Alias には、Lattice Rig ツールと Transformer Rig ツールという 2 つの Dynamic Shape Modeling ツールがあります。
2 つの個別のツールを備えることにより、次のような利点があります。
ツールボックスとツールの詳細については、Object Edit > Dynamic Shape Modeling > Transformer Rig および Object Edit > Dynamic Shape Modeling > Lattice Rig
を参照してください。
Dynamic Shape Modeling ツールファミリは、データセットのグローバルな変更をサポートするために開発されました。単一のジオメトリの変更は比較的簡単ですが、多数のジオメトリで構成されるモデル全体の比率を変更するには、非常に長い時間がかかる場合があります。デザイナが、モデルの比率をいろいろと探ってみたい、という状況もあるでしょう。そのような場合、ジオメトリのセット全体を、ときには単一ユニットとして、変更できるようにする必要があります。その結果は製品レベルである必要はなく、デザインを決定する前にさまざまな選択肢がほしいという段階で、デザイナの意図が理解できる程度に形作られたモデルを制作する場合などに便利です。
Dynamic Shape Modeling ツールにより、モデルをグローバルに、かつ簡単に変更できます。モデルを伸縮したり圧縮したりできる、高機能な非均等修正ツールといえます。モデルの部位の基本的な相互関係を変えること、また機能の追加や削除はできませんが、モデル内で相対サイズ、比率、シェイプを変更できます。
グローバル シェイプを変更するときに、サーフェスの連続性が維持される保証はありません。シェイプを修正した後、モデルをチェックして、必要に応じて連続性が途切れている部分を修正するために追加作業を実行する必要があります。
これらツールをジオメトリ セットのプロポーションの調整に使用します。入力データが製品レベルの品質であっても、ツールの出力結果が必ずしも製品レベルのサーフェスを提供しない場合があります。このツールは、デザイナやサーフェスモデラのコミュニケーション ツールとして簡単に使用できます。
グローバル シェイプの変形によりサーフェスのパラメータ設定が破壊されることはないので、修正したサーフェスセットを使用してさらにモデリングしていくことができます。モデルを製品レベルに戻すための作業が必要となりますが、このツールを使用して、最上級のサーフェスを作成することができます。
各ツール セットには大きな違いがありますが、次のコンセプトを共有しています。
ターゲットは修正を行う任意のジオメトリです。
ターゲット、メッシュ、またはカーブがターゲットになります。
モディファイアは、ターゲットに必要な変更を定義するためのジオメトリです。
コンストレインは、ターゲット ジオメトリの部位を固定し、形状の変更を防ぐために使用します。
ターゲットが選択されて受理されると、ツールはそのターゲットを即座に複製します。シェイプの修正は、複製されたモデルで行います。オリジナルのジオメトリは非表示になります。
ジオメトリのシェイプを修正しているときに、Dynamic Shape Modeling ツールでオリジナルと、修正中のジオメトリの表示を切り替えることができます。これにより、オリジナルとの比較が容易になります。
複製されたジオメトリ(ダイナミック シェイプ ヒストリを持つ可視ジオメトリ)を変更中に何らかの理由で、コンストラクション ヒストリが削除された場合、オリジナル ジオメトリが可視化となり、テンプレート化されます。
ツールで、複製ジオメトリを削除してオリジナルを復元すると修正したものは元に戻り、オリジナルとヒストリを削除すると修正が確定されます。
Lattice Rig ツールでは、グローバルなシェイプの修正に作用するラティスを使用します。ラティスのポイントを移動して、ジオメトリを形成します。これにより、モデルを押し込んだり引き出したりします。
グローバルに変更できるジオメトリをターゲットと呼びます。ターゲット、メッシュ、またはカーブがターゲットになります。
ターゲットへの必要な変更をわかりやすく表示するためのマニピュレータです。
プロキシは結合ラティスによって変形したターゲットの軽量なワイヤフレーム表現です。結合ラティスを変更して変形後のターゲットの外観を表示すると、プロキシはインタラクティブに更新されます。一方、ターゲットはマウス ボタンを放す(Auto Update オプションがオンの場合)、あるいは GO をクリックすると変化します(Auto Update オプションがオフの場合)。
ラティスは、Lattice Rig ツールのマニピュレータです。これは、ターゲット ジオメトリの周辺でバウンディング ボックスとして初期化されます。
ラティスには、分離と結合という 2 つのモードがあります。分離ラティスは破線で描画され、ラティスを修正してもターゲット ジオメトリには影響しません。ターゲット ジオメトリへの目的の変更に合うように、ラティスを洗練することができます。
結合ラティスは実線で描画され、ラティスを操作するとターゲットのジオメトリが変更されます。
分離ラティスを、ターゲットを完全に囲まないように形成できます。
ラティスを結合すると、ラティスの外側にあるものはすべて変更されず、ラティスの内側にあるものだけが変更されます。
この作業を促進するため、ターゲットに交差するラティスはロックされ、赤で描画されます。
分離モードでは、ラティス ポイントは変更可能です。結合モードでは、これらのポイントは変更できません。
ラティスをロックするために、このツールでは、トリム サーフェスがトリミングされていないように処理されます。
Lattice Rig ツールは特に、通常のモデルのシェイプの容積変更に最適です。Lattice Rig は、概念的な、すばやい調査にお勧めです。
グローバルに変更できるジオメトリをターゲットと呼びます。ターゲット、メッシュ、またはカーブがターゲットになります。
モディファイアは、ターゲットへの必要な変更をわかりやすく表示するためのジオメトリです。Transformer Rig ツールボックスに、モディファイアがあります。
ターゲット ジオメトリの部位を固定し、形状の変更を防ぐには、コンストレインを使用します。Dynamic Shape Modeling でTransformer Rig を解析し、コンストレインが対象領域(ROI)を区切ることを前提とします。ROI の外側にあるターゲットの部位は固定されます(移動しません)。ただし、対象領域の測定が正確ではないこともあります。ROI に誤差がある場合、クランパを使用します。
クランパは、対象領域の外側に配置される手引きで、ツールが目的の ROI を判別しやすくなるようにします。クランパにより、ROI の外側で修正ができないようにするのに役立ちます。
ターゲット ジオメトリに、シェイプを維持すべきジオメトリやオブジェクトが存在する場合がある。通常、これらはボタン、ドアノブや光などの部品です。これらの固定ターゲットは可動ターゲットに埋め込まれて移動しますが、変形してもそのシェイプは失われません。ターゲットを固定することで、サーフェス上で移動しても、パーツのシェイプが保持されるようになります。たとえば、荷物を覆うゴムシート上に固定されている、ヒモなどを通す金属製リングのように、シェイプとサイズは変わることなく、シートのしなやかなサーフェスの動きに追従します。
Transformer Rig は、モデルの細かい特徴などに、より的確な修正を加えるためのツールです。
Transformer Rig により、変更中のモデル専用にカスタム モディファイアを作成できます。これにより、サーフェスの修正をより厳密に制御できます。
Transformer Rig では、選択したターゲット ジオメトリの部品をコンストレインすることもできます。実際のジオメトリを選択して、修正をコンストレインできます。これにより、全体的な変形結果がより正確になり、よりきめの細かい変更が可能になります。
Transformer Rig は、Accurate とよばれる補足的な NURBS フィット手法を提供します。