アクティビティ 5: 解析を実行して結果を表示する
このアクティビティでは、解析を実行し、安全率、応力、変位、熱流束、および熱勾配の結果を確認します。この結果を使って次のことができます。
適用した荷重の結果としてブレーキ ロータで降伏が発生するかどうかを特定します
最大応力の領域を特定します
さまざまな色遷移オプションで結果を表示します
最大応力の位置を説明します
温度分布を説明します
変位結果をアニメーション表示し、使用に伴ってロータがどのように変化するかを確認します。

解析準備ができているブレーキ ロータ(左)。ブレーキ ロータ モデルと安全率の結果の表示(右)。
前提条件
手順
スタディを解析します。
-  ([シミュレーション]作業スペース > [設定]タブ > [解析]パネル > [解析])をクリックして、[解析]ダイアログを開きます。
- [解析]をクリックして解析を開始し、[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-PRESS-PULL-CMD)[解析][](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-PRESS-PULL-CMD)ダイアログを閉じます。
- 解析が完了したら、[閉じる]をクリックして[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-REVOLVE-CMD)[ジョブ ステータス][](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-REVOLVE-CMD)ダイアログを閉じます。
[結果]タブが自動的に開き、結果を参照できます。
適用した構造荷重と熱荷重の結果としてロータで降伏が発生するかどうかを特定します。
- 最初に表示される[安全率]の結果を確認します。
[最小/最大]の結果プローブは既定で表示されています。非表示にする場合は、[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-RIB-CMD) ([シミュレーション]作業スペース > [結果]タブ > [検査]パネル > [最小/最大を非表示])をクリックします。
- 安全率は 2.0 より大きくなっていることに注目してください。これは、適用された構造荷重と温度荷重の結果としてロータで降伏が発生しないことを示しています。
- 最小の安全率は、ロータ内部の冷却用に供給される空気スロットのエッジ付近で発生することに注目してください。
ノッチのエッジ周辺の安全率が最も低い理由を理解するために、応力、温度分布、および熱流束の結果を見てみましょう。

最大応力が発生する位置を特定します。
- 凡例の近くにある結果のドロップダウン メニューから[応力]結果を選択します。von Mises 応力のコンターが表示されます。
- 最大応力の結果は最小安全率と同じ位置で発生し、応力が増加すると摩擦面に沿って放射状の帯が生じることに注目してください。

最大熱流束が発生する位置を特定し、スムーズな色の遷移から帯状に切り替えます。
- 凡例の近くにある結果のドロップダウン メニューから[熱流束]結果を選択します。
- 凡例の横にある
[凡例オプション]をクリックして、[凡例オプション]ダイアログを開きます。
- [色の遷移]を[帯状]に変更します。熱流束が最も高い帯を容易に参照できることに注目してください。

最大の熱流束の領域は、最大応力と最小安全率の領域に対応しています。空気スロットによって、熱源から水冷シャフトに流れる熱が鋳鉄材料の縮小断面に集中しています。
熱勾配の結果を使用して、手順 3 の最大応力の位置を説明します。小さい領域では熱膨張の変化が大きいため、熱勾配が急激になるほど、より大きい応力が生じます。
- 凡例の近くにある結果のドロップダウン メニューから[熱勾配]結果を選択します。
- 最大熱勾配が空気スロットの領域で発生していることに注目してください。ここでの最大熱勾配は、直線距離 1 mm あたり 2°C をやや下回っています。
- 熱流束と熱勾配のコンターの色は基本的に同じですが、単位と大きさが異なることに注目してください。[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-ALIGN-CMD)[スムーズ][](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=MODEL-ALIGN-CMD)ではなく[帯状]色遷移を使用すると、この違いがより明確になります。

熱勾配以外に、材料断面の変化が構造応力と熱応力の両方に影響を与えています。同じ熱勾配が与えられても、大きな断面の方が小さな断面よりも多くの熱応力を生じます。応力が増加すると摩擦面に沿って放射状の帯が生じますが、この現象はそのことを説明しています(手順 3 を参照)。応力が増加した領域はそれぞれ、ディスクの反対側での放射状のリブの位置に対応しています。以上の考察は、手順 3 で見られた von Mises 応力の分布を十分に説明しています。
- [スムーズ]色遷移に切り替えてから、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。
[温度]結果に切り替えて、温度分布を説明します。
- 凡例の近くにある結果のドロップダウン メニューから
[温度]結果を選択します。

- 最大温度はパッドの接触面で発生していることに注目してください。ここはブレーキ中に摩擦によって熱が発生する位置であるため、予期したとおりです。
- 最大温度の領域から放射状の内方向に移動すると、温度がかなり急激に低下することに注目してください。
熱は、(暴露されているすべての面での)熱伝達と、(ハブ穴の面での)より低い固定温度への熱伝導の組み合わせによって失われていきます。放射状の内方向に移動すると、熱伝達と熱伝導の両方の熱流が最大温度領域から離れていきます。これらはどちらも加算的です。
- 放射状の外方向に移動すると温度が低下しますが、あまり急激ではないことに注目してください。
放射状の外方向に移動すると、熱伝導の熱流の方向とは反対に移動することになります。熱は常に高い温度から低い温度に向かって流れます。したがって、ディスクの最も外側の領域の熱損失は純粋に熱伝達です。熱伝導の成分がなければ、この領域での熱損失はもっと緩やかになります。
[より速い]速度と[一方向]オプションを使用して、変位結果の X、Y、および Z の個別コンポーネントをアニメーション表示し、ロータのサイズの変化を確認します。
- 凡例の近くにある結果のドロップダウン メニューから[変位]結果を選択します。
ロータの最大変位が 0.3 mm を超えていて、熱源面の外側の直径エッジで発生していることがわかります。

- プロットの凡例の横にあるコンポーネントのドロップダウン リストで、[合計]から[X]に切り替えます。
-  ([シミュレーション]作業スペース > [結果]タブ > [結果ツール]パネル > [アニメーション])をクリックして、[アニメーション]ダイアログを開きます。
- [一方向]オプションをアクティブにし、増大の程度を確認します。
- [速度]ドロップダウン リストで、[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=SURFACE-EXTEND-CMD)[より速い][](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=SURFACE-EXTEND-CMD)を選択します。
-  [再生]をクリックします。
変位は主に放射状に大きくなっていることに注目してください。
- アニメーションがまだ再生されている間に、Y コンポーネントに切り替え、次に Z コンポーネントに切り替えます。
- 十分に確認したら、[OK]をクリックして[](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=SURFACE-UNSTITCH-CMD)[アニメーション][](https://help.autodesk.com/view/NINVFUS/JPN/?contextId=SURFACE-UNSTITCH-CMD)ダイアログを閉じます。
アクティビティ 5 のサマリー
このアクティビティでは、解析を実行した後で、次のことを行いました。
- 適用した荷重の結果としてブレーキ ロータで降伏が発生しないことを特定しました
- 最大応力の領域を特定しました
- さまざまな色遷移オプションで結果を表示しました
- 最大応力の位置を説明しました
- 温度分布を説明しました
- 変位結果をアニメーション表示し、使用に伴ってロータがどのように変化するかを確認しました。