シーンとマテリアルを編集する場合、ここでは小さい値を使用してください。
Substance ファイルには複数のテクスチャ定義を含めることができるため、「パッケージ」と呼ばれることもあります。この設定を使用して、Substance ファイルを開いて再ロードし、ファイルに複数の定義がある場合は、使用する定義を選択します。
[Substances を参照](Browse For Substances)ファイル ブラウザ ダイアログ ボックスを開きます。Substance ファイルを開くには、このダイアログ ボックスを使用します。
Substance のすべてのマップとサンプル イメージは、「Substance のサンプル」を参照してください。
ファイルを開くと、ファイル名とアクティブな Substance の名前がこのボタンに表示されます。また、マウス カーソルをボタンの上に置くと、ファイル パスを示すツールチップが開きます。
例外は、Space や Noise マップなど、出力が 1 つの Substance をマテリアルに複数の出力が接続されているマップに読み込んだ場合です。この場合、1 つの出力が、以前に接続されているすべてのマテリアルの入力に接続されます。
Substance を定義ファイルから再度ロードします。
このドロップダウン リストを使用して、複数の定義を含むパッケージから使用する Substance 定義を選択します。
これらの設定は、現在のテクスチャの出力解像度のみに影響を与えます。現在のテクスチャの解像度はグローバル サイズ(相対)を基準にすることも、またはグローバル·サイズとは無関係に設定することもできます。このロールアウトを使用してどちらかのオプションを選択し、現在の個々の Substance の次元を設定します。[テクスチャ サイズ](Texture Size)の設定を大きくすると、高品質のテクスチャができますが、レンダリング時間が長くなります。
オンにすると、このロールアウトの幅の設定だけが使用できるようになり、[幅](Width)の設定を変更すると、現在のアスペクト比を維持するように高さの値も変化します。
[相対値](Relative)を選択すると、[幅](Width)と[高さ](Height)の設定はグローバルの寸法のマルチプライヤとして動作します。たとえば、[グローバル テクスチャの幅](Global Texture Width)と[グローバル テクスチャの高さ](Global Texture Height)が両方とも 512 に設定されており、[相対幅](Relative Width)と[相対高さ](Relative Height)を[x2]に設定すると、そのテクスチャに対するレンダリングの出力解像度は 1024 x 1024 になります。この方法で、グローバル レベルでベースライン解像度を設定してから、Substance マップごとに相対的マルチプライヤを使用して変更することができます。
[絶対値](Absolute)を選択すると、[幅](Width)と[高さ](Height)の設定は、グローバル設定に関係なく、出力解像度を決定します。
どちらのオプションでも、[幅](Width)と[高さ](Height)の設定はドロップダウン リストから選択します。
この読み取り専用のフィールドには、グローバルおよびローカルのテクスチャ サイズの設定から計算された実際の出力解像度が表示されます。
この読み取り専用のロールアウトには、Substance ソフトウェアの現在のバージョン、解像度の設定、および現在のパッケージの説明(作成者が入力している場合)が表示されます。
これは、3ds Max の 2D テクスチャの標準的な[座標](Coordinates)ロールアウトです。詳細については、「Coordinates Rollout (2D)」を参照してください。
これは、3ds Max の 2D テクスチャの標準的な[ノイズ](Noise)ロールアウトです。詳細については、「Noise Rollout (2D)」を参照してください。
Substance テクスチャにはそれぞれ独自のパラメータ セットがあり、その一部はほとんどのテクスチャに共通します([ランダム シード](Random Seed)など)。ほとんどのパラメータでは、前の図のように、ツールチップに名前と簡単な説明が表示されます。特に指定されていない場合、ほとんどのパラメータでの使用可能な値の範囲は 0.0 ~ 1.0 です。
このロールアウト特有の注意点は、[レリーフ バランス](Relief Balance)設定です。この設定は、メッシュをディスプレイスすることができるすべての Substance マップで使用できます。[レリーフ バランス](Relief Balance)を使用すると、[バンプ](Bump)と[ディスプレイスメント](Displacement)のウェイトを調整できます。詳細は、「Substance とディスプレイスメント」を参照してください。
大部分の Substance に共通するもう 1 つの重要な設定は、前に述べた[ランダム シード](Random Seed)パラメータです。この値を変更すると、全体的な見た目はそのままに、テクスチャの詳細が変更されます。異なる[ランダム シード](Random Seed)値を使用することで、シーンの異なる部分に同じテクスチャを適用し、同時にマテリアルに自然な変動を生じさせることができます。
左: [ランダム シード](Random Seed)が 0 の Old_Painted_Planks テクスチャ
右: [ランダム シード](Random Seed)が 1 の Old_Painted_Planks テクスチャ