[レイトレーサ グローバル パラメータ](Raytracer Global Parameters)ロールアウト

レイトレーサ グローバル パラメータロールアウトのパラメータは、レイトレースをグローバルにコントロールできます。つまり、シーン内のレイトレース マテリアルとレイトレース マップすべてに反映されます。さらに、アドバンスド レイトレース シャドウとエリア シャドウの生成にも反映されます。

注: これらのコントロールにより、スキャンライン レンダラーのレイトレース設定のみが調整されます。これらのコントロールの設定は、独自のレイトレース コントロールを持つ mental ray レンダラーに影響しません。

[レイ深度コントロール](Ray Depth Control)領域

反射深度(レイ深度)は反復深度とも呼ばれ、レイが消滅または捕らえられるまでに反射する回数をコントロールします。

左上: 反射深度 0

右上: 反射深度 2

下中央: 非常に高い反射深度

最大深度
最大深度を設定します。この値を増やすと、レンダリングしたシーンが、より本物に近く見えるようになる可能性が高くなります。 ただしレンダリングの時間も余分にかかります。レンダリングの時間を減らすには、この値を小さくします。指定できる範囲は 0 から 100 です。既定値は 9 です。
カットオフしきい値
適用可能なレイ レベルのカットオフしきい値を設定します。最終的なピクセル カラーへの効果がこの値を下回るレイは使用されなくなります。既定値では0.05 (最終的なピクセル カラーの 5 %)です。このオプションを使用すると、レンダリング時間を大幅に短縮できます。
最大深度で使用するカラー
通常、最大深度に達した光はバックグラウンド環境と同じ色でレンダリングされます。最大深度に達したときの色は、色を選択するか、または別の環境マップを選択することで無効にできます。これにより「失われた」レイをシーンで非表示にできます。
ヒント: ガラスなどの複雑なオブジェクトのレンダリングで支障が生じた場合は、最大深度カラーをマゼンタなどの識別しやすい色にし、それとは対照的なシアンなどの色をバックグラウンド カラーにします。こうすると、最大反復の時点か、ワールドに照射された時点のいずれかで、ほとんどのレイが失われ、まったく何も当たらなくなります。そのシーンをもう一度レンダリングします。これで問題があれば、[最大深度](Maximum Depth)の値を下げます。
  • [指定](Specify) レイが消滅するか、捕えられたときにレイトレースが戻す色を指定します。カラー見本をクリックすると、カラーを変更できます。
  • [バックグラウンド](Background) レイが消滅するか、捕えられるとバックグラウンド カラーを戻します。レイトレース マテリアルの場合、バックグラウンド カラーは、グローバル環境バックグラウンドか、そのマテリアルにローカルで指定した環境となります。レイトレース マップの場合、バックグラウンド カラーはグローバル環境バックグラウンドか、[レイトレース パラメータ](Raytracer Parameters)ロールアウトでローカルに設定した色になります(既定値)。

[グローバル レイ アンチエイリアス](Global Ray Antialiaser)領域

この領域内のコントロールを使用して、レイトレースされたマップとマテリアルのグローバルなアンチエイリアシングを設定します。グローバルなアンチエイリアシングを使用するには、まず[オン](On)チェックボックスをクリックして設定を有効にした後、ドロップダウン リストからアンチエイリアスを選択します。

上: アンチエイリアシングなし

下: 反射のアンチエイリアシング

ヒント: レイトレースされたマテリアルのスーパーサンプルをオンにすると、適切なアンチ エイリアスを入手できます。反射や屈折をブラーしたい場合は、レイトレース アンチエイリアス(高速アダプティブまたはマルチ解像度アダプティブ)の 1 つを使用します。
オン
このチェック ボックスにチェック マークが付いている場合、アンチエイリアシングが使用されます。既定値ではチェックマークが付いていません。
ドロップダウン リスト

