デザイン アクセラレータ

『エンジニア ハンドブック』は、Design Accelerator に含まれるジェネレータおよびカリキュレータに関するすべての知識および計算式について概説したものです。

デザイン アクセラレータは、ファンクショナル デザインの重要コンポーネントに相当します。デザイン アクセラレータは、標準コンポーネントの識別や、規格ベース ジオメトリの作成にあたって、エンジニアリング計算および意思決定支援を提供します。[デザイン アクセラレータ]コマンドを使えば、設計プロセスが簡易化されます。[デザイン アクセラレータ]コマンドで、選択とジオメトリの作成を自動化したり、設計要件に対する検証により初期設計品質を向上したり、同一タスクに同一コンポーネントを選択して標準化を強化することがます。

デザイン アクセラレータは、単純または詳細な機械属性を入力することにより、機械的に正確なコンポーネントを自動的に作成できるジェネレータとカリキュレータのセットを提供します。たとえば、ボルト締結ジェネレータを使用すると、正しいパーツと穴を選択し、コンポーネントを組み合わせるだけで、すぐにボルト締結を挿入できます。

デザイン アクセラレータのジェネレータおよびカリキュレータを使用してコンポーネントを挿入するには、アセンブリまたは溶接環境で作業します。リボンの[デザイン]タブをクリックします。使用できるジェネレータおよびカリキュレータ コマンドが表示されます。ジェネレータとカリキュレータは、溶接などの機能領域別に分類されています。

ジェネレータやカリキュレータでの作業を開始する前に、アセンブリを必ず保存してください。

ジェネレータまたはカリキュレータを開くには、該当するコマンドをクリックします。既定では、[デザイン]タブにはジェネレータが開き、[計算]タブにはカリキュレータが開きます。[デザイン]タブで配置オプションを指定し、挿入するコンポーネントのタイプを選択します。[計算]タブで、計算値を入力します。ボルト締結ジェネレータや一部のカリキュレータの場合、疲労値を指定する[疲労計算]タブも使用できます。

一度に開くことができるジェネレータ/カリキュレータは 1 つだけです。ジェネレータ/カリキュレータが 1 つ開いているときに新しいジェネレータ/カリキュレータを開くと、最初のジェネレータ/カリキュレータは自動的に閉じます。

計算を実行するには、[計算]をクリックします。

設計したコンポーネントと計算を Autodesk Inventor アセンブリに挿入するには、[OK]をクリックします。

デザイン アクセラレータで実行可能な操作

デザイン アクセラレータを開くと、一連のツールが表示されます。ツールは次の 3 つのグループに分類されています。

コンポーネント ジェネレータを使用して、必要なコンポーネントを設計します。計算も実行できます。[ボルト締結ジェネレータ]や[クレビス ピン ジェネレータ]などのジェネレータは、コンテンツ センターのコンポーネントを使用します。そのようなジェネレータを使用してコンポーネントを挿入するには、コンテンツ センターに接続している必要があります。ただし、コンテンツ センターに接続していなくても、コンポーネントの各種計算を実行することは可能です。

デザイン アクセラレータでは、次のジェネレータを使用することができます。

エンジニアリング カリキュレータでは、機械系の設計と検証に標準的なの数式と物理理論が使用されます。

次のデザイン アクセラレータ カリキュレータを使用することができます。

[デザイン アクセラレータ]ツールバー

[デザイン アクセラレータ]ツールバーからデザイン アクセラレータの機能にアクセスすることもできます。[デザイン アクセラレータ]ツールバーを表示するには、[ツール]タブ [オプション]パネル [カスタマイズ]の順にクリックします。[ツールバー]タブに切り替えます。一覧からデザイン アクセラレータを選択し、[表示]をクリックします。ツールバーを画面上の好きな場所に配置します。

デザイン アクセラレータ データベースを共有できるか

Inventor¥Design Data¥DesignAccelerator にデザイン アクセラレータ ライブラリがインストールされています。これには、個々のジェネレータおよびカリキュレータに関する特定のデータ(係数、チェーン、または穴のパラメータなど)を保持しているファイルが含まれます。このフォルダをサーバやその他の場所に移動して共有することができます。

ジェネレータとカリキュレータを正常に操作するために他のアプリケーションが必要ですか?

