電極の拡張距離を指定するには

[拡張距離オプション]ページを使用して、放電領域をベースに取り付けるための電極の拡張距離を指定します。電極ウィザードのこのページは、値が電極のどのパーツのものなのかを示すために色分けされています。

この図は、ソリッド ワークピース(グレー)に配置された電極(黄)を示しています。拡張距離(青)は、矢印で表示されます。

  1. [拡張距離]には、拡張を指定する値を入力します。
  2. [Z スケール]ボックスと[XY スケール]ボックスには、Z 方向に拡張する場合のスケール値、および X と Y の両方向に拡張する場合のスケール値を指定します。
    注: [Z スケール]フィールドと[XY スケール]フィールドに異なるスケール値を入力した場合でも、拡張された部分はソリッドの下地フェースとの接線連続性を保持します。そのため、拡張される距離が、スケール係数で乗じられた距離とは異なる場合もあります。通常、2 つのスケール値を指定することはありません。拡張距離を適合させるため、スケール値の一方は 1 のままになります。もう一方の値も 1 の場合、Z 方向と XY 方向の拡張距離は同一になります。1 以外の場合、Z 方向と XY 方向への拡張距離は異なります。
  3. [オプション]リストから方法を選択して、放電領域をどの程度拡張するかを指定します。

    放電領域の拡張オプションは、すべての電極に適しているわけではありません。[プレビュー]ボタンを使用して、電極のオプションをテストします。

    次のオプションから選択します。
    • [エッジの法線]: 放電領域のエッジに対して垂直に拡張します。

      放電領域

      拡張

    • [ボックスまで増大]: 放電領域の拡大バウンディング ボックスを拡張制限の対象として使用します。通常、サーフェスは、このボックスと交差するまで拡張距離を超過して拡張されます。これにより、端の開いたリブに、正方形の平坦側面を作成します。

      通常の拡張方法は、リブのエッジの角度が、臨界ではないクリアランス領域の電極に角度付きのフェースを作成するため、希望の仕上りにならないこともあります。

      [ボックスまで増大]オプションは、より適切な形状の電極を作成します。

      リブのエッジ曲率が大きいほど、[ボックスまで増大]の効果は顕著になります。

    • [サーフェス内部]: 放電領域の下地サーフェスのラテラルまたはロンジット方向沿いに拡張します。

    • [垂直にアライン]: 拡張は、Z 軸沿いに垂直にアラインされます。

      拡張の内部カーブは Z 軸にアラインされますが、拡張自体は放電領域との接線連続性を保持します。そのため、このオプションは XY 平面に水平なフェースの拡張には不適切になります。

    • [スプリットサーフェス]: 拡張は、下地サーフェスのサーフェス法線沿いになります。このオプションを選択して、[角度]に値を入力します。スプリット サーフェスの既定の角度は 90 度です。

      このオプションは、直立凸面の加工時に最適です。このオプションを使用しない場合、鋭いエッジが作成されてしまいます。次図では、そのような領域を示しています。矢印が拡張方向を示します。

      分割サーフェスオプション:

      その他のオプション:

      放電領域

    このオプションは、エッジがフィレットされている領域の加工にも適しています。

  4. [クリアランス距離]に値を入力します。これは、Z 軸沿いに計測した、選択したポジション オプションからの電極ベースの距離です。

    放電領域の上

    拡張領域の上

    ブロックの上

    最小 Z 距離の上

    クリアランス距離には、負の値を入力することができます。ベースが作成されると、Electrode は自動トリムを実行して、ベースとソリッドが干渉しないようにします。負の値が十分に低い場合、ベースがソリッドの上部と一致する電極を作成することができます。これは、オフセットベース電極 と呼ばれます。

  5. [ポジション]リストからオプションを選択します。ウィザードのグラフィックスが変化して、ベース ポジションの算出位置を示します。次のいずれかのマークタイプを選択します。
    • [ブロックの上]: 赤い矢印で示される、XY 平面からの、ソリッドの最も高いポイントです。

    • [延長部分の上]: XY 平面からの、放電領域の拡張部の最も高いポイントです。

      拡張領域の上

      拡張距離

    • [放電領域の上]: 赤い矢印で示される、XY 平面からの、放電領域の最も高いポイントです。

    • [最小 Z]: 赤い矢印で示される、選択放電領域の、最小 Z 値です。

      このオプションでは、クリアランス距離に負の値を使用することはできません。クリアランス距離が放電領域よりも低い場合、オフセットベース電極が作成されます。

  6. [勾配角度]には、電極の拡張部(放電領域から拡張された部分は除く)の角度を指定する値を入力します。狭いキャビティ用にデザインされている場合、電極を強化するために勾配角度が必要になる場合があります。Z 軸から計測されます。勾配角度は、図において赤で表示されます。

  7. [プレビュー]をクリックして、ワークピースに対する拡張サーフェスとクリアランス サーフェスの干渉をチェックし、グラフィック ウィンドウに電極を表示します。必要に応じて値を変更し、再び[プレビュー]をクリックします。
  8. 電極拡張部の別のセグメントに対して異なる方向を指定するには、[アドバンス]をクリックします。
  9. [次へ]をクリックします。[電極ブランクを指定]ページが表示される前に、ワークピースに対する拡張サーフェスとクリアランス サーフェスの干渉を再度チェックします。

    または、 ボタンをクリックして、電極ウィザードを終了します。電極がソリッドとして作成され、選択された状態のままになります。ソリッドの編集や、ウィザードの再開始を行うことができます。これにより、ソリッドは電極として登録されます。