Studio では、照明とシーン スタイルが使用されます。スタイルのライブラリが、Autodesk Inventor アプリケーションに導入されました。スタイルをユーザ間で容易に配布する手段として、スタイルのエクスポートとインポートが可能です。
[ローカル スタイル]は、アクティブなドキュメントに保存され、スタイル ダイアログ ボックスで名前の前にアスタリスクが付いて一覧表示されます。ローカル スタイルは、名前が同じグローバル スタイルよりも優先されます。
[グローバル スタイル]: Autodesk Inventor Design Data フォルダに、スタイル ライブラリとして導入されています。グローバル スタイルは、現在のプロジェクトで[スタイル ライブラリを使用]オプションが[読み取り-書き込み]に設定されている場合に、スタイルのダイアログ·ボックスに一覧表示されます。
次のコマンドは、スタイルのすべての種類に適用され、スタイルの種類に関係なく同じように動作します。スタイル固有のコマンドには、個々の参照トピックの注記が付いています。コマンドは、ダイアログ ボックスのツールバーに表示されます。
[新規スタイル] |
選択されたスタイルに基づいて、新規のローカル スタイルを作成します。既定の名前が付けられますが、[名前変更]コマンドで容易に変更できます。 |
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[スタイル消去] |
選択したローカル スタイルを削除します。ローカル スタイルが選択されており、スタイルが使用されていない場合に使用できます。 |
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[スタイル更新] |
選択したローカル スタイルのデータを対応するグローバル スタイルのデータで置き換えます。ローカル スタイルが次の状態になっている必要があります。
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[スタイル ライブラリに保存] |
既存のグローバル スタイルを上書きして、選択したローカル スタイルをスタイル ライブラリ(ディスク上)に保存します。ローカル スタイルが次の状態になっている必要があります。
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イメージ ベースの照明(IBL)は Inventor シーンの一部として含まれます。シーン内で IBL を使用するには、「[スタイルおよび規格エディタ] - [照明スタイル]のリファレンス」を参照してください。Inventor Studio では、IBL はサポートされていません。IBL 環境がアクティブな場合は、既定の照明が使用されます。
照明スタイルは 1 つまたは複数の個々のライト オブジェクトがグラフィックス ウィンドウに配置されて構成されており、それぞれが独自のプロパティ セットを持っています。[照明スタイル]ダイアログ ボックスで照明スタイルを選択すると、そのスタイルはアクティブなスタイルとして指定されます。 シーン では、アクティブな照明スタイルは一度に 1 つです。アクティブなスタイルが存在しない場合は、既定の照明がシーンに使用されます。
照明スタイルやスタイル内のライトを変更することができます。照明スタイルによって 1 つまたは複数の個々のライトをコントロールできます。また、スタイルとは無関係に個々のライトを変更したり応答させることができます。
すべての光源タイプは、シーン内で光がオブジェクトにブロックされて、影を投影することができます。
方向
既定の XY 固定面を使用して照明スタイルの方向を設定するか、既存の平面を使用します。選択対象の既存の固定面は[照明スタイル]ダイアログ ボックスに一覧表示されていますが、作業平面またはモデル面を選択することもできます。
別の固定面を選択して照明スタイルを編集すると、選択した照明スタイルの光源がすべて変換されます。他の照明スタイルは変更されません。
照明スタイルで方向に使用されているシーンが削除されていた場合、照明スタイルは既定の XY 固定面に戻り、ユーザが Studio 環境に切り替えると通知メッセージが表示されます。
照明スタイルの[移動]コマンド
ブラウザ、グラフィックス ウィンドウまたは[照明スタイル]ダイアログ ボックスで選択した 1 つまたは複数のライトを移動できます。右クリック メニューの[移動]コマンドを使用すると、[3D 移動/回転]座標系を使用できます。
[3D 移動]コマンドを使用して、照明スタイル全体をインタラクティブに移動します。スタイル内のすべてのライトを選択し、右クリックし、[移動]コマンドを選択します。
照明スタイルを特定の場所へ明確に位置を指定して移動するには、[照明スタイル]ダイアログ ボックスを開き、[位置]タブの[位置]セクションで座標を指定します。値は、アセンブリの X、Y、Z 原点に対する相対位置で示されます。
グローバル照明スタイル
グローバル照明スタイルとして次の 2 種類が用意されています。
これらの各スタイルでは、追加のライトを定義する必要なしに、レンダリングしたイメージ全体をおおう薄いライト効果が得られます。これらのスタイルでは、内部のサーフェスはより多くの光を反射し、よりはっきりと表示されます。レンダリング時間は調節可能な反射光のサンプル値(低、中、高)に応じて長くなります。
グローバル照明スタイルでは、シーン スタイル平面に影ができません(スタイル内にその他のライトが存在しないため)。グローバル照明(1 lt)スタイルでは影ができます(スタイル内にライトが 1 つあるため)。いくつかの照明スタイルや設定を試してみて、ニーズに最も合った照明スタイルを見つけることをお勧めします。追加のスタイルを作成し、ローカルに保存して自分で使用したり、グローバルに保存して他の人に提供することができます。