一部のジェネレータはパーツをコンテンツ センターから挿入します。こうしたジェネレータを使用するには、コンテンツ センターに接続し、適切なライブラリをロードしておく必要があります。

次のジェネレータはコンポーネントをコンテンツ センターから挿入します。

ボルト締結 固定ピン
キー接続 ラジアル ピン
軸受 クロス ピン
クレビス ピン O リング
ジョイント ピン

コンポーネント オーサリング

Autodesk Inventor が提供するパーツの他、自社の標準パーツを使用するために、パーツ環境のユーザ コンポーネントに対して、オーサリングおよびパブリッシュ プロセスが有効になっています。

デザイン アクセラレータの[コンポーネント オーサリング]ダイアログ ボックスで、iMate およびパーツ パラメータを定義します。挿入したすべての値はコンテンツ センターの[パブリッシュ]コマンドに転送されるため、ユーザはユーザ コンポーネントを頻繁に作成およびパブリッシュすることができます。

更新

デザイン アクセラレータ ジェネレータでは、[更新]コマンドを使用できます。詳細については、「デザイン アクセラレータ ブラウザ」の章を参照してください。

[ファイルを命名]

ジェネレータおよびカリキュレータには[ファイルを命名]ダイアログ ボックスが用意されているので、デザイン アクセラレータ コンポーネントの表示名やファイル名を変更できます。

サイズ変更可能なダイアログ ボックス

多くのコンポーネント ジェネレータおよびメカニカル カリキュレータでは、1 つのダイアログ ボックスに多くの情報を表示する必要があります。ダイアログ ボックスのサイズは変更可能です。

既定では、デザイン アクセラレータのすべてのダイアログ ウィンドウは、最大サイズで開かれます(ただし、展開バーは最小化された状態です)。選択したタブによって、ダイアログ ボックスのサイズは変わります。サイズを変更するには、ダイアログ ボックスをドラッグします。小さくすることはできますが、元のサイズ以上に大きくすることはできません。

編集フィールド

ジェネレータおよびカリキュレータでは、すべての編集フィールドに式や単位を入力できます。

[結果]領域

[計算]および[デザイン]タブの右側に[結果]領域を表示するには、右側の二重線をダブルクリックするか山形のマークをクリックします。計算結果の値の単位は変更可能です。たとえば、ミリメートルをインチに変更できます。

計算に失敗した入力は赤で表示されます(赤で表示された値はその他の挿入された値や計算基準とは一致しません)。

結果が最新でない場合、結果の一覧は使用不可になります。たとえば、計算値のいずれかを変更すると、一覧はグレー表示されます。[計算]をクリックすると、結果の一覧が黒で表示され、挿入した値の最新の状態が一覧に反映されていることが示されます。

メッセージの概要

計算に関するレポートが表示されます。[計算]および[デザイン]タブの下部に[メッセージの要約]領域を開くには、タブの下部にある二重線をダブルクリックするか、山形のマークをクリックします。

目的に応じて、計算結果の説明が異なる色で表示されます。説明が青で表示されている場合、その情報は参考として提供されています。赤で表示されている説明は、計算に失敗した入力についての説明です。説明が赤で表示されても、コンポーネントの設計や計算は最後まで続行できますが、赤で表示された部分は挿入されたその他の値や計算基準とは一致しません。説明文の背景が赤色の場合、その計算または設計状態が重要であることを示しています。そのようなエラーを修正しない限り、設計または計算を続行することはできません。

グラフィカル プレビュー

選択したジオメトリのグラフィカル プレビューが Autodesk Inventor に表示されます。グリップを使用して値を編集できます。ジェネレータの場合、設計しているものによって使用できるグリップの数は異なります。たとえば、圧縮ばねを設計しているときは、2 つのグリップ(直径を変更するグリップと軸に沿ってばねを移動するグリップ)が使用できます。