使用するアンチエイリアシング設定を選択します。2 つのオプションがあります。

  • 高速アダプティブ アンチエイリアス高速アダプティブ アンチエイリアスをグローバルに使用します。

    ... をクリックし、[高速アダプティブ アンチエイリアス](Fast Adaptive Antialiaser)ダイアログ ボックスを開きます。

  • マルチ解像度アダプティブ アンチエイリアスマルチ解像度アダプティブ アンチエイリアスをグローバルに使用します。

    ... をクリックし、[マルチ解像度アダプティブ アンチエイリアス](Multiresolution Adaptive Antialiaser)ダイアログ ボックスを開きます。

[グローバル レイトレース エンジン オプション](Global Raytrace Engine Options)領域

これらのオプションは、[拡張パラメータ](Extended Parameters)ロールアウトと[レイトレース コントロール](Raytracer Controls)ロールアウトのローカル オプションに類似するものです。それらの設定は、ローカルを無効に設定しない限り、シーン内のすべてのレイトレース マテリアルとレイトレース マップに反映されます。

レイトレースを使用可能にする
レイトレースのオン、オフを切り替えます。既定値ではチェックマークが付いています。

レイトレースがオフでも、[レイトレース](Raytrace)マテリアルと[レイトレース](Raytrace)マップでは、シーンの環境マップや[レイトレース](Raytrace)マテリアルに割り当てられた環境マップを含めた環境の反射や屈折が行われます。

環境効果をレイトレース
環境効果のレイトレーシングのオン、オフを切り替えます。環境効果には、燃焼、フォグ、ボリューム ライトなどがあります。既定値ではチェックマークが付いています。
自己反射/屈折を使用可能にする
自己反射/屈折のオン、オフを切り替えます。既定値ではチェックマークが付いています。

オブジェクトにその本体が映る可能性があります。たとえば、ティーポットの本体には持ち手の部分が反射されますが、球ではそのようなことは決してありません。この効果が不要であれば、この切り替えをオフにしてレンダリング時間を節約することもできます。

ヒント: ガラスなどの透明なオブジェクトで[自己反射/屈折を使用可能にする](Enable Self Reflect/Refract)がオンである場合は、オブジェクトを両面にする必要はありません。レイトレースでは、オブジェクトの屈折部分で、背面が表示されます。
自己反射/屈折マテリアル ID
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、マテリアルはレンダラーの G-バッファ がオン、またはオフのマテリアル ID に割り当てられた効果を反射します。既定値ではチェックマークが付いています。

既定値では、レイトレース マテリアルとレイトレース マップはマテリアルの ID に割り当てられた効果を反射するので、G-バッファ効果は失われません。たとえば、レイトレースされたオブジェクトがビデオ ポストのグロー フィルタ(レンズ エフェクト グロー)で光るランプを反射すると、その反射も同じように光ります。

レイトレースされたオブジェクト内のオブジェクトをレンダリング
レイトレース対象のオブジェクト内にあるオブジェクトのレンダリングのオン/オフを切り替えます。既定値ではチェックマークが付いています。
レイトレースされたオブジェクト内の環境効果をレンダリング
レイトレース対象のオブジェクト内の環境効果に対するレンダリングのオン/オフを切り替えます。環境効果には、燃焼、フォグ、ボリューム ライトなどがあります。既定値ではチェックマークが付いています。
カラー密度/フォグ効果を使用可能にする
カラー密度とフォグ機能のオン/オフを切り替えます。
加速コントロール
クリックすると、[レイトレース アクセラレーション パラメータ](Raytracing Acceleration Parameters)ダイアログ ボックスが開きます。
除外
クリックすると、[除外/含む](Exclude/Include)ダイアログ ボックスが表示され、レイトレースからオブジェクトを除外できます。
[進行ダイアログを表示](Show Progress Dialog)チェック ボックス
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、レンダリング中に[レイトレース エンジンの設定](Raytrace Engine Setup)というタイトルの、進行状況バーと共にウィンドウが表示されます。既定値ではチェックマークが付いています。
[メッセージを表示](Show Messages)チェック ボックス
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、レイトレース エンジンからの状態と進行状況のメッセージを表示する[レイトレース メッセージ](Raytrace Messages)ウィンドウが表示されます。既定値ではチェックマークが付いていません。
リセット(Reset)
クリックすると、設定が既定値に戻ります。