既定のスタイル
既定の照明スタイルは、新しい照明スタイルの基盤として使用されます。設定は事前に決定されています。既定のスタイルは、3 つの照明スタイル(指向性、スポット、点)で構成されています。既存のスタイルをコピーすることで、新しい照明スタイルを作成することもできます。コピーされたスタイルの設定が新しいスタイルに使用されます。
スタイルの設定
スタイルの設定は、スタイルから照明作業を別個に選択しない限り、スタイル内のすべての照明に適用されます。スタイルの明るさは、スタイル内のすべての照明に照明調節スイッチを付けるのと似ています。間接光は、シーンの間接照明のレベルが定義され、スタイルの個々の照明とは別個になっています。
薄い影
薄い影は、レンダリングされたイメージの外観を引き立て、細部をあいまいにして、見る人の意識が細部に向かないようにします。[ライト]の[影]タブにある[ライト パラメータ]は、薄い影が及ぶ範囲の直径を指定します。既定の設定では、アセンブリの境界領域よりも約 10% 大きくなります。直径を調節して影響範囲を変更します。何度か設定を試してみて、目的の結果を得ることをお勧めします。
個々の照明
照明には、1)指向性、2)スポット、および 3)点の 3 つの種類があります。すべての照明に同じ編集ハンドルが付いています。ソース、ターゲット、および方向線に 1 つずつです。ハンドルは、照明編集時のみ選択できます。 点光源の場合、照明が全方向に広がるため、ターゲット ハンドルを編集しても影響はありません。 |
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指向性編集コントロールを使用すると、照明を再配置できます。方向は維持されます。照明を再配置するには、3D 移動ツール ハンドルを使用します。矢印と平面により、照明が 2D 平面の方向に移動します。球の中心は、3D 領域では制限なしに移動します。 | |
位置ハンドルは、光源の位置をコントロールします。ソース位置を編集すると、モデルを基準として照明の方向が修正されますが、照明のターゲット位置は変更されません。 | |
ターゲット ハンドルは、照明が目標とする位置をコントロールします。ターゲット位置を変更しても、ソース位置は変更されません。 |
照明を編集する - 新規
照明を編集する - コピー
新しい光源の場合、適切なターゲットと位置が[一般]タブで指定されている場合にのみ利用可能です。値はライトを作成するときに指定されます。[計測]コマンドを使用する場合や、最後に使用した値から選択する場合は、入力ボックスの矢印をクリックしてメニューから選択します。計測値は変更可能です。
コピーされたライトは、その他のライトと同様に選択、移動、修正することができます。[ライトをコピー]では、同じまたは類似のパラメータを持つ複製されたライトを、すばやく容易に作成できます。新しいライトは照明スタイルに追加されます。
シーン スタイルは、レンダリング中に表示される、背景ジオメトリ、色、またはイメージで構成されます。一度にアクティブになるシーン スタイルは、1 つだけです。
シーン スタイルのドキュメント ライブラリは、[シーン スタイル]ダイアログ ボックスに一覧表示されます。
Studio スタイルをインポートおよびエクスポートして、スタイルをイントラネット内に配布したり、ユーザ コミュニティ全体に配布します。スタイルを配布するには次の 2 通りの方法があります。
エクスポートされたスタイル ライブラリ
スタイル ライブラリ ファイルは、インストールされているデザイン データ ファイルに含まれています。スタイル ライブラリをエクスポートするには、必要な変更を加えた上で、ライブラリをグローバル スタイル ライブラリに保存するのがよいでしょう。Studio のファイルは、StudioLighting.xml および StudioScene.xml です。CAD マネージャや管理者は、これらのスタイル ライブラリを配置イメージの一部として配布できます。
スタンドアロン マシンで作業する場合は、スタイル ライブラリを変更した後、通常のファイル転送方法を通じて適切な XML ファイルを同僚に配布することができます。
エクスポートされた個々のスタイル
作成した少数のスタイルを配布する場合は、個々のスタイルをエクスポートします。個々のスタイルのエクスポートは、[スタイル]ダイアログ ボックスを通じて行われます。エクスポートするスタイルを右クリックし、[エクスポート]をクリックします。ダイアログ ボックスで、エクスポートされるスタイルの xml ファイルに適切な名前を付け、[保存]をクリックします。保存されるファイルの拡張子は .styxml であり、ファイルを受け取る人によってインポートされます。
個々の照明およびシーン スタイルをエクスポートできます。
インポートされた個々のスタイル
[照明]および[シーン]スタイル ダイアログ ボックスの左下隅の近くには、[インポート]コマンドがあります。[インポート]をクリックし、インポートするスタイルが格納されているフォルダに移動し、スタイルを選択し、[開く]をクリックします。スタイルは、開いているドキュメントのローカル スタイルに追加されます。スタイルをグローバル ライブラリに追加するには、それを[ライブラリ]に保存する必要があります。
ドキュメント内の既存のスタイルがインポートされたスタイルと同じ名前を持つ場合は、既存のスタイルをインポートされたスタイルで上書きしてよいかどうかの確認を求められます。